3C分析とは?顧客・競合・自社の「3つのC」に着目、マーケティング戦略の精度を高める

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3Cはさまざまな意味を表す略語です。たとえば1960年代の日本の家庭に普及した3つの消費財である「カラーテレビ・クーラー・車(カー)」、中国での家電製品「コンピューター・通信・家電」、いずれも3Cと呼ばれます。また感染症対策に掲げられた回避すべき「3密」は、英語で「3C」となります。

3Cはマーケティングの分析手法でもあります。3Cとは、市場・顧客(Customer)と競合(Competitor)自社(Company)の3つを指します。この3つの「C」を分析して、製品開発や集客などのビジネスに関わる戦略を決める基礎的なフレームワークを、3C分析といいます。

本記事では、3C分析の目的ややり方、注意点などを実際の事例も交えて説明します。

3Cとは?

事業計画やマーケティング戦略を考える時には、自社の内部事情を調査するのはもちろんですが、自分たちでは思い通りにいかない外部事情も考慮する必要があります。

こうした商品の販売に影響する要因のうち、外部の環境を「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」、自社の内部環境を「自社(Company)」として3C(さんしー、スリーシー)と呼びます。

この3Cは、マッキンゼー・アンド・カンパニーの経営コンサルタントをしていた大前研一氏が提唱し、広くその概念が知られるようになりました。

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3C分析とは?その目的と方法

3Cをセットとした分析を、3C分析といいます。

3C分析により、自社の強みや弱み、外的要因と自社の立ち位置などがわかり、成功のためにはどのような方向に進むべきなのかが見えてきます。

「市場・顧客(Customer)」では市場やお客様のニーズの変化を、「競合(Competitor)」ではニーズの変化にライバル企業がどのような対応をしているのかを見極め、「自社(Company)」では他の2つを踏まえてどのような対応ができるのかを分析します。

3C分析を行うことで、3つのトピックに絞った分析をすることが可能になり、ビジネス戦略をシンプルにすることができます。

3C分析が活かされた事例

3Cを利用した事例で有名なものに、サントリーの清涼飲料水「DAKARA」の事例があります。サントリーが新しいスポーツ飲料の開発をするにあたり、3C分析を行いました。

その当時の競合(Competitor)は大塚製薬のポカリスエットとコカ・コーラのアクエリアスで、市場はその2製品が圧倒的なシェアを誇っていました。

市場・顧客(Customer)を調査したところ、スポーツの際に飲むよりも、実際には健康のために飲む人が多かったとのことです。

サントリー(Company)には、健康のための研究開発をする子会社「サントリー健康科学研究所」があり、「健康のための清涼飲料水」というコンセプトの新しい飲み物を開発する方向性が決まりました。

3C分析のやり方

では、実際にはどのように3C分析を進めていくのかを説明します。

Customer(市場・顧客)の分析、Competitor(競合)の分析、Company(自社)の分析と順を追って見ていきます。

1. Customer(市場・顧客)の分析

Customer(市場・顧客)の分析では、顧客のニーズ、消費行動、購買行動、そしてその業界の市場規模や将来性などを見極めます。市場の分析にはマクロ分析とミクロ分析を用います。

マクロ分析は、景気や人口の動向、法改正など、社会の変化がもたらすビジネス環境の変化を見ます。

政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字を取った「PEST分析」をフレームワークとして社会の変化を分析します。

ミクロ分析では、業界のトレンドや将来性など、市場を分析することによって自社の脅威になりえる要因を分析します。ここで良く用いられるのが「ファイブフォース分析」と呼ばれるフレームワークです。

新規参入業者、ライバル企業の競争関係、代替品、買い手の交渉力、売り手の交渉力の5つを分析して自社を取り巻く環境を認識します。

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2. Competitor(競合)の分析

Competitor(競合)競合の分析は、自社が成長していく際の障壁を把握するのに役立ちます。

競合の市場でのシェア率、戦略や技術、業界でのポジション、新規参入企業、代替品などを分析し、競合各社が業界で出している「結果」とその「要因」を把握することが必要です。

