ChatGPTは人工知能を使って自然な対話ができる「チャットボットサービス」であり、革新的な技術として注目を集めています。
しかし、デジタルマーケティングを支援する「ナイルのマーケティング相談室」が実施した「ChatGPTに関する調査」によると、ChatGPTを利用したことがある人の約8割が「ChatGPTの回答に対して検索エンジンで調べ直した」と回答しています。
ChatGPTと検索エンジンにおける検索目的には、それぞれ異なる傾向が見られるようです。
では、ChatGPTはどのように使いこなせば良いのでしょうか。アンケート結果をもとに深掘りしていきます。
ChatGPTと検索エンジンにおける検索行動のアンケート調査
ナイルの相談室が全国の男女2,204名を対象に、「ChatGPTと検索エンジン使用時の検索行動に関するアンケート調査」を実施しました。それぞれ詳しく紹介します。
【質問1】何か調べたいときに、利用したことがあるものをすべて選んでください(複数回答可)
全国の男女2,204人に「何か調べることを目的として利用した経験があるもの」について聞いたところ、「ChatGPT」と回答した人の割合は「16.6%(366人)」でした。
検索エンジンやSNSに次いで3位にランクインしていますが(「特にない」と回答した人を除く)、大きな話題を呼んでいる一方で、そこまで多くの人がChatGPTを利用したことがあるわけではないようです。
【質問2】ChatGPTの回答に対して正否を確かめるために検索エンジンを使用したことがありますか(複数回答可)
検索時にChatGPTを利用した経験がある人のうち、ChatGPTで得た回答の正否を確かめるために、改めて検索エンジンで調べ直すと回答した人の割合は全体の79.7%と約8割を占めています。
ChatGPTはまだ発展途上のサービスであり、多くの人が信ぴょう性に欠けることを懸念していることが伺えます。
【質問3】ChatGPT・検索エンジンそれぞれを使って調べたことがあるものを教えてください(複数回答可)
ChatGPTと検索エンジンにおけるそれぞれの検索目的を聞いたところ、どちらも1位は「趣味に関すること」で、次いで「仕事、勉強の情報収集」でした。
一方、ChatGPTにおける検索目的3位は「プログラミング言語」で、次いで「歴史」「悩み」が続いています。検索エンジンにおいては3位が「ニュース」、次いで「知らない言葉、人物」「料理のレシピ」という結果になりました。
また直近でChatGPTを利用して入力したことを覚えている人に実際に入力した言葉を聞いたところ、以下の回答が得られています。
- 業務効率を上げる方法を教えて
- 検索歴の高い、データ量の多い論文上位3つを教えてください。
- (HTMLで書かれたコードを入力)~もっと見栄えのいいホームページを作って
- 春なのに肌寒い陽気だけどそんな日にぴったりな夜ご飯のメニューを教えて
ChatGPTを利用する人は情報収集としてはもちろん、作業効率を目的のひとつとして利用している人が多いのかもしれません。今後、より精度が増すことで手放せないパートナーになる日もそう遠くはないはずです。
ChatGPTに「口コミの活用方法を教えてください」と質問してみた
では、ChatGPTを上手く活用するには、どういった工夫が必要なのでしょうか。
ChatGPTに「口コミの活用方法を教えてください」と聞いたところ、以下の回答が得られました。
ChatGPTは口コミの活用方法について、商品やサービスの改善に活かしたり、SNSでシェアしたりすることなどを例としてあげています。
この中では「リファラルプログラム」の部分が曖昧だったので、Googleで検索して調べてみました。インターネット上でも「社員紹介による採用制度」としての用法が一般的のようなので、少々不自然にも思えます。ですが、トライツコンサルティング株式会社のブログに「既存顧客にサービスを紹介してもらい、最終的に受注につながった場合に紹介元の顧客に報酬を支払う」という趣旨の、営業・マーケティングにおける紹介制度として載っていました。そのため必ずしも誤った内容というわけではなさそうですが、少なくとも再度検索し、理解することが必要になる事例でした。
それ以外の点は、誤った内容はなさそうですが、少し具体性に欠ける部分もあるかもしれません。
そこで次に、質問の具体性を増して「ホテルや飲食店、観光施設などの店舗を営む企業において、口コミの活用方法を教えてください」と聞いたところ、回答内容は以下のように変化しました。
回答がより具体的なものに変化しました。口コミの活用方法として「GoogleレビューやTripAdvisorなどの口コミサイト活用」「飲食店や観光施設における写真や動画をSNS発信」などをあげています。質問時に「ホテルや飲食店、観光施設」と記載することで、その店舗を運営する企業に寄り添った回答が得られました。細かいところでいうと、「すべてのレビューに対して返信」とあるが、本当にその必要があるのか?などツッコミどころがなくはないのですが、ヒントとして活用できるでしょう。
このように、ChatGPTは質問の仕方を工夫することで求める回答に近づく場合があります。
また、もう一つ重要なのは、本記事で書いたように「リファラルプログラムってなんだろう?」と再検索したり、「本当にすべてのレビューに対して返信する必要があるのか?」と自問してみたりと、ChatGPTが出した回答に対してツッコミを入れられるかどうかということです。すべてを鵜呑みにすると誤った方針になってしまうことも大いにあるので、ある程度情報を取捨選択できるリテラシーや、自分で判断する力が必要になります。
ChatGPTの特性を理解しつつ、さまざまな角度から質問を投げかけたり、別の検索エンジンで再検索してみたりすることで、より最適な使い方を見つけてみてください。
調査概要
調査期間:2023年5月1日~2023年5月8日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の20代~40代男女2204人
年齢:20~29歳35.1%、30~39歳40%、40~49歳25%
職業:公務員4.3%、会社員56.3%、自営業2.9%、自由業2%、専業主婦(主夫)10.5%、パートアルバイト・パート17%、学生6.1%
<参照>
PR TIMES:ChatGPTと検索エンジンのユーザー検索行動に関するアンケート調査|2023年5月実施
ナイルのマーケティング相談室:ChatGPTと検索エンジンのユーザー検索行動に関するアンケート調査
ChatGPT:Chat OpenAI
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