オンラインショッピング時、携帯電話の料金と合算して商品の代金を支払える「キャリア決済」があります。このキャリア決済は、通常実店舗ではなく、Web上で購入が完了するECサイトなどが対象となっている決済手段です。
この記事では、キャリア決済の概要や大手三社の比較、キャリア決済を事業者が導入するメリットやデメリット、キャリア決済の導入方法について解説します。
キャリア決済とは?
通信キャリアは携帯電話やインターネット回線などのサービスを提供しています。
キャリア決済とは、こうした通信キャリアと契約している利用者が、通信料金と一緒にオンラインショッピングなどの代金を支払うことができる決済サービスです。
キャリア決済の仕組み
キャリア決済は、ユーザーがECサイトやアプリストア、その他コンテンツを購入するようなサブスクリプションサービスなどで利用されています。
Webサイト上で商品やサービスを購入する際に、キャリア決済を支払い方法に選択し、購入が確定した時点で決済情報がそれぞれの通信キャリアに送信されます。
その後、通信キャリアが商品やサービスの代金の債権を譲り受け、キャリアが提供している通信サービスの費用と合わせて利用者に請求します。
決済代行会社が各キャリアの譲渡債権相当額から手数料を差し引き、商品やサービスの提供者へ入金される仕組みになっています。
キャリア決済3社比較
日本における三大通信キャリアは、NTTドコモ、au、ソフトバンクです。
まず、NTTドコモが提供するドコモ払いでは、iモードもしくはspモードのユーザーであれば、申込手続きもなくすぐに利用できます。利用限度額は、最大10万円に定められていますが、未成年は1万円に制限されます。
またauが提供するauかんたん決済では、auの通信サービスを契約中のユーザーは既存のau IDですぐに利用ができます。利用限度額は最大10万円で、未成年の上限額は2万円です。
最後にソフトバンクが提供するソフトバンクまとめて支払いでは、My SoftBankから利用可能額、利用履歴確認、設定変更ができることが特徴です。利用限度額は、auと同じく、最大10万円、未成年者は最大2万円となっています。
キャリア決済のメリットデメリット
キャリア決済は、ユーザーだけでなく事業者にも便利な決済方法です。
キャリア決済の導入にあたっては、メリットだけでなくデメリットもあるため、事業者はあらかじめ両面を理解しておく必要があります。
ここではキャリア決済のメリットとデメリットを解説します。
メリット1. 利用者がスムーズに決済できる
キャリア決済は、手間がかからないため、ユーザーが利用しやすい決済手段だといえます。
キャリア決済は、カード番号や有効期限など、複数の情報の入力が必要となるクレジットカードとは異なり、煩雑な入力は必要ありません。
IDと4桁の暗証番号のみで支払いが完了するため、ユーザーはスピーディーに決済ができます。
メリット2. 販売の促進
キャリア決済は、商品代金を通信料金と合わせて支払う仕組みになっているため、現金の持ち合わせがなくても支払いができます。そのため、現金を普段持ち歩かないユーザーや、衝動買いするユーザーのニーズに対応できます。
また、キャリア決済は未成年者やクレジットカードを持っていないユーザーも取り込めるため、多くの人に利用してもらえます。
メリット3. 代金未回収のリスク軽減
キャリア決済における商品やサービスの代金は、キャリアに債権が譲渡され、ユーザーは通信料金とまとめて請求されます。そのため、基本的に事業者が未回収の危険性を負うことはありません。
万が一、未回収代金が発生しても、債権は各通信キャリアが持つため、事業者がユーザーに対する請求処理を行う必要はありません。代金を回収できない危険性については、心配がない決済手段だといえます。
デメリット1. 決済手数料が高い
キャリア決済のデメリットとしては、クレジットカードと比較すると事業者にかかる決済手数料が高めであることです。
もし事業者がキャリア決済の導入を検討する際には、取り扱っている商品やサービスの料金層なども考慮し、決済手数料の支払いが苦にならないかをあらかじめ考えておく必要があります。
デメリット2. 利用限度額が低い
もうひとつのキャリア決済のデメリットは、クレジットカードと比較すると、利用限度額が低いことです。大手三大キャリアのキャリア決済は、社会人の場合であっても最大10万円までしか利用できません。
キャリア決済は高額商品には不向きですが、少額の商品やサービスを提供している場合には向いているといえます。
キャリア決済の導入方法
キャリア決済には、ユーザーが時間をかけずに決済ができる、代金未回収のリスクを低減できるなどのメリットがあります。商品やサービスを提供している事業者がキャリア決済を導入する場合には、通信キャリアと契約を結びます。
以下では、事業者がキャリア決済を導入する方法について、2つ紹介します。
1. 直接契約する
ひとつめは、事業者が自ら申請し、個別に審査を受け、通信キャリアと直接契約を締結する方法です。
ユーザーの利用している通信キャリアは様々であるため、事業者は複数の通信キャリアと敬意役を結ぶ場合が多くなります。そのため、運用にあたってはコストや手間がかかります。
2. 決済代行会社を経由する
もうひとつの方法は、決済代行会社を通じて通信キャリアと契約を結ぶことです。
決済代行会社は、EC事業者と通信キャリアとの間に立ち、契約締結を代行します。
決済サービスを利用する事業者は、決済代行会社を経由してキャリア決済の加盟店契約を締結します。ひとつの決済代行業者とやりとりするだけで済むため、直接契約に比べると契約にかかる手間を省けます。
顧客層を広げる可能性もあるキャリア決済
キャリア決済には、スムーズに決済ができる利点があるため、ユーザーの決済における利便性向上が図れます。
ただしキャリア決済には、決済手数料がかかることはもちろんのこと、支払いの上限といった面でその他のキャッシュレス決済に比べ不自由な面もあります。契約の締結にも工数がかかるため、直接契約なのか決済代行業者経由なのかも決める必要があります。
これらの状況を踏まえてなお優位性があるのは、クレジットカードを持っていない人や未成年にもアプローチできる点です。新たな顧客層を開拓したい場合には、キャリア決済の導入と、その決済手段が使えることをPRしていくとよいでしょう。
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