国際的なCS(顧客満足度)調査機関であるJ.D. パワー ジャパンが、「J.D. パワー 2023年共通ポイントサービス満足度調査℠」の結果を発表しました。
調査によれば、共通ポイントサービスの利用者の満足度は金融サービスとの連携によって高まり、楽天ポイントが3年連続で第1位に輝きました。詳細な調査結果と今後のポイントサービスの展望について紹介します。
金融サービスとの連携が満足度向上のカギ
調査の対象となったのはdポイント、PayPayポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、nanacoポイント、WAON POINTの7つの共通ポイントサービスです。楽天ポイントが3年連続で総合満足度第1位に輝きました。
- 楽天ポイント(727ポイント)
- PayPayポイント(707ポイント)
- dポイント(684ポイント)
楽天ポイントは特に「ポイントの貯めやすさ」「ポイント確認のしやすさ」「ポイントの使いやすさ」の3つの要因において高い評価を受けています。
PayPayポイントとdポイントも高い評価を獲得し、共通ポイントサービスの競争が熾烈であることを示唆しています。
調査によれば、金融サービスとの連携でポイントを貯めているユーザーの満足度は総じて高いことが明らかとなりました。
たとえば、投資信託の運用結果に応じてポイントを還元する「ポイント運用サービス」を利用しているユーザーの場合、最も高い755ポイントの満足度を得ていることが分かりました。
投資要素とゲームのような楽しさを組み合わせられることから、共通ポイントサービスの満足度向上に寄与することが明らかになりました。
また、株式取引や投資信託の保有残高に応じてポイントを提供する「金融サービスの利用」も高い満足度をもたらすことがわかりました。
しかし、金融サービスとの連携でポイントを貯めているユーザーは全体のわずか15%で、ポイント運用サービスを利用しているユーザーは11%、金融サービスを利用しているユーザーは4%にとどまっています。
共通ポイントサービスの満足度向上につなげるためにも、金融サービスとの連携でポイントを貯めるユーザーを増やす施策が必要になりそうです。
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金融商品にポイントを使用しているユーザーは満足度が高い
ポイントを使用する方法が満足度に影響していることも分かりました。
調査によれば、「株や投資信託などの金融商品を購入する際にポイントを使用している」と答えたユーザーの満足度が最も高く、737ポイントを獲得しています。
投資への意欲が高まるなか、ポイントを金融商品の購入に活用できるサービスが満足度向上に寄与していることが示唆されます。
共通ポイントサービス提供事業者は、ユーザーの満足度向上と自社経済圏の拡大を促進するために、ポイント取得と使用の両面で金融サービスとの連携を強化することが求められています。
また、2024年の春に予定されている一部の共通ポイントサービスと金融機関グループのポイントサービスの統合により、競争環境は一層激化する見込みで、金融サービスとの連携が円滑に提供できるかが競争のひとつの要因となりそうです。
「ホームページ/カスタマーサポート」に課題
総合的な顧客満足度を測定するにあたり、「ポイントの貯めやすさ」「ポイント確認のしやすさ」「ポイントの使いやすさ」の3要素に加え、「ホームページ/カスタマーサポート」の4つのファクターを設定しています。
4つのファクターそれぞれの満足度を比べたところ、「ホームページ/カスタマーサポート」が最も低い評価となっています。多くのポイントサービスで同様の傾向を示し、この問題は2021年の初回調査から3年連続で続いています。
「ホームページ/カスタマーサポート」を利用する主な目的は、ポイントの獲得や使用に関する情報の確認です。しかし、この目的でサポートを利用するユーザーの満足度は最も低いため改善が必要です。
共通ポイントサービスは、今や疑似通貨としての性質を持ち、ユーザーにとって重要性が増しています。ポイントの付与状況や使用状況に関する問い合わせに対するサポートを向上させることが、今後の共通ポイントサービス提供事業者にとって重要な課題となりそうです。
<参照>
株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパンプレスリリース:J.D. パワー 2023年共通ポイントサービス満足度調査℠