新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行により、国内のみならず世界中の飲食店でが大きな影響を受けています。
5月14日に39県で緊急事態宣言が解除され、5月21日には関西、5月25日には関東と解除され全面的に緊急事態宣言は解除されました。しかし新型コロナウイルスの影響は続いており、今後も飲食店にとって厳しい状況が続くと予想されています。
この記事では、政府や地方自治体からの外出自粛要請・休業要請などによる飲食店の売上への影響の大きさについて紹介します。さらに各大型飲食店のコロナ対策にも注目し、各企業が緊急事態宣言解除までに行っていた営業自粛や臨時休業、各企業がこの苦境をどのような手段で乗り越えようとしているのか、具体例を挙げつつ解説します。
大打撃を受ける飲食店の現状
行政による飲食店営業自粛要請や不要不急の外出自粛要請の結果、飲食店は壊滅的な打撃を受けました。中小企業や個人経営店が厳しい逆境に立たされている中、大企業も苦戦を強いられています。
政府による飲食店の利用自粛の呼びかけが大きく影響
新型コロナウイルスの影響で、日本中の飲食店が苦境に立たされています。訪日外国人観光客や国内観光客、ビジネスシーンでの会食も激減しました。すでに倒産寸前の状態に陥っている飲食店も少なくありません。
政府は事業者へ支援制度を打ち出していますが、いずれも迅速な対応とはいえず日本の飲食店の存続が危ぶまれています。
緊急事態宣言が解除されましたが、政府の対策本部は密閉、密集、密接の3つの『密』が、より濃厚な形で重なる、繁華街の接客を伴う飲食店などについては、今後も全国で出入りを控えるよう求めています。
ただし緊急事態宣言が解除となり、徐々にクラスターが発生した業種の店舗も営業再開へ向けて取り組みが始まっています。
飲食店の売り上げは激減
新型コロナウイルスによる売上への影響に関して、飲食店.COMが行った2020年3月と2019年3月の売上比較をアンケートした調査結果があります。緊急事態宣言発令前にもかかわらず、約8割の飲食店が「売上が減少した」と回答し、さらにそのうち約2割は売上が半分以上減少したと回答していました。
営業状態については、約51%と過半数が短縮営業、臨時休業等、営業時間を調整していました。中には閉業を検討、またはすでに閉業した店舗も存在しました。緊急事態宣言発令以降、この数字が悪化したことはほぼ間違いないと考えられます。
5月25日に関東の1都3県が緊急事態宣言が解除となり、全国で緊急事態宣言が解除されました。しかしウイルスの脅威が去った訳ではなく、各店舗では感染症対策が必要となるうえ、規制の緩和も段階的に行われるため引き続き厳しい状況が続くと予想されます。
飲食店の営業状況
コーヒーチェーン、ファストフード、牛丼屋などの営業状況をご紹介します。コーヒーチェーンとファストフードは臨時休業や店内飲食の禁止措置を取り、牛丼屋は休業店舗数を抑えて店内の新型コロナウイルス対策を徹底する傾向にありました。
休業店舗の多かった飲食店
※下記情報は、執筆時の休業情報を参考に紹介しています。
【コーヒーチェーン】
2020年5月7日時点で、スターバックスの公式サイトでは以下の対策が発表されていました。
- 埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡(一部店舗除く)では4月9日から当面の間休業。
- 北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都 (一部店舗除く)では4月20日から当面の間休業。
上記以外の県では4月20日から当面の間、19時までの短縮営業かつドライブスルー含む持ち帰りのみの対応(一部店舗除く)となっていました。ただし福井、広島では4月18日より左記の対応が取られていました。
なお5月26日時点では、5月19日から一部地域を除く店舗では短縮営業、ソーシャルディスタンスを保つ座席配置にて店内利用可能となっています。
京都・大阪・兵庫では5月25日から、北海道・埼玉・千葉・東京・神奈川は5月27日からとなっています。
・タリーズ
5月7日、全国展開するタリーズでは36都道府県で臨時休業措置が取られていましたが、京都寺町通り店等、一部の店舗では4月15日より営業を再開していました。
【ファストフード】
新型コロナウイルスの影響により、臨時休業している店舗を除いて、終日店内飲食利用中止措置が5月14日24時まで延長となりました。対象は全国の約2,900店舗に及びました。
なお、5月25日に緊急事態宣言が解除されたため、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、北海道では、5月26日以降に準備の整った店舗から順次、店内客席の利用を再開する予定です。
休業店舗の少ない飲食店
※下記情報は、執筆時の休業情報を参考に紹介しています。
・すかいらーくホールディングス
