新型コロナウイルスの感染拡大により外出や会食の自粛が呼びかけられていますが、映画館では座席数を減らしたり、上映前の飲食を控える呼びかけをしたりといった形で感染拡大防止につとめています。
動画配信サービスの拡大やオリジナル作品の魅力により、映像作品の視聴は以前より身近になっています。上映作品や感染防止策の取り組みなどについて、映画館がSNSアカウントを通じて発信することで、顧客の不安や疑問を解消し、顧客の来場を動機づけることもできるでしょう。
Instagramは日本でユーザー数を伸ばし続けており、マーケティングにおいて無視できないプラットフォームの一つです。画像や映像コンテンツを主軸に据え、ハッシュタグ活用により特定のテーマに関心を持つ人にアプローチしやすいといった特徴があり、映像作品や施設での滞在時間の魅力を訴求するのに活用できます。
本記事では、映画館がInstagramを活用すべき理由から運用時のポイント、そしてInstagramの活用事例5選を詳しく紹介します。
映画館がInstagramを活用すべき理由
映画館の広報担当者は、時代の変化に沿ってプロモーション方法を常に見直す必要があります。
Instagramでのプロモーションにはどのようなメリットがあるのか、映画館がInstagramを活用すべき理由を紹介します。
SNSでの映画プロモーションの普及
これまで映画のプロモーション方法は、主に劇場予告やテレビCMでした。しかしITの進歩やインターネットの需要拡大により、スマートフォンやタブレット端末向けのプロモーションが増えています。
映画鑑賞率が高いのは男女ともに10代・20代の世代であるため、中でも特に若年層にアプローチ可能な、InstagramをはじめとするSNS上でのプロモーションが普及しています。
SNS上で有効的にプロモーションを仕掛ければ、若者を中心に多くの人に映画が伝わりヒット作が生まれることにつながります。
口コミで評判が拡散される
SNSでの映画プロモーションの成果には、口コミが大きく影響します。NTTコムの「映画館での映画鑑賞」に関する調査によると、観た映画を口コミで発信する「口コミ発信率」は女性に多いことが明らかになりました。
特に10代の女性は知人に伝えるための口コミが約70%、不特定多数に向けた口コミが約30%とどちらも全体で最も高い数値となっています。
一方で、口コミを見てから映画を観に行く「口コミ接触率」が特に高いのは男性の20代で、映画を観る前に事前情報や評判をチェックしてから映画館に行く傾向があります。
Instagram運用時の3つのポイント
Instagramで上映する映画のプロモーションをする際には、Instagramの特徴を理解し、発信する内容や文面を工夫します。
映画館の広報担当者がInstagramを運用する際に押さえておきたいポイントを3つ解説します。
1. ハッシュタグでリーチ率をアップ
Instagramのタイムラインには、基本的にフォロワーの投稿しか表示されません。そのため普通に映画をプロモーションするだけでは、フォロワーのみにしか情報が届きません。
そこでより多くの新たなユーザーにアプローチするために、Instagramのハッシュタグを活用することが求められます。「#〇〇」というようにハッシュタグをつけることで、そのワードに興味があるユーザーの検索ページに表示されやすくなります。
ただし、プロモーションしたいものとかけ離れた内容のハッシュタグを闇雲につけることは逆効果になります。映画館のプロモーションをする際に使用すべきハッシュタグは、映画館名・映画名・出演者名・映画館のある地名などが挙げられます。
2. 映画館のキャンペーン告知
映画館で実施しているキャンペーンなど、ユーザーにとって有益な情報をInstagramで発信することは集客効果を高めます。
たとえば、女性のみの鑑賞料が少し安くなるレディースデーの告知をInstagram上ですることで、お得に映画を見たいと思うユーザーが映画館に足を運ぶきっかけになります。
NTTコムの調査では、一部の映画館で鑑賞料金が値上げされたことが「鑑賞頻度に影響しない」と答えた映画館鑑賞者は全体の70.3%でした。一方で、鑑賞頻度に影響すると答えたのが29.7%です。
また、「普段利用している映画館を変えない」と答えた映画館鑑賞者は全体の56.4%、「変える」と答えたのは43.6%でした。
この調査から、鑑賞料金の値上げによって4割強が映画館を変えることが明らかになりました。このことからも、映画館のキャンペーンを告知すればユーザーの集客につながりやすいことがうかがえます。
3. 作品を観たくなるような告知文や口コミ
Instagram上で映画を告知する際には、ユーザーが映画館へ観に行きたくなるような告知文を添えることがポイントです。告知文は、潜在顧客の心に響くように簡潔でわかりやすいものが適しています。
