コロナウイルスによる民泊の今後|収束後のインバウンド・国内旅行・今できること

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新型コロナウイルスの影響で、人の移動が制限され、訪日外国人だけでなく、国内旅行の数も激減しました。観光庁が行った調査によると、2020年4月の訪日外国人客数は前年同月より99.9%減のわずか2,900人だったと判明しています。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大前は、東京オリンピックの開催予定だったことも相まって、民泊需要が増加傾向にありました。

この記事では、新型コロナウイルスの収束後のインバウンドや国内旅行の動向、民泊事業者が今できることについて解説します。

コロナ期の民泊の現状

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本を訪れる訪日外国人の数は激減しました。訪日外国人をメインターゲットとしていた民泊事業者にとっては、苦しい状況が続いています。

以下では、新型コロナウイルスの拡大前後で大きく変化した民泊を取り巻く現状について解説します。

民泊増加傾向だったコロナ前

新型コロナウイルスの感染拡大前は、民泊需要が増加傾向にありました。

観光庁が行った「住宅宿泊事業の宿泊実績について」の調査によると、訪日外国人民泊利用者は、2018年6月〜7月は6万9,394人であったの対し、翌2019年同月には26万9,249人となっており、4倍近く 増加しています。

民泊需要の増加背景には、ホテル客数の不足や、それに伴うホテル客室価格の上昇などが考えられます。

本来であれば、7月より東京オリンピックが開催される予定だったことから、民泊インバウンドもさらに増加していたでしょう。

コロナで客足激減で事業撤退

5月20日、民家への有料宿泊を認める住宅宿泊事業法の施行以降、増加を続けてきた民泊戸数が初めて減少に転じたことが観光庁の調査で分かりました。

5月11日時点で、民泊の届け出があった全国の住宅数は2万1,176件となり、4月10日時点の2万1,385件を下回ったということです。

それと同時に、民泊の事業廃止件数は、新型コロナが中国で広がり始めた12月ごろから増え始めています。1月には過去最高の前月比120件増、2月にも30件増と、事業撤退を選ぶ民泊事業者が増加しています。

新型コロナウイルスの影響で訪日外国人が激減し、事業者は厳しい経営状況に置かれています。

コロナ収束後に日本旅行を希望する声

新型コロナウイルスの感染拡大中は、日本への渡航を希望する外国人に対し入国拒否がされていました。6月2日現在では、入国制限解除は未だなされていないものの、複数の調査により収束後に訪日を希望する外国人が多いことがわかっています。

以下では、外国人や日本人に実施した日本旅行に関する意識調査について解説します。

中国人、収束後に訪日希望

日本インバウンド・メディア・コンソーシアムは、新型コロナウイルスによるインバウンド市場への影響把握を目的に、中国人145名に対し、訪日旅行に関する緊急意識調査である「中国人最新訪日意識調査」を4月に実施しました。

この調査によると「新型コロナウイルス収束後に行きたい国」の項目に「日本」と答えた人の割合は44%で、2位で12%の「タイ」に大きく差をつけての1位となりました。

このことから、新型コロナウイルス収束後も中国人の訪日意欲は旺盛であり、中国人にとっての日本は「行きたい国No.1」であることが伺えます。

タイや台湾でも収束後に訪日希望

アジア・インタラクション・サポートは4月、タイ人向け日本旅行情報サイト「Chill Chill Japan」と台湾人向け日本旅行情報サイト「歩歩日本」の利用者を対象に、新型コロナウイルス状況下での訪日旅行に関する調査を行いました。

調査内で「今は何も日本の旅行情報はいらない」との回答は、台湾人は1.1%、タイ人は0.9%でした。新型コロナウイルスの感染拡大により、旅行ができない現状況においても、約99%の人が日本に関する情報を欲していると分かります。

また、新型コロナウイルスの収束後、いつ日本に行くと思うかについての質問には、台湾人・タイ人両国の回答者の約8割が「1年以内に日本旅行を実施する可能性がある」と答えており、訪日意欲の高さが伺えます。

日本でも

日本においても同様の調査が実施されました。

株式会社ブランド総合研究所とアイブリッジ株式会社は合同で「新型コロナウイルスの影響に関する消費者調査」(複数回答可)を2020年4月25日~4月28日の間に実施し、約1万9,000人からの回答を得ました。

