【独自】★5口コミを分析してわかった ビジネスホテルと旅館で異なる「立地」の必須条件とは:高評価の4大要素「立地」「部屋」「食事」「施設」

口コミアカデミー 0円すべて無料 口コミサイトの運営やノウハウが学べる、店長限定の無料のオンラインスクール

旅行やホテルなどの宿泊業高評価の口コミを受け取るには、どのような要素が必要なのでしょうか。

口コミラボでは前回、高評価、低評価の口コミにはそれぞれ共通する要素がある」という仮説をもとに、飲食店高評価、低評価の口コミを分析しました。

今回は宿泊業の高評価、低評価の口コミを分析したうちの高評価編です。低評価編はこちらからご覧ください。

<関連記事>
飲食店、高評価口コミの3つのカギ
飲食店、低評価口コミの3つの理由
質の高い口コミを増やすテクニック

口コミが高評価になる4大要素「立地」「部屋」「食事」「施設」

今回の調査は、以下の方式で行っています。

  • Google マップの口コミにおいて総合評価が3.5から4.5の首都圏の宿泊施設が対象
  • ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテル、カプセルホテル、旅館、温泉旅館、民宿や民泊およびゲストハウスの7業種ごとに事業者をそれぞれ3施設ずつ無作為に抽出
  • それぞれの宿泊施設から3〜4件ずつ1つ星評価の口コミを無作為に選出
  • 合計70件の口コミに含まれている評価要素を以下11項目に分類
    • 価格
    • 接客
    • 立地
    • 食事
    • 部屋
    • 衛生
    • サービス
    • 感染対策
    • 滞在可能時間
    • 室内の設備や備品(ベッドやドライヤーなど)
    • 室外の設備や施設(大浴場や食堂など)

言いかえれば「口コミ平均点で『普通』と評価されている宿泊施設の口コミの中で、★5がつけられた口コミを抽出して書かれている内容を分析してみた」という調査です。

宿泊施設の1つ星口コミに含まれる評価要素をグラフ化
▲宿泊施設の1つ星口コミに含まれる評価要素:口コミラボ編集部作成

調査の結果、5つ星の口コミに最も多く含まれた評価要素は「立地」で全体の約16.0%、2番目に多く含まれた評価要素は「部屋」で全体の約15.5%、3番目に多く含まれた評価要素は「食事」と「室外の設備や施設」でそれぞれ全体の約13.5%となりました。

1. 立地:駅やコンビニからの距離や周りの景色を評価

今回調査した口コミの中では、立地の良さが最も多く言及されていました。

立地の良さに関する口コミは、駅やコンビニなどの施設から近いことを評価する口コミと、ホテルの周囲の環境を評価する口コミに分かれています。

駅やコンビニなどの施設から近いことを評価する口コミは、特にビジネスホテルやカプセルホテルゲストハウスなどに多く見られました。

これらの宿泊施設睡眠だけを目的として利用する宿泊客が多いことから、駅やコンビニなどの施設からの近さが特に評価される傾向にあるようです。

景色や自然などホテルの周囲の環境を評価する口コミは、リゾートホテルや温泉旅館に多く見られました。

これらの宿泊施設宿泊を非日常の体験として楽しむ宿泊客が多いことから、駅やコンビニなどの施設からの近さよりも自然環境を重視する傾向にあるようです。

よって、立地についてアピールするときには、ホテル旅館に対して宿泊客が何を求めているのかに応じた打ち出しが重要になります。

特に、リゾートホテルや温泉旅館では、ホテル周囲の観光地や自然環境を列挙し、周遊ルートとして宿泊客に案内してもよいでしょう。近隣の飲食店や雑貨店なども合わせて案内すれば、地域経済の活性化にもつながります。

関連記事
コロナで注目「マイクロツーリズム」事例8選

2. 部屋:清潔さは基本、テレビやWi-Fiなども評価要素

今回調査した口コミの中では、部屋の良さは2番目に多く言及されていました。

部屋の良さに関する口コミでは、清潔さが強調されているものが多く、特にベッドや水回りの清潔さを評価する声が見られました。

ベッドと水回りは特に汚くなりやすく、ベッドの寝具には染み、水回りの排水口には髪の毛などが付着しがちです。

これらの汚れは宿泊客にも細かく見られているため、清掃の際には必ず汚れがないか念入りに点検すべきでしょう。

関連記事
「排水口に大量の髪の毛が…」ホテルの★1口コミ 原因は?