また告知をする際に、その映画の口コミを載せるとさらに効果的です。
社会人男性を対象に株式会社フルスピードが実施した調査では、観るか迷っている作品がある場合「絶賛の口コミが多ければ観に行こうと思う」と答えた人が全体の3割強を占めました。
さらに、「知り合いが絶賛していたら観に行こうと思う」「知らない人の絶賛口コミが面白かったら観に行こうと思う」という回答を合わせると、絶賛の口コミ数や絶賛する人に影響されて映画館に行こうと考える人は過半数を超える結果となっています。
映画を観るかどうか迷っている人は、絶賛の口コミによって後押ししてほしいと考えていることがうかがえます。
映画館のInstagramの活用事例5選
多くの映画館は、Instagramを用いてキャンペーン告知や映画の告知をしています。同じキャンペーンや映画であっても、その告知方法は映画観によって異なります。
以下では、参考になる映画館のInstagram活用事例5選を紹介します。
1. TOHOシネマズ:映画館ならではのユーザーが喜ぶ投稿
TOHOシネマズは、映画の最新情報や映画館のサービスについて主に発信しています。例えば、公開記念舞台挨拶や完成報告会でのキャストたちの写真などです。
また毎月14日は「TOHOシネマズデイ」と題して、鑑賞料金の割引をしています。TOHOシネマズでは、この「TOHOシネマズデイ」の前日に宣伝をするなどして効果的にユーザーへアプローチしています。
Instagram:TOHOシネマズの投稿(https://www.instagram.com/p/CFEpugXDTXx/)
2. 109シネマズ:Instagramを利用したプレゼントキャンペーンで集客
109シネマズも、TOHOシネマズと同様に新作映画情報を主に発信しています。そのほか出演者によるメッセージ動画や写真など、映画館ならではの投稿も頻繁にしています。
また、映画の公開を記念したInstagram限定キャンペーンも実施しています。アカウントのフォローと該当の投稿に「いいね!」をすることで応募が完了する仕組みで、キャンペーンや映画館自体の認知度と拡散力の向上につながります。
Instagram:109シネマズの投稿(https://www.instagram.com/p/CE_zr5ZJHI-/)
3. UPLINK:思わず見たくなるような上映作品の告知
UPLINKのInstagram投稿は、映画の公開情報とともに作品の魅力を伝える告知文が特徴的です。映画好きでないと書けないような、思わず観たくなる告知文になっています。
さらに、上映映画館や映画館ごとの上映開始日なども細かく発信しており、ユーザーにとって有益な情報を発信しているといえます。
Instagram:UPLINKの投稿(https://www.instagram.com/p/CFrufnuHJlY/)
4. シネクイント:Instagramの投稿の統一感
シネクイントは、複数枚の投稿をまとめて見たときに1枚の写真になるグリッド投稿をすることで、見栄えもよく印象的なフィードを作り上げています。
また、個性的で良質な作品を上映しているため、各映画についてその映画のターゲット層となる顧客に合わせた情報発信を心掛けています。
5. シネマスコーレ:オリジナリティと親しみやすさのある投稿
シネマスコーレは名古屋にあるミニシアターで、地元民に愛されるような親しみやすい投稿をしています。
またシネマスコーレのInstagramでは、スタッフが作成した映画の宣伝画像が使われています。画像にはキャストだけでなく、映画の雰囲気や上映日時、鑑賞料金なども書かれており、必要な情報がひと目でわかるように工夫されています。
映画館によるInstagramアカウント運用の事例が参考に
動画配信サービスにより、手軽に映画が鑑賞できるようになりましたが、大画面での作品鑑賞に魅力を感じる人も少なくありません。また作品上映の間の臨場感だけでなく、上映予定作品のチラシやグッズの販売など、顧客それぞれにとっての劇場の魅力もあります。
映画館へ足を運ぶかどうかは、こうした顧客それぞれにとっての魅力が伝わるかどうかにも影響されます。映画館は劇場の魅力が伝わるようなコンテンツを自分で発信したり、SNSなどで実際に足を運んだ人の口コミを通じて作品の魅力を知ってもらうように努めるべきでしょう。
拡散力があり、映画を鑑賞する人も日常的に利用していると考えられるInstagramを上手く活用することで、このような宣伝効果も期待できます。Instagramを活用する際には、関連するハッシュタグをつけたり、ユーザーが観たくなるような告知文や口コミを載せてアピールすることがポイントです。こうしたポイントをふまえ、映画館だからこそ提供できる作品鑑賞の魅力をユーザーへ伝えることができれば、集客力向上につながるでしょう。
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