緊急事態宣言が発令されて以降、飲食店には休業や営業時間の短縮が要請されたほか、外出自粛が求められる状況の中、店まで足を運ぶ顧客が大幅に減少しています。
そうした状況の中、飲食店においてデリバリーサービスを利用する店舗が増加してきており、中にはスマホアプリを使って簡単にオーダーから配達まで行えるものも増えています。
今回の記事では、デリバリーサービスのメリットと、デリバリーを提供するアプリの特徴について紹介します。
デリバリーサービスの理解
近年よく話題になっている飲食の「デリバリーサービス」ですが、メリットだけでなく利用にあたって注意点もあります。いくつかのポイントを紹介します。
デリバリーサービスのメリット
飲食店がデリバリーサービスを導入することのメリットは、「外出自粛期間でも利用してもらえる」「店内の混雑状況に関わらず売上になる」「知名度アップにつながる」の3点です。
まず、来客数が少ない場合でも、購入方法の選択肢を増やすことで新規顧客の獲得ができます。今回の新型コロナウイルスの影響による外出自粛制限で客足が遠のいていても、デリバリーであれば注文を受けて販売をすることができます。
また、通常の店舗営業の場合は、満席になってしまうと他の顧客を受け入れることができず、機会損失が発生します。しかし、デリバリーであれば客席を確保する必要がないので、キッチンさえ回れば混雑状況に関係なく商品を販売することができます。
そして、知名度のアップにつながることもメリットとして挙げられます。立地のあまりよくない場所で営業している店舗の場合、その道を通らない人にはなかなか存在を知ってもらうことは難しいです。
一方デリバリーの場合、デリバリーサービスに登録しておくことで、ユーザーがスマホで検索したときに、場所や料理のジャンルなどの条件に合致すれば検索結果に出てくるため、店舗の存在を知ってもらうことにつながります。
提供している料理の写真を掲載しておくことで、「こんなに美味しそうな料理を出してる店があるんだ」と興味を持ってもらえる可能性もあり、新規顧客の獲得にもつながります。
その他にも、デリバリーを導入しても新たに設備を取り入れたり備品を購入するわけではないので、特別な初期投資をする必要がありません。また店舗に来店する顧客に対応する必要もないので、接客のための人件費を減らすことができるなど、費用面でもメリットがあります。
デリバリーサービス開始で注意するポイント
一方で、デリバリーサービスを始める際に注意しなければならない点がいくつかあります。
まず、軽減税率の問題から店舗で料理を提供する場合とデリバリーで提供する場合とでは消費税が異なります。出前は宅配は8%の税率なので、会計の際に金額を間違えないように注意が必要です。
また、店舗に来店している顧客と、デリバリーに関心を持つ顧客のターゲット層が必ずしも一致するとは限りません。そのため、デリバリーを行う際にはどのターゲットに向けて集客を行うかを見極める必要があります。
デリバリーの告知をする際は、店内に「デリバリーサービス、始めました」という広告を貼るだけではなく、ポスティングや新聞のチラシなどを定期的に配布することで、対応エリアの顧客に覚えてもらうための宣伝を続けることが大切です。
そして、デリバリーを始めるにあたり、いきなり大規模にデリバリーサービスを始めてしまうことによる人手不足にも注意が必要です。デリバリーの導入により新たな仕事も増えるため、それにより実店舗での接客・料理提供の質が下がるなどの影響が出てしまう可能性も考えられます。
そのため、まずはランチタイムのみで少ないメニューで始めるというように、少しずつ導入していくと良いでしょう。
デリバリー代行アプリ3選
使いやすさや費用面におけるメリットから、デリバリーにスマホアプリを利用する店舗も増えてきています。
ユーザーにとっても、テイクアウトやデリバリーサービスなど、この時期だからこそニーズが増大しているサービスであり、それに伴いアプリの利用も増えています。
デリバリー代行サービスの特徴
デリバリー代行サービスは、配達専門業者が店舗で作った料理を従業員の代わりに顧客のもとに配送してくれるサービスです。
店舗で配達スタッフを設ける必要がないため、人件費を削減することができるというメリットがあります。
基本的には、配達専門業者と契約をしておくことで、顧客から注文が入ったら配達スタッフが顧客のもとに料理を届けてくれるという仕組みになっています。
UberEATS
UberEATSは、アメリカのUber社が運営する世界的に利用されているデリバリー代行サービスです。注文が入ると店舗の近くにいる配達スタッフが料理を取りに来て、顧客へ料理を届けてくれます。
店舗としては新たにデリバリーのための人員を雇わず、配達を完全に外注で行うことができるので、人件費を節約することができます。また、店舗から配達のために人員を割く必要がなく、近くにいる配達スタッフを呼ぶことができるので、スピード感があることも特徴です。
他のアプリとは異なり、初期費用がかからないため始めやすいデリバリーサービスであると言えます。
利用可能地域:東京、川崎、横浜、埼玉、名古屋、大阪、神戸、京都、福岡など
- 登録店舗数 :非公開
- 初期登録料 :無料
- 配送手数料 :混雑状況により異なる
出前館
