指定した場所の景色を、実際に歩いているかのように体験することのできる「ストリートビュー」は、100万のパノラマ写真を組み合わせることで成立しています。
1枚の写真を見るだけでは伝わりづらい、土地の細部を知ることができるため、足を運んだことがない場所であっても雰囲気をつかむことができます。
自宅にいながら現地のリアルな様子を垣間見ることができ、また、世界中どこへでもストリートビュー上で移動することができる点が特徴です。
新型コロナウィルスの影響から、これまでのように気軽にレジャーにでかけたり、旅行に行ったりすることが難しくなった中、観光業界におけるこの「ストリートビュー」の活用に注目が集まっています。
観光地でストリートビュー活用事例
コロナ禍で実際に自分が足を運ぶことが難しい中、ストリートビューを活用して少しでも町の雰囲気を伝えようという取り組みが行われています。
日本国内の事例と、海外での事例をいくつか紹介します。
世界の観光地編1. ヨセミテ国立公園でクライミング体験
アメリカ合衆国カリフォルニア州にある世界遺産、ヨセミテ国立公園では、ストリートビューを利用した体験サービスを提供しています。
ヨセミテ国立公園には、約914mもの「エルキャピタン」と呼ばれる岩山があり、観光スポットの一つとなっています。
この公園のストリートビューを通してエルキャピタンのクライミング体験をすることができます。
世界の観光地編2. サグラダファミリアを観光する
スペイン・バルセロナにある、建築家ガウディの設計した世界遺産のサグラダファミリアでは、ストリートビューを通じて荘厳なその姿を見ることができます。
バルセロナのこのエリアは通常観光客に溢れていますが、ストリートビューを活用してサグラダファミリアを見ることで、周辺の環境を気にすることなくゆっくりと世界遺産を楽しむこと
できます。
世界の観光地編3. ヴェネチアで運河を旅する
イタリアの有名観光地ヴェネチアは、町全体が干潟にあることから「水の都」と呼ばれています。
地形を利用して発達した運河は移動手段としても活用され、水上を走るゴンドラは観光客からの人気を集めているアクティビティです。
ストリートビューを通してヴェネチアを訪れれば、美しい街並みの中で優雅に進むゴンドラを見ることができます。
日本の観光地編1. 厳島神社を訪れる
日本三景にも含まれる広島県宮島の厳島神社は、日本の代表的な観光スポットです。
海に建てられた鳥居周辺は、潮の満ち引きによって見える景色が変わり、1日の中で様々な表情を楽しむことのできるスポットです。
ストリートビューを通じて、満ち引き両方の状態の厳島神社を楽しむことができます。
日本の観光地編2. 日光の華厳の滝を楽しむ
栃木県の人気観光地である日光にある、華厳の滝は、日本三大名瀑の1つとして有名です。
滝の長さは97m近くあり、中禅寺湖の水が勢いよく落下する様子は迫力満点です。
華厳の滝は、季節に合わせて異なる表情を楽しむことができるのが魅力であり、ストリートビューを通じて紅葉の中の華厳の滝を楽しむことができます。
日本の観光地編3. 「小京都」飛騨の街並みを散策する
岐阜県にある飛騨・高山は、江戸時代から「小京都」と呼ばれるエリアがあります。
これは、江戸時代から続く城下町が保全されている地域で、日本古来の街並みを体験することができるため、外国人からの人気の観光地です。
ストリートビューを利用することで、昔ながら街並みを探索し、古き日本の伝統に触れることができます。
ストリートビューはどうやって撮影されている?
