ヤフーは6月13日、2022年度の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開し、約1億3千万件の広告素材を非承認としたことを発表しました。
入稿数が増えるなかで、違反表現や消費者トラブルが多い業種への対策を強化し、広告品質向上を目指しています。
ヤフー、非承認となった広告の割合が減少
ヤフーは6月13日、2022年度の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開しました。このレポートでは、ユーザーや広告主などが安心して利用できるプラットフォームを目指すための審査実績や取り組みが報告されています。
2022年度は、ヤフーが定めた基準に抵触する素材として、約1億3千万件の広告素材を非承認にしました。2021年度と比べると広告の非承認数に大きな増減はありませんが、入稿数自体は増えているため、非承認となった広告の割合が減少しています。
広告素材の審査には広告の内容が法令や広告主の各業界の基準に準じているか、そしてユーザーにとって有益な広告になっているのかといった観点で審査しているとのこと。
広告掲載基準
透明性レポートでは、実際に広告掲載基準が紹介されていました。審査基準のひとつである「ユーザーの利便性のための基準」においては、以下のような場合は非承認となるようです。
- 広告の主体者の明示:広告主の主体者情報が不正確もしくは画像形式で表示
- 広告の関連性について:検索キーワードと関連する情報が不十分なクリエイティブなど
- 広告の有用性について:広告主による独自のコンテンツが乏しいものなど
- 広告で使用される言語:日本語もしくは英語以外の言語使用
- 重複掲載の禁止:同一ページに同じ広告が重複
- 年齢の指定ができる広告商品:アルコール飲料が表示されているなど未成年向けの広告
- ユーザーに迷惑となる広告:OS やブラウザの機能と誤認するものなど
- ユーザーの意に反する広告:作成中など通常の環境で表示することができないものなど
ほかにも業種や商品ごとに掲載基準があると公表しています。ヤフーは審査基準を定期的に見直し、改善するなどの取り組みなどにより、広告品質を高めています。
これらの取り組みは、ヤフーの「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」というミッション達成のため、安心して活用できるプラットフォームを目指すものといえるでしょう。
広告品質向上のための取り組み
ヤフーは、広告品質向上のためにさまざまな取り組みをおこなっています。その一例として、以下のようなものがあります。
広告アカウント自体の停止
広告素材だけでなく、アカウント自体を停止することもあるとしています。ターゲットとなるのは違反表現を繰り返すアカウントや大量の非承認広告を入稿するアカウント。
2022年度下半期には3,824件のアカウントを非承認とするなど、広告品質の向上に取り組んでいます。
暮らしのレスキューサービスの本人確認強化
暮らしのレスキューサービスとは、水漏れやトイレ故障などの緊急時に駆けつけて解決してくれるサービスのことです。
近年、消費者が解決を急ぐあまり、費用や作業内容を十分に確認しないまま契約してしまい、高額請求されるなどのトラブルになるケースがあります。
政府が注意を呼びかけており、ヤフーは悪徳業者への対策として暮らしのレスキューサービスに関する広告を出稿している一部の事業者を対象に本人確認を強化しています。
特設サイトや透明性レポートによる情報開示
透明化法に基づき情報を開示する特設サイトや透明性レポートによって対策状況を提供しています。透明化法とは、「デジタルプラットフォーム取引透明化法」のことで、ヤフーのようなデジタルプラットフォーム提供者と利用者が公正な取引をおこなうためのものです。
ヤフーは広告の審査基準や対策状況などを報告することで、広告主の理解促進に役立つとしています。
<参照>
Yahoo! JAPAN:ヤフー、2022年度は約1億3千万件の広告素材を非承認に
政府広報オンライン:水漏れ、解錠、トイレ修理…緊急時の駆け付けサービスのトラブルにご注意! | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
経済産業省:デジタルプラットフォーム (METI/経済産業省)
Yahoo! JAPAN:広告掲載基準
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