また、部屋のテレビが大きかったことやWi-Fiが整備されていたこと評価されていました。

最近は32インチ台のテレビでも3万円以下で購入できるようになりました。部屋数しだいではあるものの、コストも抑えられるようになってきたため、客室のテレビが小さい場合には、ある程度の大型テレビの導入も検討しては良いのではないでしょうか。

評価の口コミでは「Wi-Fiがなかった」というものも見られます。まだWi-Fiを提供していない宿泊施設ではなるべく早くWi-Fi環境を整備すべきでしょう。

3. 食事:常に軽食を提供している宿泊施設が好評

今回調査した口コミの中では、食事の良さは3番目に多く言及されていました。

最も多かった口コミはホテルの朝食や旅館の夕食などに関するもので、ホテルでは朝食バイキングの豊富さ、旅館では郷土料理や季節の料理を提供していることが評価につながっていました。

特徴的なのは、ビジネスホテル、シティホテルやカプセルホテルなどの宿泊施設では、ドリンクバーやカレーなどを24時間提供していること評価されていたことです。宿泊中に喉が渇いたり小腹が空いても、近所のコンビニまで行くことを面倒に思う人は多く存在します。そんなときに宿泊施設内で簡単な飲み物や食べ物を提供していれば、宿泊客の需要を満たせられるでしょう。

たとえば、共立リゾートのビジネスホテルドーミーイン」では、夜間に無料でそばを提供する「夜鳴きそば」を実施しています。夜鳴きそばの提供時間終了後は「ご麺なさい」というカップラーメンを提供しており、多くの宿泊客の好評を得ています。

ドーミーインの「夜鳴きそば」無料
▲ドーミーインの「夜鳴きそば」:公式サイトよりキャプチャ


4. 施設:風呂が高評価の鍵、ちょっとした気配りにも評価

今回調査した口コミの中では、設備の良さは食事の良さと同じく3番目に多く言及されていました。

設備の良さに関する口コミで最も多かったのは、温泉や露天風呂など入浴施設に関するものです。

特に温泉旅館では温泉の質が評価されていたほか、ホテルでも露天風呂からの眺めを評価する口コミが見られました。

一般的な大浴場だけを備えたホテルでは泉質や眺めに関する評価を得ることは難しいですが、入浴剤を用いて季節のお湯を提供するなど差別化を図ることで、宿泊客からの評価も期待できます。

その他、フロント前に椅子が置いてあることや、カプセルホテルでは女性フロアに鍵が付いていたり外から見えないようになっていることなど、宿泊客目線での気配りができている宿泊施設にも高い評価の口コミが寄せられていました。

関連記事
旅館・ホテルの「温泉」活用したInstagram発信事例

ほかにもある、高評価の口コミを得る3つのカギ

調査の結果、宿泊業における高評価の口コミに共通する要素としては、「立地」「部屋」「食事」「施設」が大きな割合を占めていることがわかりました。

高評価の口コミで言及されている評価要素を更に調査したところ、特筆すべき評価要素が3つ見つかりました。以下で詳しく解説します。

1. ゆっくり滞在できる「レイトチェックアウト」が好評

今回調査した高評価の口コミの中には、レイトチェックアウトに関するものがいくつか見られました。

通常、旅館ホテルチェックアウト時間は10時頃ですが、レイトチェックアウトを採用している旅館ホテルではチェックアウト時間を11時や12時としています。

11時や12時のチェックアウトであれば、多少朝寝坊してもゆっくりとチェックアウトの準備ができます。客室で遅めの朝食をとったりパソコン作業を済ませたりと午前中の時間を活用できます。