調査内で、新型コロナウイルスが収束し、自粛が解除されたら何をしたいかの設問に対し「外食」と答えた人が49.3%ともっとも多く、「国内旅行」が48.9%で2位でした。旅行については「海外旅行」に関しても13.9%の人がしたいと回答しています。

また、旅行に関しての回答者を年代別にみると、 「国内旅行」に回答した60代以上は57.6%にのぼり、平均よりも8.7%高い数値を示しています。20代にも旅行したい人が多く、特に「海外旅行」と回答した人は17.1%で、全世代でもっとも高い数値になりました。

▲「新型コロナの感染拡大が収束し、自粛が解除されたらどんなことをしたいと思うか(複数回答)」:株式会社ブランド総合研究所
▲「新型コロナの感染拡大が収束し、自粛が解除されたらどんなことをしたいと思うか(複数回答)」:株式会社ブランド総合研究所

新型コロナウイルスの感染拡大期間は、旅行はおろか外出すらも自由にできない状況が続いていたため、収束後の旅行を楽しみにしている人が多いと分かります。

コロナ収束後の民泊の戦略

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、民泊のあり方も以前とは変化し始めています。

以下では、新型コロナウイルスの感染拡大防止や、国内からの観光客向けなどの新しい目的で使われ始めた民泊について解説します。

軽傷者・帰国者の滞在場所として提供

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外国人観光客による民泊需要が減少する一方で、新たな取り組みを始める企業も増えています。

4月2日、アパホテルはいち早く軽症者受け入れを表明し、新型コロナウイルス感染患者の病床確保に協力しました。このような取り組みはホテル業界のみならず、民泊業界へも広がりを見せています。

ホテル民泊の運営代行業を展開する株式会社 IKIDANE(イキダネ)は、同社が業務委託契約を締結しているホテル民泊施設において2週間以上の宿泊予約受付を開始しました。

新型コロナウイルス対策として、海外からの帰国者や出勤リスクなどを理由として自主隔離を行う顧客などをターゲットにしています。

国内旅行にターゲット

日本旅行業協会JATA)は4月9日に開催した会見で、新型コロナウイルスの影響を受けている旅行需要に関して、今後の回復に向けたプランを示しました。

理事・事務局長の越智氏は、観光業に対する支援策として、官民による「Go To キャンペーン」展開について言及しました。

「地域ごとに対策し、気をつけながら国内旅行を楽しめる形にしたい」と述べ、旅行・観光業界が観光庁や医療関係者などとも協議しながら進めていることを伝えました。

また、越智氏はキャンペーンの開始時期について、東京オリンピックの延期でホテルやバスなどに空きがあることから、6月開始を期待すると述べ「国民の命と健康を守り、感染を拡大しない形で旅行を楽しめる仕組みを作れないか考える」と表明していました。

現在、政府は緊急事態宣言が5月25日に全国で解除されたことを受け、同キャンペーン開 始を7月下旬目安にするとして、調整を進めています。

OTA登録先を増やす

OTAとは、インターネット上だけで取引を行う旅行会社のことで、Online Travel Agentの略称です。

BCMは3月11日、民泊運営に苦戦している事業者に対しOTAページ無料作成・応援プラン」を開設しました。

今までの民泊の集客手法は、Airbnbなどの海外OTAを利用する方法が主流でした。

しかし、この方法では外国人をターゲットとしているため、外国人観光客の減少は民泊の売上減少に直結してしまうといった現状がありました。

そこで同社は、じゃらんなどの国内OTAによる集客を強め、今後拡大が見込まれる国内からの顧客の獲得増加を図りたいとしています。

新型コロナウイルス収束後の需要に向けた戦略を

新型コロナウイルスを契機として、民泊を取り巻く状況は大きく変化しました。東京オリンピックの開催延期もあり、海外からの外国人観光客の数が以前の水準にまで戻るのはまだ先のことになりそうです。

しかし、新型コロナウイルスの影響が続く現在においても、民泊を通じて国内からの需要に応えることは可能です。

通勤時に「3密」になることを懸念するサラリーマンや、家族への感染を懸念する医療事業者など、民泊の利用にも新たなニーズが生まれています。

また、収束後の需要に今から備え、OTAページの作成などを進めていくことも可能です。

民泊事業者にとって厳しい状況が続きますが、今後の需要を見据え、柔軟な発想で早期に対策を講じることが、収束後の集客増加への有効策として期待できるでしょう。

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