ゴルフ練習場の集客と売上を伸ばす方法とは?「ゴルフだけではない」楽しみがカギ

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ゴルフを練習する場所という役割だけでなく、ゴルフを新しく始める人の入り口としての役割も担うゴルフ練習場ですが、ここ数年そういったゴルフ練習場の減少が進んでいます。

本記事では集客戦略を立てる際にどの点に着目すべきなのかという点に焦点を当てながら、実際に集客に成功した例を取り上げて紹介します。

未来を見据えた集客戦略

ゴルフ練習場が集客戦略を立てる際には既存の戦略とは違った、未来を見据えた戦略が求められます。特に、これまでの利用者へのさらなるアプローチではなく、新しい層へのアプローチがより重要となります。

若者や女性をターゲットとする

ゴルフと聞くとそのメインターゲットは中年の男性です。しかし、新しくマーケットを広げる意味でも若者や女性をターゲットとした集客戦略が有効です。若者を集客するために有効なのがSNSの活用です。

SNSのメインユーザーが若者だということを考えても、SNSはこれまでにアプローチできなかった層にアプローチする手段として活用できます。お店の宣伝だけでなくレッスン動画をあげることでより訴求効果が期待できます。

また、コーヒーやケーキのセットを用意し練習後に休憩できるプランを考案することで女性へのアプローチだけでなく、これまで利用していた層への満足度アップを図れます。

ゴルフをやらない人も楽しめる施設作り

日常的にゴルフをプレーしない人へ向けた集客戦略も効果的です。まず、練習場以外の施設を充実させることが挙げられます。練習場にカフェやバーなどの施設を作りそこでゴルフの試合映像を流すことでプレーを待つ人も有意義な時間を過ごせます。

また、アメリカで成功したゴルフ練習場「トップゴルフ」では打席にもボックス席が用意されておりグループでの来場でも楽しめる工夫がされています。

さらに、プレイの練習という目的だけでなくレジャー目的での来場を見込むためにゲーム要素を取り入れることで、これまでゴルフをプレーしたことがない層の来場も期待できます。

様々な工夫

他にもさまざまな工夫が可能です。営業時間を年中無休、24時間営業とすることで夜しか時間が取れない人や、土曜日早朝からのゴルフに向けて金曜日の夜に練習したい方も利用が可能になります。

すでにゴルフ練習場に通っている人に継続して通ってもらう仕組みとして有効なのがイベントの開催です。ゴルフの練習に対して前向きになれない人でも、イベントが練習場に行こうと思うきっかけになります。

さらに新規顧客を集客する手段としても有効なのが初心者向けのプランです。初心者向けプランにあわせてクラブや靴のレンタルを無料にすることで、ゴルフを始めるハードルが下がり新規利用者の獲得につながります。

アメリカで大人気のゴルフ練習場の人気ポイント

ゴルフ練習場の集客戦略成功例として、アメリカで大人気ゴルフ練習場となった「トップゴルフ」の集客戦略を紹介します。

全世界で36店舗・年間1,000万人以上が来場するゴルフ練習場

トップゴルフはアメリカ発のゴルフ練習場ですが、集客に成功し規模を広げた結果、イギリスやメキシコ、カナダ、オーストラリアといった海外にも練習場をもつまでの規模に成長しました。その店舗数は全世界で36店舗、来場者数は年間1,000万人とされています。

ここまで店舗を増やしたゴルフ練習場ですが、実は売り上げの60%は飲食分野が占めています。ゴルフ場にバーを設置することで練習場利用以外の売り上げを生み出しています。

また、多くの利用者が元々ゴルフをプレーしたことがないゴルフ初心者というのもトップゴルフの特徴です。新規顧客の集客に成功したことで、トップゴルフは平日でも45分待ち、週末にもなると3時間~4時間待ちになることも珍しくないそうです。

ダーツバーのような打ちっぱなし

トップゴルフの新規顧客集客戦略の一つとしてゲーム性のある練習場の設計が挙げられます。

トップゴルフでは練習場にダーツの的のようなものが数か所に設置されており、それらにあたることでポイントが貯まっていくシステムとなっています。また、併設のバーで提供されているお酒を飲みながらのプレーも可能です。

施設も流行りの音楽や、ニューヨークのパブのようなラインナップのバーメニュー、さらに洗練されたデザインを導入し、若者が集う人気スポットを目指しました。

この戦略のおかげで、トップゴルフは「ゴルフ練習場ではスイングの練習やフォームを練習する」という固定観念を打ち払い、気軽にゲーム感覚でゴルフを楽しめるイメージを植え付けることに成功しました。

革新的な設備を備えている

練習場というハード面だけでなく、その中の設備であるソフト面においても各所に革新的な試みが見られます。

トップゴルフで使われているゴルフボールは一部でボール内にマイクロチップが埋め込まれており、そのボールを使用すると飛距離や落下地点を正確に把握できます。さらに、その結果は高画質TVで確認できるようなシステムになっています。

高画質TVの下にはタッチパネルが設置されており、そこではゲームを選んだりプレーヤーの登録が可能です。時間内であれば、そのタッチパネルから簡単にゲームの変更やプレイヤーの交代が自由にできるのも特徴です。

ゴルフを練習する人口を増やすための取り組み

ゴルフ練習場ごとの集客戦略に加えて、それ以外の場所でもゴルフ人口を増やすための取り組みが行われています。本記事ではそんな取り組みのうち特に若者を対象とした取り組みを2つ紹介します。

「ゴルマジ!」

1つ目は2014年にスタートした「ゴルマジ!」です。「タダでゴルフができる」ということをきっかけに、若者に練習場に足を運んでもらうことが目的で始まりました。

19歳~20歳と年齢は限られるものの年齢以外の制限はなく、誰でも取り組みに参加しているゴルフ練習場で30分間、50球分の練習を無料で体験できます。現在全国の練習場のうち7%強にあたる240もの施設がこの取り組みに参加しています。

「アコーディア キャンパスゴルフ」

2つ目はゴルフコース、練習場運営大手の「アコーディア・ゴルフ」が実施している取り組みです。こちらの取り組みも若者のゴルフ練習場利用を促すための取り組みとして始まりました。

アコーディアキャンパスゴルフでは、ゴルフサークルに所属している大学生や短大生を対象に、1時間800円で練習場での打ち放題を提供しているものです。こういった若者のゴルフ体験を促す施策は、五輪というビックイベントに合わせることで有効な手段となりえます。

「ゴルフだけではない」ゴルフ練習場に勝機あり

冒頭でもお話ししたように、年々ゴルフ練習場の数は減ってきています。従来の練習に来てもらうのを待つだけの「待ちの営業」ではなく、新たな施策やイベント、さらにはゴルフをプレーしたことがない層に向けた取り組みを打ち出す「攻めの営業」が重要です。

また、ターゲットを従来の中年男性から、女性や若者といったゴルフをプレーしたことがない層へ移すことで更なる集客を期待できます。これまでにはなかったレジャー施設の要素を取り入れたり、若者が訪れやすくなる取り組みを始めるといった成功例を参考にすると新たな集客戦略が立てやすくなります。

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