IT導入補助金は、中小企業、個人事業主を含む小規模事業主も対象とされる生産性向上支援施策です。
最寄りの支援機関である商工会などに、自社の経営課題や問題解決のためにITツール導入を相談することから始まることになります。
この記事では、IT導入補助金についての概要、種類、申請の注意点をご紹介した上で、具体的な申請フローやその申請に必要な情報について解説します。
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※IT導入補助金2021は、2次締切分の締め切りとして2021年7月30日17時までを予定しています。
個人事業主もIT導入補助金の交付対象
IT導入補助金は、個人事業主を含む中小企業と小規模事業者を対象にした一般社団法人 サービスデザイン推進協議会により生産性向上支援施策です。
まずは対象者、補助対象経費の詳細、種類、返済義務、注意点について解説します。
IT導入補助金は個人事業主と中小企業が対象
このIT導入補助金の目的は、自社の経営課題や問題解決を理解しそれを解決するためのITツール導入をしたいと考え、商工会議所等に相談している事業者への救済措置です。
補助金額は、最大450万円となっています。補助対象経費は、ソフトウェア費、導入関連費などです。
IT導入補助金は、資本金が数千万以上で従業員数百人の中小企業だけでなく、常勤従業員が5人以下での個人事業主を含む小規模事業者もその対象になれる支援施策です。
申請の対象となる個人事業の業種
補助金を申請できる事業者の対象について定義が設定されています。そのため、自社が対象であるかどうかの確認が必要です。
対象事業者はまず、中小企業者と小規模事業者に大別されます。業種は、製造業、卸売・小売業、サービス業、旅館業などあらゆる業種が対象です。
さらに業種ごとに資本金と出資の総額、従業員数などについて定義されています。具体的にはIT導入補助金2021公募要領に示されており、小規模事業者の定義の一例には製造業、宿泊業、娯楽業以外の商業・サービス業であれば「常時使用する従業員が5人以下の会社及び個人事業主」と記載があります。
このことから、業種や事業規模の大小の厳格な制限は設けられておらず、個人事業主にも門戸が開かれているのがわかります。
2021年IT導入補助金の種類「低感染リスク型ビジネス枠」設置
補助金の種類に、通常のA,B枠に加えてポストコロナを見据えたビジネス形態を支援する「低感染リスク型ビジネス枠」のC,D枠が設置されました。A,B,C,D枠の違いは、補助金申請額の違いを表しています。
2021年度に設置された「低感染リスク型ビジネス枠」は新たにハードウェアレンタル費も補助対象になれ、通常枠と比較すると補助率が高くなっています。その他ツール要件や補助対象については補助対象比較表を参照下さい。
返済義務は?
IT導入補助金の返済は基本的に不要です。しかし、補助金申請要件に労働生産性の伸び率が1年後に3%以上、3年後には9%以上等の数値目標を作成することが必須になっています。
そのため、給与支給総額や事業場内最低賃金の増加目標が未達の場合、補助金の一部または全額の返還を求める場合があります。
導入の際の注意点
補助金を申請するに当たり、対象になるITツールの導入時期には注意が必要です。ITツールは交付決定を完了してから導入し補助事業を開始しなければなりません。
そのため、交付決定前に契約、発注、納品、支払い等をした場合、申請対象外となってしまうことが、公募要領P.22留意事項に記されています。その他、注意点が2ページに渡って書き留められていますので確認が必要です。
個人事業主がIT導入補助金の交付を受けるまでの流れ
個人事業主がIT導入補助金の申請を決め交付を受けるまでの大まかな流れについて整理します。
ツールの選択、IT導入支援事業者との協業方法、複数の行政サービスを1つのアカウントにより利用できる認証システムgBizIDの取得、申請方法など4つのステップがあります。
1. 補助事業に関して理解を深める
IT導入補助金を申請するに当たり、この補助事業について理解を深める必要があります。
IT導入補助金の交付は、A,B,C,D類型のどの枠でも「労働生産性の向上に資するITツールであること」が前提条件になっています。
この前提条件を満たした上で、自社が対象か、どの種類のIT導入補助金を利用するか、申請条件を満たしているかなどを確認しましょう。
IT導入補助金の公式サイトでは過去「経営診断ツール」を提供していましたが、2021年には提供されていないようです。
補助対象比較
補助金申請額 | 補助率 | |
A類型 | 30万~150万円未満 |
補助率1/2 |
B類型 | 150万~450万円未満 |
補助率1/2 |
C類型 | 30万~450万円未満 |
補助率2/3 |
D類型 | 30万~150万円未満 |
補助率2/3 |
2. IT導入支援事業者およびITツールを選ぶ
自社の業務課題や事業規模などに合わせて導入したいITツール、そのITツールを提供しているIT支援事業者を選びます。
支援事業者の実績などを確認し、複数の事業者を比較検討する必要があります。比較する上で気を付けたい点大きく2点あります。
1点目は、採択率が高く信頼できる会社か、また小規模事業者持続化補助金にも詳しいかを確認しましょう。IT導入補助金は2017年、小規模事業者持続化補助金は2019年より開始された制度ですが、手続きに詳しい事業者であれば滞りなく進められますので経験年数が長い事業者を選択した方が円滑に進めることができます。
2点目は、Web制作開発を自社で完結できているかです。Web制作を外注に頼っている事業者もあり、このような場合費用が相場より高くなることも珍しくありません。
3. gBizIDプライムの取得、セキュリティの宣言
gBizIDプライムアカウントは、複数の行政サービスを1つのアカウントにより利用できる認証システムです。IT導入補助金を申請する要件になっているので、gBizIDプライムアカウントをgBizIDの公式サイトから取得しましょう。
そして、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する「SECURITY ACTIONの宣言」にも対応する必要があります。IT導入補助金2021の申請にあたっては、「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかを宣言していることが申請要件となっています。
4. 交付申請
交付申請は、IT導入支援事業者と共同作業になります。申請者に付与されるポータルサイト「申請マイページ」が必要になります。この申請マイページは、IT導入支援事業者によって開設されます。
その開設に必要な情報は、「ユーザー登録」「基本情報の入力」「SECURITY ACTIONのアカウントIDの情報」「経営診断ツールの診断結果ID」「事業計画」等です。
これらの入力を完了し、申請情報がIT導入支援事業者へ送信すると「申請マイページ」が開設されます。
さまざまな補助制度を比較検討する
個人事業主も対象になる労働生産性の向上を目指したIT導入補助金では、最大450万円が補助されます。申請の条件に合致していれば、個人事業主でも申請が可能です。
IT導入補助金だけでなく政府によるさまざまな補助金が用意されており、中には個人事業主でも申請できるものもあります。ポータルサイトを活用した情報収集や、専門家や公的機関への相談も利用して活用するとよいでしょう。
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