民泊に関する法律3種類|それぞれの内容は?適切に民泊を営業するために理解したいポイントを解説

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民泊は、所有している戸建て住宅やマンションの一室を貸し出すことで旅行者に宿泊サービスが提供する業態です。民泊の営業は、場所を提供する側にも借りる側にも両方にメリットがあります。

近年では民泊の需要の盛り上がりを背景に、仲介サイトが話題になったり、営業体制や利用者への案内不足が招くトラブルなどが問題にもなっていましたが、こうした問題点を解消しつつ民泊の普及を拡大するため、法律が改正されています。

民泊を営むためには関連の法律を理解したうえで、収益化を目指すことが大切です。今回は、収益だけを目指した違法民泊にならないためにも民泊に関する法律を紹介します。

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民泊が注目される理由

まずは民泊が注目される理由について、2点フォーカスして解説します。

1. 空き家問題

日本では空き家問題を長年抱えており、平成30年度の総務省の住宅土地調査によると、空き家件数は879万1千戸で過去最高、空き家率も13.6%で過去最高を記録しました。

高齢化や人口の減少により、今後空き家問題は悪化することが見込まれ、空き家が増え続けると自然災害大国である日本では、家屋が倒壊した際の危険性や景観悪化、放火や不法進入など治安悪化の懸念があります。

そこで、空き家を民泊施設として再活用できるために民泊が注目され始めました。

2. シェアリングエコノミーの潮流

シェアリングエコノミーとは、個人が所有する資産のシェアを仲介するサービスで経済を促すことで、貸主は収入が得られ、借主は所有することなく利用できるので双方にとってメリットがあります。

世界的にシェアサービスが話題になっており、民泊で代表的な「Airbnb」では、個人が所有している住宅や空き部屋を登録し、宿泊施設として貸出ができます。

新しくホテルを建てるよりも、既存の施設を活用する方がコストを抑えることができ、効率的でありながらも資源を守ることも可能です。

民泊に関する法律1. 住宅宿泊事業法(民泊新法)

民泊の急増とともに無許可の宿泊施設が増加したことで、近隣住民とのトラブルも増加し、問題に対応し健全な民泊を推進するために、2017年(平成29年)6月に住宅宿泊事業法が成立しました。

対象となる3種類の事業者

住宅宿泊事業法の対象となる事業者は3者います。

  • 住宅宿泊事業者:都道府県知事等に届け出をして民泊を営む事業者で、宿泊者の衛生や安全、外国人宿泊者の快適性と利便性の確保などを行う
  • 住宅宿泊管理業者:国土交通大臣の登録を受け、報酬を得て住宅宿泊管理を行う管理業者で、誇大な広告や不当な勧誘は禁止されている
  • 住宅宿泊仲介業者:官公庁長官の登録を受け、報酬を得て仲介業務(代理で宿泊の契約や媒介、取次など)を行う

住宅宿泊事業者向けの制度

年間営業日数が180日以内に限定されますが、住宅宿泊事業者向けの制度があります。

住宅の設備条件は、台所、浴室、便所、洗面設備の4セットで、現に特定の人が住んでいるか、分譲又は賃貸の形態で入居者の募集が行われている、または生活の本拠ではないが、別荘や持ち家など少なくとも年一回は所有者に使用されている必要があります。

  • 家主移住型:宿泊者の衛生や安全確保、外国人宿泊者の快適性及び利便性の確保、宿泊者名簿の作成と保存、周辺地域の悪影響の防止、苦情の対応、標識の掲示、都道府県知事への定期報告を実施すること
  • 「家主不在型」又は部屋数が5部屋以上:標識以外の上記の業務を住宅宿泊管理業者に委託していること

住宅宿泊管理業者向けの制度

国土交通大臣の登録が必要で、住宅宿泊事業者の業務を遂行し、誇大な広告や不当な勧誘は禁止されています。

管理受託契約の内容の説明や、契約書面の交付、住宅宿泊事業者への定期報告をする必要があります。

住宅宿泊仲介業者向けの制度

住宅宿泊仲介業者は観光長官へ登録の申請をし、仲介業務に関する料金の設定と公示をし、宿泊者への宿泊内容の説明、官公庁への定期報告などを行います。

宿泊者に対し違法行為をあっせんすることは禁止されており、違法物件の掲載が確認された場合には、官公庁の指示に従いすみやかにサイトから削除する必要があります。

民泊に関する法律2. 旅館業法

旅館業とは、宿泊料を受け取り人を宿泊させるサービスの提供のことです。民泊もこの旅館業にふくまれます。民泊に関連する旅館業法について紹介します。

<参照>旅館業法概要|厚生労働省

旅館業の種類3つ

旅館業は以下3つの種類に分類されます。

  1. 旅館ホテル営業:宿泊料を受けて宿泊させ、以下の簡易宿所営業と下宿営業に当てはまらない形態のこと。ホテル営業に関してはレストランなど食事を提供できることが規定となっています。
  2. 簡易宿所営業:宿泊場所を多人数で共用し、宿泊料を受けることで、戸建てで民泊を始める場合にはこの形態に当てはまります。
  3. 下宿営業:1か月以上の宿泊を提供する形態で、短期の滞在者の利用を想定する民泊には向いていません。

また、2の簡易宿所営業として民泊を営業すれば、180日の営業制限がなく営業することが可能です。

2017年(平成29年)に一部改正

旅行業は以前は4つに分類されていましたが、2017年(平成29年)の一部改正において、旅館営業とホテル営業が統一され、上記の3つへと変更になりました。

この改正は、無許可営業者に対する規制の強化をするために行われました。

同時に、旅館ホテル営業の最低客室数の廃止や、洋室設備要件の廃止、一部屋の最低床面積の緩和などがされました。

<参照>
厚生労働省:旅館業法の改正について
「旅館業法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」について(概要)
旅館業法の一部を改正する法律の概要

民泊に関する法律3. 国家戦略特別区域法例と「特区民泊」

国家戦略特別区域法は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の推進を目的に、規制緩和の対象地区を定めるものです。

最後に、国家戦略特別区域法の一つである「特区民泊」とはなにかについて解説します。

外国人旅客の滞在を目的とした宿泊施設が対象

特区民泊は、この国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例で、民泊ビジネスをしやすい環境を整えるために創設されました。国家戦略特区自治体が条例を定め、都道府県知事又は保健所が認めた施設は、旅行業法の適用から除外されます。

これにより古民家などを宿泊施設として活用し観光を促進したり、フロント設置義務などがなくなり、AIカメラの設置などで工夫し運営効率化の実現が可能になります。

<参照>
特区民泊について | 民泊制度ポータルサイト「minpaku」
千葉市:特区民泊
katsuyoujirei.pdf

民泊に関する法律は主に3種類、それぞれを理解し適切な民泊営業を

民泊を営業するにあたって理解しておく必要がある法律は主に紹介した3種類で、その他にも衛生面や安全性の規定をクリアする必要があります。

きちんと法律について理解し、違法にならないよう健全で適切な民泊営業をすれば、効率化により利益が最大限になります。

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