新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、花見や夏祭りといった、大人数が集まる季節イベントが中止・延期に追い込まれています。
10月末のイベントであるハロウィンも例外ではなく、毎年ハロウィーンの時期に大勢の若者や外国人が集まる渋谷区では、長谷部健区長が「渋谷に来ることは自粛してほしい」と異例の呼びかけを行っています。
そこで、口コミラボ編集部ではハロウィンに関する調査を実施しました。「ハロウィンに関連するキャンペーン・イベント・商品開発等の実施状況」と題したアンケートフォームを各企業の窓口に送付したところ、8件の回答が得られました。
まず最初に「今年のハロウィンに関連するキャンペーン・イベント・商品開発等を実施するか」と質問したところ、過半数となる8件中5件がハロウィンイベントを「実施する」という結果になっています。詳しく見ていきましょう。
コロナ禍のハロウィン:規模の大きい事業者は自粛傾向
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、ハロウィンのようなイベントは縮小せざるを得ないという事業者もいます。
東京都を中心に16店舗以上を展開しているある飲食店では、新型コロナウイルス対策を重視し、ハロウィンのイベントについて「実施しない」と回答しました。
特に規模の大きい事業者は、キャンペーンやイベントを自粛、あるいは縮小する傾向がみられます。
これにはイベント開催で新型コロナウイルス感染者が発生してしまうことによる、ブランド毀損を回避する目的もあると考えられます。
ほかに「実施しない」との回答は2件あり、それぞれ実施しない理由は「日本料理店だから」「例年実施していないから」ということでした。
ハロウィンは海外から輸入された文化であるため、その店の雰囲気などとの相性が良くない場合、開催しないという判断になるようです。
実施する事業者:「売上減少の補填」のほか「消費者への還元」「世相が暗いから」という目的も
一方、ハロウィンイベントを「実施する」との回答は5件ありました。いずれも店舗展開数が15以下の小規模事業者となっています。
売上減少の補填に
新型コロナウイルス流行による外出自粛の影響で、多くの業界で売上が減少しました。その売上減少を、ハロウィンのイベントにより補填したいとの回答が2件ありました。
手元の資金が不足しやすく、「黒字倒産」のリスクもある小規模事業者にとっては、こうしたイベントによる売上補填は非常に重要なものだと考えられます。
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オンラインでの実施
東京都のある飲食店は、オンラインでハロウィンイベントを実施すると回答しました。
テイクアウト・デリバリーや家で使えるアイテムの宣伝とともに、家庭内でハロウィンを楽しめるようなキャンペーン・イベントを実施するのは、コロナ禍の需要を捉えた良い企画だといえそうです。
これに関連して、「おうちハロウィン」というキーワードもあります。このワードは以前から存在していましたが、今年は外出を控える風潮からさらに広まることになりそうです。
スターバックスの公式Instagramアカウントでは、「#おうちハロウィン」のタグを使った投稿が行われています。
Instagram:スターバックスによる投稿
2020年コロナ禍のハロウィーンは「家」で「家族」と「スイーツ・飲酒」を楽しむ傾向に
目次ハロウィーン関連行事の参加予定者は過去6年間で最低値に新型コロナウイルス感染の懸念で「家で過ごしたい」22.2%ハロウィーン関連行事の参加予定者は過去6年間で最低値に株式会社リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、10月16日、「ハロウィーン」への参加等に関する意識についてのアンケートを実施した結果を発表しています。調査によると、2020年の「ハロウィーン」行事参加予定は15.2%にとどまり、前年の参加予定21.2%から6.0ポイント...
「消費者への還元」「世相が暗いから」と売上以外を目的とする事業者も
ハロウィンイベントを実施する目的について、販売促進や売上減少の補填など利益を重視する事業者も多い中で、「消費者への還元」との回答が3件、「世相が暗いから」との回答も1件ありました。
競合がこうしたイベントを控える中で、「消費者への還元」や、「コロナで暗くなった世の中を盛り上げること」を目的として感染防止策を講じながら実施するのは、ブランドイメージの向上にもつながる可能性があります。
事例として、埼玉県熊谷市で開催されるハロウィーンイベント「クマガヤハロウィン2020」にも、「世の中を盛り上げる」目的があるようです。
公式サイト上では、「後ろ向きになってしまう気持ちを前向きにしたい、元気になりたいみんなを応援したいという気持ちを込めて、慎ましやかでも開催しようと決意しました」と、開催の経緯を語っています。
ハロウィンの次は、12月に「クリスマス」、さらに現在延長が検討されている「年末年始」といったイベントが待ち構えています。
今後、販売促進だけでなく「消費者への還元」や「盛り上げること」を目的としてイベントを実施するのも、長期的な視点では売上の増進につながる可能性があるといえるでしょう。
<参照>
NHK NEWS WEB:ハロウィーン「渋谷に来ることは自粛を」区長が異例の呼びかけ
熊谷経済新聞:熊谷でハロウィーンイベント 「ウィズコロナ時代、自重して前向きに参加」呼び掛け
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