インターブランドジャパンは、「Best Japan Brands 2021 Rankings」と題し、日本企業のブランド価値ランキングの2021年版を発表しました。
トヨタ、ホンダ、SONYなど大企業のブランドが名を連ねる中、コロナ禍で業績を伸ばしたニトリ、ワークマンが急浮上しています。
本記事では、日本企業のブランド価値ランキングについて紹介するとともに、ニトリ、ワークマンが急浮上した理由について解説します。
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企業ブランド価値ランキング発表:ニトリ、ワークマンが急浮上
インターブランドジャパンが発表した「Best Japan Brands 2021 Rankings」は、企業ブランドの価値について財務、ブランドの役割(利益のうちブランドの貢献度)、ブランドの強度(ブランドの将来的な確実性)の3つの軸から分析し、まとめられたものです。
ランキングの上位10位までは、以下のようになっています。
- トヨタ
- ホンダ
- SONY
- 日産
- Canon
- ユニクロ
- NTTドコモ
- ニンテンドー
- パナソニック
- MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)
また、公式サイトでは100社が表にまとめられています。
<参照>
- Interbrand:Best Japan Brands 2021 Rankings
この中では、家具大手のニトリが69位、作業服専門店のワークマンが78位にランクインしています。
ニトリとワークマンは、コロナ禍の2020年に業績を伸ばしたことでも話題となりました。両社の強みはどこにあるのでしょうか。
ニトリが躍進した理由は?
ニトリの業績は、コロナ禍でも好調に推移しています。
2020年4月には、緊急事態宣言の発令を受けて国内店舗の5分の1にあたる110店舗を臨時休業したにもかかわらず、第1四半期(3〜5月)の売上が前年比プラスとなったことで話題となりました。
ニトリは過去33期連続で増収増益を達成しており、コロナ禍を経験した2020年度においてもその記録は継続される見込みです。
その背景としては、以下の3つが挙げられるでしょう。
- 「巣ごもり需要」により、家具の売上が好調となったこと
- ECでの購入を店舗でも積極的に呼びかけたこと
- 製造から小売までを自社で管理することで、圧倒的な低価格を実現していること
ニトリの好調の理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
ワークマンが躍進した理由は?
ワークマンも、コロナ禍で好調な売上を記録しています。2020年4~9月の既存店の売上高は、前年同期比18.6%増、客数18.5%増でした。また、ワークマンのほかホームセンター・カインズなどを擁するベイシアグループは、2020年10月をもって2020年の総売上1兆円を達成したことを発表しています。
元々作業服を専門とするワークマンですが、2015年頃から新規顧客を開拓するブランディングの取り組みを始めており、2018年にスポーツ・アウトドアブランド「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」を展開。さらに2020年10月には、SNS上での流行を受けて若い女性客向けの店舗「#ワークマン女子」をオープンしています。
作業服以外のニーズも取り入れるべくブランディングを行った結果、今回インターブランドジャパンの調査でブランド価値の向上を認められることになったのです。
ワークマンの好調の理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
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コロナ禍の需要を掴んだニトリ・ブランディングに成功したワークマン
新型コロナウイルスの流行に負けず売上を伸ばしていることは両社とも同様ですが、ブランド価値の向上の背景は少し異なるようです。
ニトリはコロナ禍で家具・家電の需要が増大したため、その需要を取り込む戦略で成功しました。一方ワークマンのブランド価値向上は、数年前から実行していたブランディングの取り組みが実を結んだものだといえます。
両社に共通しているのは今後の出店戦略です。ニトリは2020年末、今後出店を加速させると発表し、ワークマンも2040年までに現在の2倍強の2000店に増やすとしています。
今回企業ブランド価値ランキングで急浮上したニトリ・ワークマンは、今後も拡大を続けていくでしょう。
<参考>
日本経済新聞:日本企業ブランド価値、ワークマン・ニトリが躍進
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