POP作成で知っておきたい「役割」「書き方」「設置場所」とは?個性的な取り組み3選も紹介

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スーパーに並ぶプライスカードなど、陳列された商品へ注意を惹き、魅力を伝えたり興味を促進する広告を「POP」と言います。

来店客に直接アプローチする販促ツールとして有効ですが、中でも手書きPOPはコストや時間を要さず自由度高く作れるため、多くの店舗型ビジネスで導入されています。

本記事では、手書きPOPで効果を最大化させる書き方や設置のポイント、実践事例について解説します。

POPの役割

POPは単純な商品紹介ではなく、来店顧客の興味促進や購買意欲を高めるなど、重要な役割を持ちます。

POP(ポップ)とは

来店した顧客に商品サービスの存在を知らせ、価値を訴求し、購買意欲を掻き立てる役割を持ち、商品説明カードやプライス・カード、棚札やのぼり、ポスターやパネル、キャラクター人形など形状はさまざまです。

POPとは「Point Of Purchase」の頭文字で、「購入時点の広告」という意味です。店頭や店内に設置する広告、宣伝物が該当します。

POPは顧客の購買意思決定を促す

店頭に来る顧客の消費行動として、目的買いよりも衝動買いの方が多いため、POPが効果的に機能すれば販促ツールとして大きな役割を果たします。

顧客は買う予定のなかった商品についても、POPを見て手に取る可能性があります。POPにより顧客単価を上げる効果も期待できるでしょう。

顧客の視点をキャッチし、効率的にアピール

売り場に陳列されたすべての商品を顧客が目にすることは不可能です。POPを置くことで、売り場スタッフのおすすめや注目してほしい商品をアピールし、顧客の目線を掴むことができます。

店内の導線や商品レイアウトなど売り場環境とのバランスを見ながら、POPの設置箇所を定めることが重要です。

簡単・魅力が伝わる書き方 4つのコツ

手書きPOP制作における文字の入れ方や色、装飾、構成要素について、4つの視点からコツを説明します。

1. 個性的・抑揚ある文字で印象強く

印刷した文字のような正確性は必要なく、むしろオリジナリティがある文字の方が顧客に親近感を与えます。また、遠くからでも認識できるサイズで書くことを意識することが重要です。3メートル離れた場所からでも問題なく読めるかどうかを基準にすると良いでしょう。

メッセージや価格など、複数の情報が同じサイズで書かれていると読みづらくなるため、文字間隔やサイズの調整も必要です。

個性的・抑揚ある文字のPOP一例
▲個性的・抑揚ある文字のPOP一例:編集部作成


2. レイアウトパターンを決め、中身のテキストを作る

書く内容の基本は、以下の3要素です。

  1. 商品名
  2. キャッチコピー
  3. 価格

また以下のような内容も、商品の購入検討に役立つでしょう。情報の価値が増します。

  • 商品説明やアドバイス
  • 思い入れや試した感想など

各情報をどこに配置するか、枠を決めてからテキストを考えると失敗しません。

3要素を配置したPOP例
▲3要素を配置したPOP例:編集部作成

3. 基本は赤、黄色、黒、多くても5色まで

多色使いで色鮮やかなPOPは目立ちますが、どこを読めばいいかわからず中身が伝わらない可能性があります。

黒と黄、赤と黄、黒に蛍光カラーなど、目に入りやすい組み合わせで2色使いにすると、視認性が上がり効果的です。

黄色と黒を組み合わせたPOP一例
▲黄色と黒を組み合わせたPOP一例:編集部作成

<参照>
売れなかったものもバカ売れ!売上が上がるポップの書き方ポイント10

4. 文字の縁取りや光沢効果、イラスト、枠でメリハリを

より顧客の目線を引くには、デコレーションも施すと良いでしょう。

文字の装飾はメリハリを強め、イラストは補足説明の役割や顧客のイメージを助ける効果があります。

また、フレームを付けると、中の情報にまとまりが出て注意を集めやすく有効です。

売り場の雰囲気やブランドイメージを意識したデザインにすると、店舗らしさを顧客に覚えてもらえる可能性もあります。

手書きPOPを用意する際の注意点は?

