市場規模700兆円、注目のフードテックとは?意味や目的・先端技術を活用したサービス紹介

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さまざまな産業と技術を掛け合わせ、課題解決や豊かな生活を目指す動きの中、食の世界でも技術と組んだイノベーションが起きています。

フードテック」は、食料の生産から加工、流通、消費に至るまでIT活用を進め、業務効率化や安全な食の供給を実現するものです。食品業界はこれまで、他の産業に比べIT導入に出遅れていましたが、フードテック市場規模は700兆円に上るという予測も出ており、新たなビジネスの創出が期待されています。

自動化やロボット代行で便利になるだけでなく、従来人の経験値や勘に頼っていた管理もデータ解析で精度が上がり、無駄な食糧廃棄を防げるようになります。

フードテックが社会へどんな影響をもたらすのか、また、注目事例についても紹介します。

フードテックとは

フードテックが指す意味や、技術を用いて食品業界におけるどんな課題を解決するのか説明します。

フード(Food)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた言葉

フードテックとは、最先端のテクノロジーを活かし、食の持つ可能性を広げていくことです。従来とはまったく違った手段で食品を開発できたり、新たな調理法を発見できたりと、これまでの概念を覆すサービスが次々に生まれています。

昨今、クラウドやAI技術の発展により「テック」と付くキーワードが増えています。例えば、金融関連のサービスで使われる「フィンテック」、法律の分野で使われる「リーガルテック」、教育現場で使われる「エドテック」など、テクノロジーと各分野の融合「X-Tech」が起きており、フードテックもその一つです。

世界共通の課題を技術で解決する

食は、世界中すべての人々が関わるテーマであり、食のテクノロジーを発展させていくことは世界共通の課題を解決することにつながります。飢餓、貧困、フードロス、農業人材不足など、深刻な課題が山積みであり、今後人口が増大するにつれ、問題のインパクトも大きくなるでしょう。

調査によると、世界で農業生産から消費に至る過程で、既に食料の約1/3が処分されており、その量は年間約13億トンにも上ります。また、日本国内の食品ロスは、年間612万トンに達しています。

将来、安定した食糧の供給や地球環境を守るためにも、フードテックは重要な役割を担っています。

<参照>食品ロスの現状を知る:農林水産省

SDGsの目標達成にも貢献

国連のSDGs(持続可能な開発目標)では、2030年までに世界全体における一人あたりの食料廃棄を半減させること、そして収穫後損失などの食品ロスを減少させることを目標として掲げています。

これを受け、日本政府も「SDGsアクションプラン2018」を制定し、家庭に対する食品ロス削減に向けた啓発やフードバンク活動の推進、サプライチェーンの商慣習の改善などを進めています。

フードテックは、このような背景からも必要不可欠な分野です。

フードテックに期待される役割

大きな役割を担うフードテックですが、具体的に5つの指針があります。

世界的な人口増加による食糧不足の解決

日本では少子化が叫ばれていますが、世界的な人口増加により、将来の食糧不足が不安視されています。

世界の人口は現在の約75億5000万人から2030年には85億人に、2055年には100億人にまで増加すると予測されています。

また、供給側の問題も顕著で、温暖化による気候変動がもたらす栽培適地の不足や、干ばつや豪雨などの自然災害による収穫量減少が、食料不足に拍車をかける見込みです。

これらの解決策として、無人農場や新しい食物生産方法、新素材の食品といったフードテックが登場しました。

フードロスと飢餓を無くす

飢餓に苦しむ人は全世界で8億人以上、人口の9人に1人という割合で存在する一方、3人に1人は栄養過剰で太り気味という調査結果も出ています。

また、先進国では多くの食料が廃棄されている現実があり、このようなアンバランスを無くし、必要な場所へ必要な量を供給するため、食料の新たな保存方法を目指したフードテックも進められています。

<参照>国際連合食糧農業機関(FAO)「2019年世界食料・栄養白書 [2019 THE STATE OF FOOD SECURITY AND NUTRITION IN THE WORLD.」概要 | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

素材を限定したヘルシーフードの開発

健康志向、動物愛護、宗教上の制限などさまざまな背景により、肉類を避ける菜食主義者が増えており、肉や魚の替わりにたんぱく質を補充できる代替ミートの開発に期待が高まっています。

安全な品質を維持

傷んだり悪くなってしまった食品を誤って食べ、食中毒などを引き起こすリスクを減らしたり、傷みにくい食材を作り出すこともフードテック領域の一つです。

長期保存できるパッケージの開発や、食品の傷みを減らしたり異物の混入を防ぐ仕組みなど、安全な品質を維持する技術が求められています。

省人化・無人化でリソース不足解決

食品の生産者不足が問題視されています。日本国内においては、農業や漁業などの第一次産業に従事する人口が減少し、食品製造業や外食産業についても労働者不足が深刻です。

人手の替わりにIoT技術やロボットを導入し、生産効率を高めることが急務となっています。

異業種との連携・ベンチャー支援など新規参入が加速中

新たな食の価値や可能性を広げるために、自社の技術を他社へ共有し、コラボレーションによる新サービスが生まれたり、フードテック事業に対し資金支援をする企業が増えたりと、企業間の連携が活発化しています。どんな化学反応が起きるのか、イノベーションに注目が集まっています。