ストリートビューを作成する方法は大きく分けて2つです。
1つは、撮影を依頼する方法、もう1つは自分でアプリを経由して作成する方法です。
どのようにストリートビューを作成するか、それぞれの方法を紹介します。
1. ストリートビューの撮影を依頼する
1つ目の方法は、Google認定のフォトグラファーに依頼してストリートビューを作成してもらう方法です。
Google認定フォトグラファーとは、ストリートビューのための写真をGoogle Map上にGoogleの承認を受けて公開することのできる撮影者のことです。
お近くの認定フォトグラファーを見つけるから近隣の認定フォトグラファーを探すことができます。
関連記事
Google認定フォトグラファーとは?概要と店舗がストリートビューを利用するメリットを解説
ストリートビュー撮影は様々な代理店が代行しているため、予算に合わせて代理店を活用するという方法もあります。
撮影を代理店に依頼する際は、Googleから認定を受けている代理店であることを確認し、過去にその代理店が作成したストリートビューのクオリティをチェックしておくことが大切です。
2. 自分でストリートビューを撮影する
ストリートビューの作成は、プロに依頼する他にも、自分で撮影してアップすることも可能です。ただし、手間がかかるという難点があります。
まず、360度写真をカメラやスマートフォンを用いて撮影します。
撮影時に写り込んでしまった人物の顔など、プライバシー保護のために撮影した写真をGoogleストリートビュー上で編集します。
写真の調整が終わったら、公開を行います。
Googleストリートビューを自分で作成する方法については、 Googleインドアビューは自作可能!?手間やクオリティを比較!こちらの記事から詳しく知ることができます。
ストリートビューはどのように観光業に役立つのか?そのメリット
ストリートビューを利用すれば、離れた場所からでも実際にその場を訪ねているかのような体験ができます。
コロナ禍で移動の制限がされる中、観光業においてストリートビューを取り入れるメリットがいくつかあります。
1. 世界中の旅行者に向け、日本の観光地の魅力をアピールできる
ストリートビューは、世界中どこからでも閲覧することができます。
そのため、観光地のサイトなどにストリートビューを掲載しておくことで、現地の様子を遠く離れた人にも伝えることができます。
世界の旅行者に向けて、国内の観光スポットの魅力を伝えるために、通常の写真や文字情報に加えてストリートビューを載せておくことで、よりわかりやすい情報発信につながります。
コロナ禍が過ぎた際に観光地を訪れてくれる外国人観光客が増えるよう、見込み顧客に対するアピールを行うことになります。
インバウンド対策が難しい状況下でもストリートビューの整備を行うことで、今後の見込み顧客の創出への取り組みができます。
2. 半永久的な観光地の魅力発信ツールになる
作成したストリートビューは、観光地のサイトに埋め込むことができます。
そうすることで、観光地の魅力を国内外の顧客に向けてアピールすることになり、誘致になる上、一度作成してしまえば維持費をかけずに利用することが可能です。
半永久的に観光地の魅力を伝える発信ツールとして活用することができ、観光地への呼び込みに役立ちます。
3. 下調べに使われるから、観光地への集客につながる
店舗や企業に関する検索における40%が地図サービスを介しています。
地図上に表示されるビジネス情報に写真やバーチャルツアーが含まれているとユーザーの関心度が2倍になると言われ、効果的に顧客の呼び込みにつなげることができます。
ユーザーは観光先のリアルな雰囲気に関心を持っているため、下調べとしてストリートビューを用いる人も多く、景観を確認することで訪問先に対する安心感を生みます。
ストリートビューをサイトに掲載しておくことは、閲覧者の観光スポットへの関心を高め、集客アップにつながります。
さまざまな観光資源の魅力を伝えるストリートビュー
新型コロナウィルスの影響で、行き先が不安定な観光業界において、離れた場所からでも観光地の景色を体験することのできるストリートビューは幅広い活用方法のあるサービスです。
ストリートビューがあれば、潜在顧客に向けた観光地のアピールや、治安の確認や下調べを目的とする観光客への情報発信などを、より身近なコンテンツとして提供することができます。
バーチャルツアーとしてストリートビューを通じた体験を発信するなど、移動が制限されている状況下での柔軟な発想による観光業の形が期待されています。
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