なかにはオプションとして2時間1,000円でレイトチェックアウトを利用できるホテルもあり、こちらも高い評価を得ていました。

無料でのレイトチェックアウトの提供が難しい場合でも、有料で提供することで宿泊客の需要を満たせるでしょう。

2. 旅館には食事とサービスが求められる

旅館における高評価の口コミでは、食事が最も多く言及されており全体の約20.0%におよびます。サービスについては全体の約13.3%と2番目に多く言及されていました。

食事に関する口コミは宿泊業全体でも3番目に多く見られました。しかし、宿泊客にとって旅館における食事は特に重視されているようで、郷土料理や季節の料理の提供が評価へとつながっていました。

また、旅館サービスに関する口コミでは、宿泊客への気配りの行き届いたサービス評価されていました。例えばチェックイン後にお茶を提供されたことやお風呂の前で甘酒を提供されたことなどです。、

旅館では女将さんや仲居さんなどが接客することが多く、ホテルと比較して従業員と宿泊客が接する機会が多いといえます。

接客の際には宿泊客一人ひとりの需要に応えていくことで、サービスの行き届いた宿泊体験を提供できるでしょう。

関連記事
コロナに負けない!旅館の取り組み事例3選

3. ゲストハウスには外国人からの口コミも多い

民宿民泊ゲストハウスでは外国人からの口コミが多い傾向にあります。無作為に抽出した口コミ10件のうち4件が繁体字中国語、2件が英語によるものでした。

繁体字中国語を用いる台湾では、日本と同様にインターネットにおける口コミ文化が発達しています。宿泊施設の体験をGoogleをはじめとする口コミプラットフォーム投稿する観光客が多く見られます。

新型コロナウイルスの流行前はバックパッカーの外国人観光客にとって民宿民泊ゲストハウスなどは予算の都合上よく選ばれる宿泊先となっていました。そのため、これらの事業者としては外国語対応が課題となっていました。

2021年には東京オリンピックが開催予定ですので、外客受け入れが再開されたときには多くの外国人観光客が日本を訪れることが予想されています。

受け入れ再開後即座に外国人宿泊客に対応できるよう、外国語対応マニュアルの整備や外国語の話せる人材の採用、ポケトークなどの翻訳機の準備などを今のうちに進めておくとよいでしょう。

関連記事
外国人を呼び込む 人気ホテル予約サイト海外予約サイト4選

口コミが高評価になる鍵を知れば、集客力が向上する

宿泊業に寄せられた高評価の口コミを調査した結果、主な評価要素は「立地」「部屋」「食事」「施設」であることがわかりました。

宿泊業は、ビジネスホテルやカプセルホテルのように寝泊まりできればよいというものと、旅館やリゾートホテルのように宿泊そのものを楽しむものと、宿泊客のニーズが大きく分かれます。

それぞれの宿泊施設に宿泊客が求めるものは異なるため、自らの宿泊施設は主要な宿泊客にとってどういう位置付けなのかを分析することが大切です。

高評価の口コミを集めたいときは上述した要素を中心に宿泊客の求める要素を伸ばしてゆき、同時にフロントなどで口コミを書いてもらうようお願いするとよいでしょう。

【桜開花直前レポート】インバウンドに人気のお花見スポット予想 / 日本の桜が好きな国はどこ?


今回は「全国の桜の観光名所36スポット」に寄せられた2万件の口コミを調査、比較検証をしました。

業界動向の把握や自店舗の口コミ対策に、ぜひ本レポートをご活用ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

 【桜開花直前レポート】インバウンドに人気のお花見スポット予想 / 日本の桜が好きな国はどこ?

口コミアカデミー 0円すべて無料 口コミサイトの運営やノウハウが学べる、店長限定の無料のオンラインスクール

関連するオススメ記事

    この記事の筆者

    口コミラボ編集部

    口コミラボ編集部

    口コミラボ編集部ではMEO対策、ローカルSEO対策、販売促進店舗の口コミデータをもとにしたコンテンツなどを配信しています。