ブランド総合研究所は、毎年「観光で行きたい都道府県ランキング」を発表しています。2020年の1位は北海道で、34.1%の人が「行きたい」と回答していたことがわかりました。
2020年 コロナ後に観光で行きたい都道府県ランキング、1位は「北海道」
2020年7月17日~21日に実施された「コロナ後に観光で行きたい都道府県ランキング」の1位は北海道でした。毎年発表されている「観光で行きたい都道府県ランキング」で、北海道は11年連続で1位となっています。2位は沖縄県、3位は京都府でした。以下、10位までのランキングです。
- 1位:北海道 (34.1%)
- 2位:沖縄県 (25.3%)
- 3位:京都府 (18.9%)
- 4位:大阪府 (9.9%)
- 5位:長野県 (8.8%)
- 6位:静岡県 (8.3%)
- 7位:神奈川県 (7.8%)
- 8位:石川県 (7.8%)
- 9位:福岡県 (7.8%)
- 10位:東京都 (7.2%)
2019年のランキングと比較:東京都が4位から10位に転落
一方、2019年の「観光で行きたい都道府県ランキング」の1〜10位は以下のようになっています。
- 1位:北海道 (61.8%)
- 2位:京都府 (52.6%)
- 3位:沖縄県 (51.0%)
- 4位:東京都 (47.4%)
- 5位:奈良県 (43.2%)
- 6位:福岡県 (43.2%)
- 7位:大阪府 (42.9%)
- 8位:石川県 (42.0%)
- 9位:長崎県 (40.9%)
- 10位:神奈川県 (39.7%)
2019年と2020年のランキングを比較すると、東京都が4位から10位に下がったのが目立ちました。
東京都の順位が大きく下がった理由としては、多くの人が「三密」の状況を生みやすい都市観光を避けていることに加え、Go To Travel(トラベル)キャンペーンから東京発着の旅行が除かれていたことも背景にあると考えられます。
ただし、10月1日より東京発着の旅行もGo Toトラベルキャンペーンの対象となったため、10月以降は東京都への観光需要も徐々に回復していくでしょう。
順位が上昇した県を見てみると、沖縄県・長野県・静岡県など、都市観光というよりは自然を楽しむ観光地が多いようです。比較的他人との接触が少ない「屋外型」の観光が人気になっていると考えられます。
これまで観光客が少なかった地域でも、観光地としての魅力とともに感染リスクの少なさをアピールすることで、コロナ後の観光需要を捉えることができるかもしれません。
「域内観光(マイクロツーリズム)」多く、消費額増えない面も
同アンケートによれば、居住地域別に行先の希望を分析すると、「域内観光」の需要が多いことがわかりました。「域内観光」は居住地域の周辺への観光のことで、星野リゾート代表の星野佳路氏が提唱している「マイクロツーリズム」と近似の概念です。
マイクロツーリズム需要の高まりには、遠方の旅行の場合、長距離移動による感染リスクに加えて「現地で歓迎されないのではないか」といった懸念があることが背景となっているようです。
しかし、こうしたマイクロツーリズムには問題点もあります。 近場からの観光客の場合、お土産を買ったり宿泊施設を利用したりする人が遠方からの旅行者よりも少なく、旅行者1人当たりの消費額が増えない傾向にあるといいます。
インバウンドの再受け入れが実現していない現在では、国内の旅行者、特に消費額の多い遠方からの観光客に、観光地へと足を運んでもらうことが重要です。感染予防対策などの受け入れ準備をしっかりと行うとともに、対策の実施を発信し、マイクロツーリズムから脱却していく必要があるでしょう。
<参照>
地域ブランドNEWS(ブランド総合研究所):GoToキャンペーン(旅行)の意識&ニーズ調査「旅行希望者は18%、半数は「行きたいと思わない」」
DIAMOND online:コロナ後に観光で行きたい都道府県ランキング【2020完全版】
ーー 観光で行きたい都道府県&市区町村ランキング2019【完全版】
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