6月の消費動向として、4月から継続していた3回目の緊急事態宣言が沖縄県以外で解除されたものの、10都道府県でまん延防止措置へ移行したため、依然として消費は控えめとなる傾向が継続していました。
また日本以外での小売業態の動きとして、GAPが英国とアイルランドの全店舗閉鎖を発表するなど、コロナ禍で戦略を見直して新しいビジネスモデルへシフトしていく様子もみられます。
本記事では、6月の小売業界の動向についてまとめます。
関連記事6月の小売業界動向
4月から続く緊急事態宣言の影響下にあって、小売業界の実店舗での売り上げは依然として厳しい状態にあるようです。
そうした中、コロナ禍で話題となり昨年よりも販売金額を伸ばしている商品や、売り上げが好調な業態もありました。
ここでは、6月の小売業界の動向について、各社の報道や話題をまとめます。
2021年上半期に売れたものランキング、マスクなど衛生用品ではなく「健康食品」がランクイン
市場調査やマーケティングリサーチを行う株式会社インテージは、6月30日に「2021年度上半期の売れたものランキング」を発表しました。
この調査は、全国の約6,000店舗から収集している小売店販売データ「SRI+®(全国小売店パネル調査)」を用いて日用消費財市場の2021年1月から5月までのデータを集計したものです。
それによると、2021年上半期の1位は「麦芽飲料」で前年度販売金額比208%、2位は「プロテイン粉末(160%)」、以降は3位「玩具メーカー菓子(153%)」、4位「血圧計(125%)」、5位「ヘアートリートメント(124%)」という結果になりました。
1位の麦芽飲料は、SNS上で貧血や体力増強にネスレの「ミロ」が効果的という投稿が話題となり、2020年後半から需要が拡大して一時期は品薄状態となるほどでした。
また、プロテインと血圧計、ヘアトリートメントについては、コロナ禍での健康への意識や巣ごもりでのセルフケア需要の高まりが窺えます。
3位の玩具メーカー菓子は、2020年に映画が大ヒットした「鬼滅の刃」関連の商品の好調によって売り上げの拡大が進みました。
一方、昨年の上半期のランキングでは1位「マスク」、2位「うがい薬」、3位「殺菌消毒剤」と上位を衛生用品が占めていましたが、今年はランキング外という結果になりました。
<参照>
PR TIMES:コロナ2年目 「2021年、上半期売れたものランキング」
ファミマが100均進出、主婦層から人気集める
コロナ禍で在宅時間が増えたことから、キッチンやインテリア、DIY用品などの「巣ごもり需要」が増大し、100円均一ショップ(100均)などワンプライス商品を扱う業界は売り上げを伸ばしています。たとえば100均大手のセリアでは、2021年度第3四半期の売上高は前年同期比で11.4%増、営業利益は24.3%増と大きく躍進しています。
そんな中、コンビニ大手のファミリーマートは2020年11月から、日用品を中心にしたプライベートブランド「ファミリーマートコレクション」で100円均一(税込110円)商品の販売を始めました。
2021年5月末時点で23の商品を展開し、好調な売り上げを記録しているということです。
コンビニでは商品を定価販売していてスーパーなどに比べて割高というイメージがあり、今回のファミリーマートの100円均一展開はこれまであまりコンビニを利用していなかったような「ファミリー」や「主婦」を取り込むための手段としてスタートしました。
2020年11月から現在までの販売データから、100円均一商品の購入者のうち7割が女性で、30から50代の女性が5割を占めるなど、狙い通りに新規顧客を獲得しつつあるとのことです。
関連記事<参照>
日経クロストレンド:ファミマ“100均進出”の裏側 「コンビニ=高い」覆す切り札に
GAPが英国とアイルランドの全店舗を閉鎖 オンライン販売に移行
ファッション小売店のGAPは2021年6月30日に、イギリスとアイルランドにあるGAP全店舗を9月末までに閉店することを発表しました。
イギリスとアイルランドにある81店舗を8月中旬から閉鎖していく一方、オンラインの販売は継続するとのことです。
これまでにもGAPは、2020年10月に「BANANA REPUBLIC」を含んだ北米にある約350店舗を2023年末までに閉店することを発表しており、欧州での直営事業の戦略を見直し、順調なEコマース事業へビジネスモデルをシフトしていくとみられます。
関連記事<参照>
Business Insider Japan:GAP、9月末までにイギリスとアイルランドの全店舗を閉店へ
6月に発表された小売業関連のデータ紹介