家電メーカーや住宅設備メーカーなど異業種と連携する動き

フードテック市場へ参入する企業は幅広く、食品飲料メーカー、家電メーカー、流通小売、住宅・キッチンメーカーなど多岐に渡ります。

また提供する形を軸に見ると、ハードウエアやサービス、卸や小売り、外食などがあり、消費者の「メニュー選択、購入、料理、食べる」といった行動と掛け合わせれば、多様なビジネスチャンスが存在します。

食品領域に特化したファンドで事業支援

スタートアップやベンチャー企業のビジネス創出の観点からも期待されています。

フードテック分野に特化した投資や提携を計るファンドを立ち上げる企業もあり、資金面や企業規模問わず参入可能なためフードテックはますます活気づくでしょう。

生産・流通・調理など…幅広い分野で進化をもたらす注目事例5つ

農業生産者に寄与するサービスから、家庭で役立つサービスまで、技術を駆使した事例を紹介します。

事例1. 「ゼロアグリ」AIが土壌を整備。灌水施肥の作業時間を9割減(ルートレック・ネットワークス)

これまで勘や経験で判断していた土壌環境をセンサーで数値化し、AIにより作物の生長に合わせた最適な水と肥料の量で土環境を整えるスマート農業を実現しています。

灌水施肥の作業時間が90%削減され、かつ水と肥料の使用量も半分で済むため、収穫量を増やせるのがメリットです。

また人に依存していた農業ノウハウの蓄積や継承も可能になり、農業人材育成にも役立ちます。

<参照>AIで水+肥料を制御する「ゼロアグリ」は農家に休日をもたらしたのか? ──株式会社ルートレック・ネットワークス | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」

事例2. 「大豆ミート」レトルト・乾燥・冷凍タイプで展開(マルコメ)

脂質や糖質、カロリーや栄養バランスなどに配慮し、肉や小麦粉を使わず、大豆の肉や大豆粉を商品化しています。

調理しやすく、ミンチ・フィレ・ブロックの形状から選べ、レトルト・乾燥・冷凍の3タイプで展開するなど、毎日の食卓に取り入れやすいラインナップです。

スーパーやオンラインショップでも購入でき、商品を活かしたおすすめのレシピも公開しています。

<参照>ダイズラボシリーズ|商品情報|マルコメ

事例3. 食事の立体プリントで調理場要らず「3Dフードプリンター」(Natural Machines)

ジャガイモや米、穀物、果物、野菜などを混ぜたペーストを専用のカプセルに入れプリンターにセットすると、実際に食べられる食事が成形、出力されます。

好みに合わせて風味や甘さ、色を調整でき、自分ならではの仕上がりが楽しめます。

パスタ、ハンバーガー、チキンナゲット、キッシュ、ピザ、クッキー、クラッカー、ブラウニー、チョコレートなどメニューも豊富で、キッチンに立つよりも効率的に調理できます。

<参照>Natural Machines Natural Machines

事例4. 高級フルーツを特殊冷凍でフードロス回避「HenoHeno」(デイブレイク)

傷や色、サイズなどが理由で規格外となっていたフルーツを特殊冷凍して販売し、フードロスの削減につながっています。

オフィス向けに福利厚生メニューとしても提供しており、職場でのコミュニケーション活性化やリフレッシュによる生産性向上などの効果も期待されます。

100%国産かつ無添加の素材で、加工は凍結のみというこだわりから、フルーツ本来の風味が残る逸品です。

<参照>HenoHenoオンラインストア | カラダにも環境にもうれしい、新食感フローズンフルーツ

事例5. スマートタグで消費期限をお知らせ「Ovie」(Wide Afternoon, LLC)

食材と関連付けたIoTタグを、食品用の専用容器に付けて冷蔵庫で保存すると、LEDタグの色で消費期限が近づいていることを知らせる商品です。

色は緑から黄、赤へと日を追うごとに変化して注意喚起するため、食材を腐らせることなく利用できます。

また、アプリと同期することで、冷蔵庫にある食材の一覧表や、保存食材を活かしたレシピもチェックでき、買い物時に便利です。

<参照>Ovie

テクノロジーの活用で日本の食文化に新風を

フードテックは欧米が先行して始まりましたが、世界に誇る日本の食文化とかけ合わせれば、大きなビジネスチャンスになり得ます。

日本の社会では比較的ロボティクス技術も受け入れられやすく、フードテックの今後の動向が期待されています。日本の食文化に、課題解決する技術を吹き込むことで新たな価値を見出す時代が来ています。

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