テイクアウトやデリバリーの食中毒予防対策3原則・注意点|発生したらどうなるのか?

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テイクアウトデリバリーによる食事提供が普及する中、飲食店業者にとって「食中毒」は特に注意しなければなりません。提供しているテイクアウトデリバリー商品から一度食中毒を起こしてしまうと、営業停止や風評被害、賠償責任など多大な損失を被ります。

この記事では、自社で提供した商品から食中毒が発生しないために食中毒について理解し、食中毒を起こした場合の流れについて紹介します。

食中毒とは

食中毒とは、食中毒を起こす原因になる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を人が食べることで発生します。症状としては、下痢や腹痛、発熱などの症状が多く、時には命を落とすことになるものもあります。

食中毒にはさまざまな種類があり、十分に加熱できていない食べ物が原因となることや、自然に毒を持っているフグやきのこを食べることによっても食中毒を起こすことがあります。

食中毒の原因

食中毒には、主に細菌性のものとウイルス性のものが存在します。ここでは、その違いについて説明します。

食中毒の原因:細菌性

細菌性の場合、飲食によって接種した細菌が体内で増殖することで発症する場合と、飲食で接種した細菌が体内で増殖し、生産された毒素が原因となり食中毒状況を起こす場合があります。

夏に発生する食中毒は細菌が原因になることが多いですが、夏場(6〜8月ごろ)は気温も湿度も高いため食品の中で細菌が増殖しやすくなります。特に室温約20℃あたりから細菌は活発に増殖します。

細菌性の食中毒としてよく知られているのは、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)、カンピロバクター、サルモネラ属菌などです。

食中毒の原因:ウイルス性

一方でウイルス性の食中毒は、冬場(1月〜3月ごろ)に発生することが多く、夏と反対に気温が低く乾燥した環境のもとでウイルスは生存します。そのウイルスが蓄積している食品を食べたり、何らかの形で口に入ってしまったときに起こるのがウイルス性の食中毒です。

よく知られているウイルス性食中毒にはノロウイルスがあり、非常に感染力が強いことから被害の規模が拡大することが多い食中毒です。

手指を介した食中毒の事例

食中毒は、食品や調理器具など調理環境を清潔にしていても起こってしまうことがあります。たとえば、手洗いが不十分の場合、手指に付着していた菌が食品に付き、食中毒を起こす原因となってしまいます。

実際に、ある勉強会で提供された弁当に黄色ブドウ球菌が付着し、弁当を食べたうちの3名に下痢、嘔吐などの症状が出た事例がありました。

原因は調理事業者が素手で材料をカットしたこと、弁当が十分に保冷されていなかったこと、弁当が3時間半後に会場に到着し食べるまでに2時間半以上常温で保管されたことが重なったと推測されています。その結果、食品に付着した菌が増殖し、食中毒となりました。

このように、さまざまな場面での注意の怠りが重なって食中毒が起きることがあります。

食中毒を起こさないための予防3原則

デリバリーテイクアウトでの食事は、店内での食事よりもつくってから食べるまでの時間が長くなります。

そのような状況下で食中毒を起こさないように食事を提供するには、「つけない」「ふやさない」「やっつける」の3原則を意識することが大切です。その3原則とは、以下の通りです。

  • 「つけない」とは、手洗いや調理器具の洗浄の徹底や、食事提供者の体調が悪く下痢、発熱、嘔吐などの症状があれば菌を付けないように休ませること
  • 「ふやさない」とは、保冷剤などを使用することで低温のまま保存し菌を増やさないこと
  • 「やっつける」とは、生卵や刺身などはお弁当に入れるのを避け、作る段階で加熱処理を徹底すること

テイクアウト・デリバリーで特に注意すべきこと

店内で提供するのとは違い、テイクアウトデリバリーでは食事するまでに時間を要します。食事するまでの時間が長くなれば食中毒が発生するリスクも上がるため、商品を提供する飲食店は衛生管理を徹底する必要があります。