国内最大級のデリバリーサービスで、全国の新聞販売店と提携していることから全国的な配送が可能であるという強みがあります。また、インターネットに苦手意識を持っている人でも利用できるようにFAXでの注文を受けていることも特徴的です。
Tポイントとの連携も行っているので、貯まっているポイントを使用することができたり、出前館のデリバリーの利用でポイントを貯めることもできます。日頃からTポイントを利用している人にとっては、魅力的なサービスと言えます。
- 利用可能地域:日本全国
- 登録店舗数 :20,000店舗以上(2019年9月末時点)
- 初期登録料 :35,000円 ほかに月額費用3,000円
- 配送手数料 :金額の5%
楽天デリバリー
楽天デリバリーは、ショッピングサイトとの連携があることが最大の特徴で、楽天からユーザーへ消費を促すようなプロモーションを積極的に行って営業をバックアップしてくれます。
楽天ポイントが貯まるメリットがあるだけでなくキャンペーンが豊富なため、ユーザーはお得にサービスを利用できます。また、店舗としても、キャンペーンを通してこれまで来客していた顧客とは異なる新しい客層を取り込むことができる可能性があります。
- 利用可能地域:日本全国
- 登録店舗数 :1万店舗以上
- 初期登録料 :5,000円 ほかに月額費用が3,000円 配送手数料 :非公開
自社スタッフによるデリバリー
ここまで、デリバリーを外部の配送スタッフに代行してもらうサービスについて紹介してきました。一方で、代行サービスを利用せずに自社のスタッフによるデリバリーを行っている例もあります。
ここでは自社のスタッフを活用することのメリットと、そうした方法でデリバリーを行っている事例を紹介します。
自社独自デリバリーサービスの特徴
自社のスタッフによるデリバリーは、地域密着型の個人商店で古くから取り入れられてきた形態と言えます。
自社のスタッフにデリバリーをしてもらうことのメリットとしては、デリバリーだけでなく他の業務を同時に任せることができる点や、配送先でのマナーやサービスの質まで細かく管理をすることはできる点が挙げられます。
マックデリバリー
マクドナルドによって提供されている「マックデリバリー」は、商品を指定の場所まで配送してくれるデリバリー専用アプリです。
配達エリアを設定すれば目安時間も表示され、セットメニューや朝マックなど幅広い商品を配達することができます。
配達可能金額が1,500円とやや高めに設定されているので、一人で食事をする場合というよりは、複数人での飲食に向いていると言えるでしょう。
現金やクレジットカード、マックカードなど、様々な支払方法に対応しているのもポイントです。
また、マクドナルドでは新型コロナウイルスの影響から、人と人とのコンタクトを避ける「非接触型デリバリー」が行われるなど、ユーザーのニーズに対応した取り組みが進められています。
銀のさら
宅配寿司「銀のさら」の公式アプリでは、100種類以上のメニューから商品を選ぶことができ、必要な量だけを注文することが可能です。
マックデリバリーと同様に、配送先を登録しておけば、配達までにかかる時間を表示することもできます。配達の指定日、希望時間など、ニーズに合った細かい指定ができるのも特徴です。
アプリ内では、期間限定メニューやセールの商品などの情報も受け取ることができます。
その他、誕生日クーポンなども用意されており、リピート使用に繋がるような工夫もされています。
支払いは、クレジットカードの利用が可能なので、受け取り時に現金のやり取りの必要がなく、スムーズに行うことができます。
ピザハット
その他、宅配飲食の代表とも言えるビザ業界の「ピザハット」が提供している公式アプリがあります。
ピザハットでもキャンペーン情報や割引に関する情報がアプリを通じて簡単にキャッチできるので、よりお得に購入をすることができます。
また、すぐに食べるための注文だけでなく、商品を届ける日付や時間を細かく設定することもできるので、お祝い事の際にも便利です。
支払い方法はクレジットカード、楽天ペイ、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い、現金払いと幅広く選択できます。ユーザーごとのニーズに合った支払いが可能なので、ポイントを利用したり、貯めたりなど、お得にサービスを受けることも可能です。
店舗の状況を顧慮したデリバリーサービスを選択
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの飲食店が来客数の減少という問題に直面しています。
このような状況でも、料理の提供を続け、売上の減少を防ぐことのできる活路として期待されているのがデリバリーサービスです。
デリバリーの方法は、代行サービスの利用と自社のスタッフによる配達がありますが、いずれも新規顧客を開拓するためのきっかけになるでしょう。
特に、アプリを使用した手軽なデリバリーシステムの導入は、利用者の拡大を目指すためには重要なポイントです。
急速な変化が続く情勢では、ニーズに合った幅広いサービスを柔軟に提供をすることが飲食店に求められます。
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