「おひとり様」需要に回復の兆し!Google検索のトレンドにみる来店需要動向

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Googleは、2020年7月11日までのトレンドデータについてのまとめを発表しました。

それによると、今いる場所から近くのお店を探す「近くの〇〇」検索は、多くのジャンルで例年と同じような推移に回復したといいます。

「近くの〇〇」で検索したユーザーは検索結果に表示されたお店に来店する割合が高いため、この検索件数が回復したということは店舗利用の需要も回復してきたということになります。

飲食店美容室など、店舗をもつ業種にとっては喜ばしいニュースです。

「近くの〇〇」検索、調べてみると業種ごとに違いが

一方「Googleトレンド」を利用し、「近くの〇〇」の検索需要の変動を業種ごとに分析してみると、回復度には明らかな違いがみられました。

※「Googleトレンド」は、Google検索のトレンドをチェックできるGoogle公式のサイトです。「調べる」機能では、あるキーワードの検索需要を調べたり、各キーワードの需要を同時に5つまで比較したりできます。正確な検索回数はわかりませんが、設定した期間のうち、もっとも検索された時期を100とした相対値が表示されます。

飲食業界:少人数利用の業種は特に回復傾向に

飲食業界についてはカフェ、ラーメン、居酒屋の3業種を例として分析しました。

その結果、カフェやラーメンといった少人数で利用することの多い業種の需要は回復傾向にあることがわかりました。

一方居酒屋は大人数での利用が多いため、コロナ禍での集客は厳しい状況にあるようです。

「近くのカフェ」:順調に回復

「近くのカフェ」で検索すると、4月中旬に向けていったん落ち込み、その後回復していることがわかります。

以下のように、需要変動は新型コロナウイルス関連のできごととの関連性がみられます。

近くのカフェ Googleトレンド
▲[近くのカフェ]:Googleトレンド 編集部作成

外出自粛要請が出されてから検索需要の減少が顕著となりましたが、5月14日の39県での緊急事態宣言解除、そして25日の全面解除を受けて検索需要は大きく回復しています。

近くのカフェ 近くのラーメン 比較 Googleトレンド
▲[近くのカフェ 近くのラーメン 比較]:Googleトレンド 編集部作成

また上の画像のように、「近くのラーメン」も同様の傾向を示しました。

「近くの居酒屋」:安定せず、クラスター発生の影響か

一方「近くの居酒屋」の検索需要は、一度回復の動きをみせたものの安定せず、これまでと同水準に回復してはいないようです。

居酒屋はカフェやラーメン店に比べ、大人数での食事に利用されることが多く、クラスターが発生するなどして需要減少につながりやすい業種だといえます。

近くの居酒屋 Googleトレンド
▲[近くの居酒屋]:Googleトレンド 編集部作成

特に検索需要が減少した7月下旬には、東京都や大阪府などで、居酒屋での会食などでの感染事例・クラスターが見つかりました。7月30日には都内で飲食店への営業短縮要請も出たことから、居酒屋利用の需要が減少したものとみられます。

8月中旬はお盆期間であることから一時的に検索需要が増加しましたが、その後また減少傾向に転じました。8月後半は居酒屋でのクラスターが大きく報じられたわけではなかったようですが、それでも検索需要の回復には至っていません。

「近くのカフェ」「近くのラーメン」と比較しても、回復が遅れていることがわかります。

近くのカフェ 近くのラーメン 比較 Googleトレンド
▲[近くのカフェ 近くのラーメン 比較]:Googleトレンド 編集部作成

このように、カフェやラーメン店のような1人でも利用しやすい業種は回復が早く、居酒屋のように大人数での利用が多い業種は回復が遅い傾向にあると考えられます。

ただし、最近では新型コロナウイルスを感染症「2類相当」から見直す動きがあるなど、徐々に感染拡大が収束してきています。

9月中旬〜10月にかけてGo To Eatキャンペーンが開始する見通しのため、そのタイミングで大人数での来店需要が回復する可能性も考えられます。

「近くの美容室」:需要は比較的安定

「近くの美容室」だけで表示すると、緊急事態宣言発令をきっかけに4月中旬に落ち込んだものの、その後需要が回復しています。

近くの美容室 Googleトレンド
▲[近くの美容室]:Googleトレンド 編集部作成

美容室や理容室は元々営業自粛の対象となっていませんでしたが、4月は自主的に休業する店舗が多かったようです。

5月4日に緊急事態宣言の延長が発表された一方で、自主休業した美容室や理容室の多くは、予約人数を制限するなどの対策を取りながら営業を再開しはじめました。

また4月下旬頃には、外出自粛の影響で、普段仕事で忙しく美容室や理容室などを利用しづらい人による予約が殺到している、という報道もありました。

その状況を反映し、検索需要も4月下旬から5月上旬にかけて大きく回復しています。

近くのカフェ 近くの美容室 比較 Googleトレンド
▲[近くのカフェ 近くの美容室 比較]:Googleトレンド

「近くのカフェ」と比較すると、カフェは元々検索回数が多かったところを大きく減少し、4月中旬頃には美容室とほぼ同じ数値になっています。

これに対し「近くの美容室」は元々の検索回数が少ないものの、新型コロナウイルス感染拡大の最中でもほとんど変動していないことがわかります。

このように、美容室全体の需要は比較的安定しているようです。

ただし4月の営業自粛の影響に加え、三密回避のために一度に受け入れる客数を減らす必要もあることなどから、苦しい経営状況が続く店舗もあるようです。

「近くのカラオケ」:一度回復するもまた落ちこみ

カラオケ店の検索需要は、4月下旬にかけて落ち込んだあと、5月下旬に向けて一度回復をみせましたが、その後また落ち込んでいます。

近くのカラオケ Googleトレンド
▲[近くのカラオケ]:Googleトレンド 編集部作成

6月中旬、札幌市内のカラオケ店でクラスター感染が確認されました。それまでクラスターが多発していた夜間ではなく、日中の利用だったことから「昼カラオケ」という文言で報道され、クラスターが発生していない店舗に対する風評被害も問題となりました。

それに対応して、6月中旬頃から検索需要が急減しています。

またこちらも居酒屋と同様、8月中旬はお盆期間ということで一時的に検索需要が増加しましたが、その後また減少傾向に転じています。

カラオケ店の来店需要が元の水準に回復するには少々時間がかかるかもしれませんが、「ひとりカラオケ(ヒトカラ)」やテレワークでの利用など、少人数での利用から回復していくと考えられます。

ヒトカラ テレワーク カラオケ 比較
▲[ヒトカラ テレワーク カラオケ 比較]:Googleトレンド
特に「テレワーク カラオケ」の検索需要は、新型コロナウイルスの流行をきっかけに大きく伸びていることがわかります。「ヒトカラ」の検索も、増減はあるものの一定の需要がありそうです。

カラオケ店の収益を回復させるには、こうした大人数での利用に代わる新たな需要を取り込む必要があるでしょう。

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