ここでは、テイクアウトデリバリーサービスで特に気をつけたい3つのポイントを紹介します。

ポイント1. 温度について

まずは温度についてです。食べ物の温度は食中毒菌が増殖しやすい温度帯である20~50℃を避け、10℃以下か65℃以上になるよう管理すると良いでしょう。

特に炊き込みご飯やカレー、汁物は湿気が高くなり菌を繁殖させやすいため、熱い場合は冷めてから詰め、蓋などに結露をさせないように注意が必要です。

また気温が高くなる夏場は、調理場に長時間放置しておくのは危険です。調理し終えた後に少し冷まし、冷蔵庫で一旦保管するなどの対策をとり、菌が繁殖しにくい環境づくりが大切です。

ポイント2. 食材について

動物性の食物は菌が繁殖しやすいため、刺身や半生の卵料理などはできるだけ選ばないようにすると良いでしょう。

また生野菜やフルーツはそのまま一緒に入れてしまうと、調理された温かい食品と温度にバラつきが出て、菌の発生の原因となってしまうため、別の容器に入れるか、保冷剤をつけるようにしましょう。

生野菜を使うサラダを取り入れることで彩りが良くなりますが、食中毒となるウイルスや菌を発生させる原因になりかねません。このように、テイクアウトデリバリーの場合、食材の美味しさ以外にも食中毒に注意したメニューを考えることが大切です。

ポイント3. 配達について

最後に配達についてです。気温が高い日や湿度のある日などは、配達する際に必ず保冷箱に入れ、直射日光を避けて配達することが重要です。

直射日光に食品が長時間さらされてしまうと食中毒のリスクが上がります。配達によって食中毒が発生してしまっては、製造に注意を払っていたことが無駄になってしまいます。そのため配達者は、食品の状態に細心の注意をし、配達することが必要です。

また注文者には2時間以内に食べきること、アレルギー物質に関することなど注意事項を伝えることも食中毒のリスクを減らすことために心がけたい取り組みです。

食中毒が発生したらどうなるのか?

ここでは実際にあった食中毒が発生した場合の流れと賠償責任について紹介します。

食中毒が発生した際の流れ

飲食店で食中毒が発生もしくは発生の疑いが出ると、保健所からの立ち入り調査が入ります。

調査内容は事案ごとに異なりますが、患者側、店舗側両方への聞き取り形式で進められます。

また店舗側は聞き取り以外にも、調理方法マニュアルや仕入れ先情報などの資料を求められる場合もあります。

調査終了後に店舗側に食中毒が認められた場合は、管轄の保健所によって営業の禁停止処分が判断されますが、すべてのケースが営業停止処分になるとは限りません。

賠償責任

デリバリーで提供した飲食物が原因で食中毒が発生した場合、場合によっては賠償責任が生じることもあることを考慮する必要があります。

食事を提供する限り、食中毒を起こしてしまう可能性はあります。そこで、食中毒が起きた際に賠償責任に適用される保険もある事を知っておきましょう。飲食店向けに提供されている保険サービスとして、「生産物賠償責任保険(通称PL保険)」と呼ばれるものがあります。

これは事業者の製品や業務に起因する第三者の損害を補償するもので、食中毒も対象となります。

デリバリーを考慮した食中毒防止対策を

新型コロナウイルスの影響により、デリバリーテイクアウトといった形式での食事提供が以前に比べ普及してきました。

飲食店で食べるよりも、デリバリーテイクアウトの場合、自宅まで配送する時間がかかってしまうため、食べるまでの時間は長くなります。

食中毒が発生しやすい状況になりやすいため、飲食店事業者は食中毒を起こさないための3原則を徹底することが重要です。

事業者は食中毒のリスクがある事を前提に、少しでも食中毒を起こしにくいメニューを考え、配達する際も直射日光を避け保冷箱に入れるなどの万全の対策をしていく必要があります。

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