コロナ禍で、室内よりも開放的かつ安全に外食を楽しめるテラス席が注目されています。通常、国土交通省により道路占用許可基準が設けられており許可がない場合は公道に出ての営業ができません。
現在は2021年9月30日まで基準が緩和されており、申請が許可されれば無償でのテラス席営業が許されています。
今回は、夏に向け屋外にて快適な外食を提供するための暑さ対策について解説します。
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テラス席に有効な暑さ対策4選
テラス席は自然を感じることができ、また開放的な気分を味わえる点で飲食店利用者に支持されるサービスです。
夏や冬は気温による不快感をいかに減らせるかが重要です。ここでは、暑さ対策について紹介します。
1. 屋内外エアコン・大型扇風機
1点目は、屋内外エアコン、大型扇風機の設置です。屋外でも冷風が送られ、涼しい空間を創造できます。
屋内外エアコンは、冷媒配管工事を必要とせず設置が簡単な製品もあります。広い空間であれば設置費用は数十万と発生しますが、顧客への配慮の度合いは他の対策と比較すると高いといえます。
2. ビニールカーテン
2点目は、ビニールカーテンです。
このビニールカーテンが設置できるには軒先、ひさし等が必要になります。ビニールカーテンは、簡単に設置することができ特別な費用も他の対策と比較すると安価です。
その他にも、室内の冷房を行きわたらせるので現状の光熱費を維持できます。しかし、閉鎖的な空間になるのでこまめな換気が必要です。
3. ミストシャワー
3点目は、ミストシャワーです。
霧状の水が蒸発する時に熱を吸収し、周囲の温度を下げる効果があります。
価格帯は幅がありますがECサイトでも屋外用ミストシャワーが販売されており、費用は1万円を切るものも提供されています。
設置する高さや場所に注意する必要がありますが、口コミでも手軽に設置でき涼しい等好評です。
4. オーニング
4点目はオーニングで、これは張り出したテント地の日よけです。
オーニングは、紫外線を防ぐ効果があり、ウッドデッキ、テーブル、椅子等が熱くなるのを防ぎます。
屋内への日光が指し込むのも防ぐことができ、室内エアコンの使用も抑えられ省エネ効果が期待できます。
コロナ対策にも有効なテラス席
テラス席の利用は屋外で過ごすことと同じなので、換気という面から新型コロナウイルスの感染リスクを軽減してくれます。
こうした点から、国も設置にかかわるハードルを下げる試みをしています。
3密を回避できる開放的な屋外空間
テラス席は屋外に設置され室内と比較すると常に換気された状態にあり、開放的な屋外の座席になっています。
来店客はソーシャルディスタンス、換気環境、衛生面などについて平常時よりも気にかけています。こうした心情の顧客にとって、テラス席は安心感を与える材料となります。
テラス席での営業をアピールすることはより多くの人に来店してもらえる可能性があります。
国土交通省が道路占用基準の緩和を再延長
コロナ禍での外食産業売上減少の状況を受け、国土交通省はテラス席営業などに関係する道路占用基準を2020年6月から緩和し2021年9月30日まで再延長することを決定しました。
この基準緩和はテラス席設置やテイクアウト営業を支援する目的で実施されており、店舗側にとっての具体的なメリットに占用料の免除が受けられます。
ただし、「施設付近の清掃等に協力いただいている場合」という条件には注意が必要です。
テラス席を設置するには、個別店舗ごとではなく地方公共団体等による一括占用のため居住区域の地方公共団体等(地元関係者の協議会、商店街等)に相談することで開始できます。
条件はあるものの定額の経費が発生せずテラス席が設置できるのは、多くの人に利用してもらえる機会になりえます。
テラス席設置時の注意点
続いてテラス席を設置する場合の注意点について、東京都福祉保健局・保健所の情報を根拠に、配置する場所、規模、基準等の観点から解説します。
テラス席を屋内座席と隣接させる
テラス席の配置場所についての注意です。
テラス席は、道を挟んだ向かいの土地に設定することは禁止されています。
そのため、屋内座席と隣接させることが適切な配置と言えます。しかし、事前に占有許可を得ている場合は、道を挟んだ向かいの土地に座席を設置できる場合もあります。
テラス席の面積は屋内より小さくする
顧客に提供するテラス席数は、屋内の面積より小さくする必要があります。これには大きく3つの理由があります。
- 天候悪化時に顧客を屋内に避難させる安全対策
- 管理不届きを防ぐ衛生管理の徹底
- 迷惑防止の観点から周辺環境への影響を減らす
例外に、敷地内で一時的に規模を拡大してテラス席を設置しようとする時は許可をとらなくても良い場合があります。具体的には、公道ではなくホテルの中庭等敷地内の場合です。
テラス席は一定の区画をする
テラス席を設置するに当たり設定された施設基準を満たす必要が出てきます。具体的な方法は大きく3つあります。
- 鉢植えの植物で囲む
- ポール付きロープで区切る
- デッキを設置する等
このような区画整備を行った上で、テーブルや椅子をレイアウトします。
区画整備の囲い、テーブル、椅子等については、店舗イメージに合いかつ、管理しやすい材質の備品を準備することが大切です。
テラス席に調理設備を設置してはいけない
テラス席での飲食物提供方法は例外を除き、公衆衛生の観点から屋外に提供前の料理等をおいてはいけないことになっています。たとえば、サラダバー、フリードリンクコーナー、調理のための焼き台等の設置は原則NGです。
必ず屋内にある調理場から飲食物を提供し、顧客が安心して口に運べる商品を提供します。
換気を維持し、テラス席の暑さ対策を万全に
テラス席は、コロナ禍において3密を回避でき、屋外の空気のよさも味わえるとして支持されています。
通常テラス席を設置する場合は占有料が発生しますが、緩和策が講じられており2021年9月30日までは発生しません。設置には配置場所、規模、基準等注意点が指定されていますが、ルールを守り、また店舗イメージに合った環境をつくりあげることで、新規やリピーターの来店が期待できるでしょう。
夏にテラス席を設置し多くの人に利用してもらうには、暑さ対策を万全にし、快適に過ごせる工夫が大切です。
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