ここでは、6月に発表された小売業に関するデータを紹介します。JCB、ナウキャストが「JCB消費NOW」による2021年5月の消費動向を発表
JCBとナウキャストがクレジットカードの利用情報をもとに作成する消費動向指数「JCB消費NOW」によると、2021年5月の小売業は前々年同期比で7.2%のプラスで、前月より2.9ポイント改善しました。
4月から続く緊急事態宣言下のため、外出を伴う消費が大幅に減少した一方で、ステイホームでの需要が好調となっています。
業態別に見ると、「百貨店」は前々年同期比で67.3%マイナスと大きく落ち込み、「コンビニエンスストア」も前々年同期比8.3%で、前月より4.8ポイント減少しています。また、「スーパー」は前々年同期比18.8%で微増となり、「酒屋」は前々年同期比33.9%で前月より15.1ポイント増加し、「家電」は前々年同期比7.3%で前月より12.0ポイントと大幅に増加しています。
<参照>PRTIMES:大都市圏が3回目の緊急事態宣言下となった2021年5月の国内消費動向指数、外出型消費が大幅に減少した一方、「酒屋」や「家電」などステイホーム需要が好調
各業態 5月の売上動向
ここでは、各業態における売上動向をまとめます。
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5月のチェーンストア販売概況(日本チェーンストア協会)
:チェーンストアでの総販売額は1兆1,201億円、前年同月比2.9%増
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5月度のコンビニエンスストア統計調査月報(日本フランチャイズチェーン協会)
:コンビニエンスストアにおける既存店ベースの売上高は8,537億7,100万円、前年同月比4.2%増
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スーパーマーケット販売統計調査資料 2021年5月実績(オール日本スーパーマーケット協会)
:スーパーマーケットにおける総売上高は9,473億6,958万、既存店前年同期比6.3%減
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5月のショッピングセンター販売状況(日本ショッピングセンター協会)
:ショッピングセンターの売上高は前年同月比70.1%増
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5月の全国百貨店売上高概況(日本百貨店協会)
:全国の百貨店の売り上げ総額は約2,465億円、前年同月比65.2%増
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5月分の商業動態統計速報(経済産業省)
:ホームセンターの売上高は3,230億円で前年同月比4.6%減
:ドラッグストアの売上高は6,180億円で前年同月比1.8%増
:家電大型専門店では3,820億円で前年同月比0.7%増
博報堂が「来月の消費予報・7月」を発表
博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は6月25日、「来月の消費予報・2021年7月」を発表しました。
それによると、7月の消費意欲指数は48.9点で、前月比3.7ポイント増加するも前年比では-2.9ポイント減となりました。
ボーナスシーズンである7月は、例年消費意欲指数が上昇する傾向があり、2021年も前月比+3.7点と大きく上昇しています。
また、カテゴリ別の消費意向で「特に買いたいモノ・利用したいサービス」として、「ファッション」「化粧品」と回答した人は前月より20人以上増加し、季節的な買い替え需要とボーナス支給などから、女性を中心に「外出」を意識した消費意欲の高まりが見られます。
しかし、3回目の緊急事態宣言が解除されてからわずか3週間ほどで4回目の緊急事態宣言発令されたため、高まっていた消費意欲にブレーキがかけられることとなりました。
コロナ禍のため今後も小売業態では厳しい状況が続くことが予想されますが、その中で必要とされることとなった新しい需要や顧客層などへの感度を高め、売り上げ増加や新規顧客の獲得などへ取り組みことが重要となるでしょう。
<参照>
博報堂:博報堂生活総研[来月の消費予報・2021年7月](消費意欲指数)
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