POPは設置方法次第で効果が大きく変わってきます。POPの完成度が高くても、設置場所や時期を誤ると逆効果になるため注意が必要です。

売り場の随所に貼らず、PRしたい商品に限定して貼る

ありがちな例として、PRしたい商品が多岐に渡り、店内がPOPで溢れてしまうことがあります。この場合、一つひとつのPOPが目につかなくなり効力が減ってしまうことが考えられます。

また、POPが前に出すぎていて商品の邪魔になっていないかもチェックしましょう。

時期や売上げ状況に応じて対象商品を決め、メインとなる商品の存在を引き立てるPOP設置が、良い売り場作りにつながります。

書かずともわかる常識的な内容は不要

商品の仕様をそのまま説明するのでは、読み手にとって付加価値が感じられません。

使うとどんな効果が得られるのか、どんな気持ちになるのかなど、体験に軸をおいて訴求すると、商品のスペックだけではわからない効果を想像してもらい、興味を持ってもらえるでしょう。

季節やイベントを盛り込む場合はタイムリーに

情報の鮮度の落ちたPOPは、往来する人やリピート客の信頼度を失うことになります。

季節商品イベントにちなんだ商品POPでアピールすることは有効ですが、掲示期限を決め、旬な期間のみの設置を徹底することが重要です。

必要な道具

顧客の目に入りやすく、質の高いPOPを作るには、専用の筆記用具があると便利です。

発色や耐水性を兼ね揃えたマーカー

POPの文字を書くツールは、鮮やかに発色し、耐水性があり滲みにくいマーカーが適しています。三菱鉛筆の「ポスカ」は、POP制作に使いやすくよく使われている筆記具です。

書く媒体も、紙以外にプラスチックやガラス、金属などさまざまなため、それらに対応していると良いでしょう。

また、色や太さでバリエーションを付けることを考慮し、何本か揃えると安心です。

劣化しにくい丈夫なPOP用紙やブラックボード

何日間も飾ることを想定し、破れにくく色褪せしにくい用紙を選びます。

無地のものから、マス目があり文字を入れやすいもの、ある程度装飾が入っているものなど種類が豊富にあります。

紙より丈夫で存在感のある、ブラックボードもおすすめです。背景が黒色なので、白や黄、蛍光カラーで書いた文字を浮きだたせます。

顧客が思わず立ち止まるPOPの実例3選

工夫を凝らした手作りPOPで、売上げアップに成功している事例を3つ紹介します。

事例1. マニアックな商品に負けない、個性派POP/ヴィレッジヴァンガード(書籍・雑貨)

ブランドの世界観をしっかりと提示している雑貨店のヴィレッジヴァンガードでは、目を引くPOPが数多並んでいます。

POPは黄色い台紙に赤や黒でメッセージを書くスタイルで統一され、見た人の心をくすぐる言葉やストレートな言葉遣いで店内を盛り上げています。

「売れる商品」と「売りたい商品」にPOPをつけ、前者は売れ行きが加速し、後者はどのような価値のある商品なのかを端的にPOPで示して需要喚起につなげています。

またフォーカスするのは商品の価値だけではなく、「ここで立ち読みすると、頭がよく見える」「両手に荷物いっぱいのパパに、もう一つ追加」というように、顧客のシチュエーションを踏まえたメッセージも展開しています。

事例2. ポエム調な文言で、市外の顧客も惹きつける/ヤマヨ(スーパー)

青森のローカルスーパーでは、思わず読みたくなる勢いのあるPOPや、店員の正直な気持ちと商品のセールスポイントを組み合わせたPOPが話題です。

取材によれば、同スーパーは市内外にファンがおり、この手書きPOPにより顧客の滞在時間も長くなったといいます。

各売り場の担当者が自由に決めて書くことで、なぜ仕入れようと思ったのかやトリビアな情報など個性が引き立ち、読む楽しさを与えています。

<参照>
「ぶっちゃけ高い、でも…」攻めすぎポップのスーパー、裏に社長の愛

事例3. 高品質商品に手書きPOPで他商品と差別化/ウエルシア(ドラッグストア)

全国に2,000店舗を構えるドラッグストアのウェルシアは、るーるを定めて手書きPOP展開しています。

費用対効果を意識し、高付加価値や高品質商品を対象にPOPを掲げたり、商品の用途や機能を説明するPOPを高い位置に設置し、遠目でも見つけやすくしたりするなど、顧客導線を意識した好例です。

手書きPOPで顧客が足を止める機会が増加していることを実感し、優良なPOPは他店にも共有するなど店舗横断でクオリティ向上に努めています。

<参照>
リテールテインメント志向する「ウエルシア」の手書きPOP研究 – MD NEXT

POPは重要な購買のフック

ECは価格の安さや利便性で利用率が高まっていますが、実店舗には実店舗だけの価値があります。店内を巡ったり店舗スタッフと会話したりすることで、興味関心が新たに湧く体験もその一つであり、POPはこうした気付きを与える要素です。

POPは顧客の興味をつかみ、店舗商品の情報を受け取ってもらう良いきっかけとなります。来店頻度や滞在時間が増えた事例もあり、売上げにも大きく貢献すると考えられるでしょう。

予算も小さな額でスタートできるため、店舗での販促方法として常に手掛けておきたい手法です。

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