結果は、競合企業の売上高や利益率、顧客の数などといったビジネスの成果です。決算報告書などを参考にして情報を得られます。

要因は、結果を出すために使ったリソースや背景などについて分析します。商品開発、販売ルート、顧客サービス、販促方法など、さまざまな角度から結果を出すための仕組みを分析し、自社で取り入れられるものはないか調査します。

競合他社の優れたポイントを学び、自社のマーケティングに取り入れていくことをベンチマーキングと呼びます。

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3. Company(自社)の分析/強みを明確に

Company(自社)の分析では、市場・顧客と競合の分析結果を踏まえて、自社ではどのような戦略が取れるのかを分析します。

自社の理念やビジョン、売上高、シェア率、事業の特徴や強み・弱み、資本力など、あらゆる角度から比較します。

その際に有効なのがSWOT分析です。強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を明確にし、外部環境と内部環境を明確にします。

ビジネスのチャンスや脅威がどこに潜んでいるのかを俯瞰することができ、自社の状況や今後どの方向に向かっていけばよいのかを浮き彫りにできます。

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3C分析のポイント・注意点

3C分析は、自社の内部と外部の環境を整理して把握するためにとても有効な分析方法です。

シンプルでわかりやすい3C分析ですが、ポイントや注意点がありますので紹介します。

1. 顧客の生の声を聞く

情報収集にインターネットを使うことはとても有効な手段ですが、インターネットだけでは調査できないものもあります。それは顧客の生の声です。

実際にユーザーに会って話を聞くことは、インターネット上には出てこない小さなニーズや不満などを集めるのにとても役立ちます。

戦略に関しても、社内で協議するだけよりもモニターを募るなどしてユーザーの声を聴くことで、内部だけでは出てこなかったアイディアや不具合などを見つけることができます。

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2. 客観性を意識する

3C分析の中で特に重要なことは、すべての事柄の「事実」だけに注目することです。

3Cの中の自社(Company)を分析する際には、どうしても希望的観測や入ってしまうことがあります。「この分野は自社の強みのはず」といったように、業界内での自社のポジションを分析する際に、客観的な事実ではなく希望的観測が入りがちになるので気を付けなければなりません。

3C分析では「事実」のみを収集することに力を入れ、SWOT分析を使って事実の解釈をします。そのためには、「事実」とその「解釈」は完全に分けないといけません。

3. 市場の変化に注意しながら情報を収集する

3C分析を行う際に注意したいことは、市場の変化をよく見ることです。

自社の将来を左右する、マーケティング戦略を立てる時には慎重になるのは当たり前ですが、市場は刻一刻と変化していきます。

情報の収集にあまり長い時間をかけてしまうと、戦略を立てようとしたときにはすでに集めた情報が古くなっている可能性もあります。

市場が変化すれば顧客のニーズも変化します。変化した後に古い情報を使って戦略を立てても、当初予定していた結果が出せる可能性は低くなります。3C分析をする場合は、速やかに情報収集をして結果を出すことが重要です。

徹底した3C分析でマーケティングの効果を高める

3C分析を上手に利用すれば、効果的なマーケティング戦略を導き出すことができます。

市場・顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)の3つのCの情報を客観的に集め、分析することで業界内での自社のポジションや進むべき方向、目標などが明確になります。

まずは徹底的に市場・顧客、競合の分析をし、それを踏まえて自社の分析をします。その際には、希望的観測を入れずに事実のみを集めることと、市場の変化に注意しながらスピーディーに情報収集と分析をする必要があります。

3C分析は自社に必要な要素や、マーケーティング戦略に役立つ情報をあぶり出してくれるフレームワークです。3C分析をする際には、注意点をしっかりと把握したうえで行いましょう。

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