4月28日時点で、全国のすかいらーくグループ約3,200店を対象に、原則20時までの短縮営業を実施しました。店舗によっては宅配・テイクアウトのみ20時以降も対応しています。
5月26日18時時点では東京都・神奈川県で6月1日から営業時間を20時までを原則22時まで変更となります。それ以外の店舗では20時から原則23時30分までに変更となりました。
5月5日時点で、ゴールデンウィーク中は店内飲食を休止し、テイクアウト・デリバリー・売店販売のみに限定して営業しています。その他は4月28日時点の発表通り、全国の店舗で20時までの短縮営業を実施しています。
・デニーズ
5月6日時点で、多くの店舗で20時までの営業短縮です。店舗によっては22時まで、あるいは24時間営業を継続しており、地域によって営業体制が異なっています。
5月7日時点で全国の店舗が臨時休業中ですが、5月6日には静岡東急スクエア店をのぞく静岡県内店舗の営業が再開されました。
【牛丼チェーン】
・吉野家
営業体制が変更された店舗は少数です。5月26日時点で全国1,216店舗中152店舗が営業時間を変更しての営業、49店舗が臨時休業中です。
・松屋
4月11日より全国の店舗で短縮営業をしており、店内飲食は20時までです。20時以降はテイクアウト・ドライブスルー・デリバリーのみの対応です。
・すき家
5月7日時点では、東京、大阪、愛知、福岡等の大都市を含む22都府県で短縮営業を実施しました。店内飲食は20時まで、20時から5時まではテイクアウトのみの対応となっており、酒類の提供は全時間帯で休止しています。
5月27日時点では、東京都・神奈川県の店舗で店内飲食が22時まで、22時以降はテイクアウト飲みの営業となっています。
飲食店のコロナ対策
事業者の中には、店内飲食営業を維持しつつ新型コロナウイルス対策を徹底する飲食店も存在します。
この項目では主にテイクアウトやデリバリーサービスを拡充したケースや、新たな経済支援システムについて解説します。
テイクアウトやデリバリーを開始する店舗が増加
新型コロナウイルスの影響により売上が大幅に減少している店舗が多い中、売上回復のための手段として注目されているのがテイクアウト・デリバリーの導入です。サービスを提供する店舗が増加するのみならず、この潮流をサポートする仕組みも登場しています。
しかし、これまでテイクアウト・デリバリーを実施していなかった店舗がサービスの提供を始めた場合、すぐに顧客に認知してもらうことは難しいでしょう。
顧客に利用してもらうためには、テイクアウトやデリバリーサービスのアプリへの登録、各自治体が行っている支援制度などの利用が必要です。
飲食店のデリバリー代行アプリ有名3社を比較|デリバリーのメリットや注意点を紹介
緊急事態宣言が発令されて以降、
飲食店がテイクアウト開始する方法と課題|テイクアウトアプリ「menu(メニュー)」の活用
新型コロナウイルスの影響で、
「先払いシステム」の導入
飲食店は、営業自粛や臨時休業を実施していても固定費が発生するため、厳しい状況に立たされています。そうした飲食店を経済的に支援しようとさまざまなサービスがリリースされています。
新しくリリースされた中で目新しいサービスは「先払いシステム」というものです。これは新型コロナウイルスが収束したあとに利用できる将来の飲食代を、事前に顧客が支払うサービスです。
クラウドファンディングなどで飲食店を支援する仕組みであり、そちらの利用も検討すると良いでしょう。
「さきめし」とは?飲食店支援サービスを利用してコロナで休業中のお気に入りの店舗を応援
緊急事態宣言が全国に広がり、乏しい補償で休業を迫られる飲食店の窮状が連日のように報道されています。しかしその一方で、飲食店の窮状を救うべく、各地でさまざまな飲食店支援の輪が広がっています。そうした動きのひとつとして、「Gigi株式会社」(本社・福岡市)が2020年3月初旬からスタートさせたのが、スマホアプリを中心に運用している飲食店の先払いシステム「さきめし」です。そこで今回は、さきめしの仕組みや実際の利用方法について、詳しくご紹介します。さきめしとはさきめしは「アプリを通して・人さまに・...
コロナにより休業する飲食店
新型コロナウイルスの影響により臨時休業を余儀なくされる飲食店が多い中、さまざまなサービスが見直され、あるいは誕生しています。
緊急事態宣言が全国で解除されましたが、営業を再開するには感染予防対策が必要であったり、ウイルスへの恐怖が取り払われる訳ではないので、飲食店を取り巻く環境は今後も厳しい状況が続くと予想されています。
新型コロナウイルスにより休業する飲食店が後を絶たない中、テイクアウトやデリバリーサービスの提供開始、さらには顧客による先払いシステムなど、各自がさまざまな対策を実施してきました。
とりわけ先払いシステムは顧客個人が飲食店の経営を支援する新しい試みであり、今後の動向が注視されます。
経営者個人の自助努力でもなく行政からの援助でもない第三のシステムは、すでにリピーターを獲得している飲食店には心強い支援となりそうです。
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