建築設計事務所の集客は、経営サイクルが長いことや核家族化、戸建てからマンションへと建築需要の変化によって難しくなっています。
建築設計事務所の集客にはどんな方法があるのか、ツールは何を使えば良いのかなど、迷う事業者は多いのではないでしょうか。
この記事では、建築業界の現状と将来性、インターネットでの集客方法とポイントを解説します。
建築設計事務所の現状
集客対策を組むうえでマーケットの分析は必要不可欠です。市場の現状と将来性、課題を把握することで、より効果的な集客につながるでしょう。以下では、建築設計事務所を取り巻く市場環境、需要と供給について解説します。
建築業界の現状
日本建設業連合会の発表によれば、2020年1月の国内建設受注額(96社対象)は、前年同月比で19.9%増加しました。また、2019年4月から2020年1月にかけての総額は、前年同期比で6.9%増加しています。
近年では、東京オリンピックを見据えた都市部の再開発事業やホテル建設などの建築需要が高まっており、受注額も好調に推移しています。一方、東日本大震災後の復興工事が落ち着いた東北地方では業績が伸び悩んでいます。
将来の建築需要
核家族化や少子化の進行に伴い、住宅の建築需要は戸建てからマンションへとシフトしています。また、高齢化により、生活に便利な商業施設一体型のマンションや駅直結型マンションの需要はさらに高まると予想されています。
この流れが続くようであれば、一般住宅を手がける設計事務所は経営が難しくなり、大規模建築を設計できるゼネコンは業績を伸ばし続けるでしょう。
2020年の東京オリンピックに向けた施設建築やインフラ整備など、建築需要は高まりを見せており、今後はオリンピック閉会後の業界の動向に注目していく必要があります。
建築業界今後の課題
現在、建築需要は好調に推移していますが、少子高齢化による人口減少が進むにつれて縮小すると予測されています。また、人手不足も深刻な問題です。
総務省が発表したデータによれば、建設業の就業者数は横ばいとなっていますが、現場で働く「技能労働者」の高齢化が進んでおり、若手人材の確保が課題とされています。
2017年時点で約330万人の技能労働者がいると試算されていますが、労働者数は頭打ちで減少に向かう可能性が高いようです。そのため、機械化や作業の効率化、高技能者に対する待遇改善など、人材不足を補うための対策が求められています。
建築設計事務所がネットで集客する方法
戸建て需要の減少が進めば、設計事務所は苦戦を強いられるでしょう。競争が激化する中で、集客対策の重要性はさらに増します。
以下では、インターネットを活用した集客方法を解説します。
ホームページのクオリティを上げる
ホームページは、インターネットを活用した集客対策の基本です。まずは、訪問者に与える印象を意識することが重要です。
ポイントとなるのは、内容のわかりやすさ、レイアウトの見やすさ、写真のきれいさです。サイトのクオリティを左右するだけではなく、顧客の印象も左右されます。少しでも良い印象を与えられるよう改善を図ることが必要です。
技術的に難しい場合には、ホームページの作成をウェブデザイナーに依頼したり、写真の撮影をカメラマンに依頼したりすることも手段の一つです。
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ブログの活用
ブログは、訪問者に対して建築事務所の指針や理念を示すうえで重要です。ブログを通して、どんな人物が、どんな建築物を設計しているのかを伝えられます。
また、訪問者にリピートしてもらうためには、更新頻度を上げる必要があります。日々ブログを更新して新たな情報を発信すれば、ブログを見た見込み客により多くの情報を与えられます。
事務所のコンセプトに合うニーズを持った訪問者が増えるため、受注につながりやすくなるだけでなく、ブログをきっかけに信頼の構築にもつながるでしょう。
比較情報サイトに登録する
インターネット上で建築事務所を探す顧客は、さまざまな業者を比較できるプラットフォームを利用しています。
代表的なものは、設計住宅やインテリアを専門とするコミュニティサイトの「Houzz(ハウズ)」や、顧客と建築家を結ぶマッチングサイトの「SuMiKa」などです。
これらのプラットフォームに登録すれば、ニーズを持った見込み客にアプローチしやすくなります。他の業者と差別化できるサービスや特長がある場合には、特に効果的な手法となるでしょう。
建築設計事務所の集客における注意点
3つの集客方法を紹介しましたが、ただ取り組むだけでは結果にはつながりにくいでしょう。見込み客にアピールすべきポイントや、効率よく集客する方法を意識する必要があります。
以下では、集客対策に取り組むうえでの注意点を解説します。
「信頼感」をPR
設計事務所は、顧客が生涯を共にする「家」を作るため、日常的な買い物とは性質が異なります。受注するまでに顧客との信頼関係が必要不可欠です。
家づくりに対する想いや、顧客のニーズを汲み取る姿勢など、「信頼感」をアピールすることが大切です。顧客目線でどのような設計事務所に依頼したいかを考えてみるのも良いでしょう。
また、建築への熱意を示すには事務所のポリシーやコンセプトを掲載することも効果的です。設計士の情熱が伝わらなければ、顧客の共感を得られず、受注や問い合わせにはつながりにくいでしょう。
検索が上位に表示されるようにする
魅力的なホームページを制作しても、それを見てもらえなければ集客効果を発揮できません。
自社ページをGoogleの検索結果画面で上位に表示されやすくするSEO対策や、Googleマップで上位に表示させるMEO対策など、インターネット上で露出を増やすための対策も必要です。
これらは情報を集めて自ら取り組むこともできますが、ノウハウを持つ専門業者に依頼すれば、より効率的に検索結果の順位を上げられます。外部に委託する場合にはコストがかかってしまうため、複数社を比較して選ぶと良いでしょう。
ローカルSEO(MEO)とは
ローカルSEO(MEO)とは、特定の地域・位置情報を考慮したGoogle検索において、検索順位を上げるマーケティング手法です。この記事ではローカルSEOの概要や、ローカルSEO対策の具体的な方法、ローカルSEO対策を行う際の注意点について解説します。関連記事:基礎から学ぶ「Google マイビジネス」まずは店舗を登録して集客につなげようGoogleマップとは?Googleマイビジネスとは?マップとの違いなぜ今Googleマイビジネスが重要なのか。5つの理由Googleマイビジネスの登録手順...
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ブログでの注意点
ブログで過去の設計事例を紹介する際には、完成した家だけではなく、竣工までの過程も掲載すべきです。プロセスとゴールを提示することで顧客は具体的なイメージを持てます。
一生ものの買い物である「家」の建築を依頼するにあたり、情報量が少なければ不安を増長してしまいます。顧客の不安を解消し、信頼を獲得することが受注への近道です。
また、多くの事例を掲載することもポイントです。地形や間取り、特徴など、さまざまな条件の物件を載せてどのようなニーズに対応できるかを示しましょう。
ネットでの効果的な宣伝により建築設計事務所への集客が見込める
建築業界は成長傾向にあるものの、家族の形の変化により戸建て住宅よりもマンションの需要が高まっています。また少子高齢化による人口減少が進むにつれて市場は縮小すると予測され、さらに人手不足も深刻な問題となっています。
このような状況で、競合他社よりも選ばれる建築設計事務所になるためには、インターネットをうまく活用することが大切です。
- ホームページのクオリティアップ
- ブログ活用
- 比較サイトへの登録
などを行い、顧客へアプローチします。それぞれの注意点を意識して効率的に集客できるよう、工夫すると良いでしょう。
また建築設計などは高額で長期間に渡って顧客と伴走します。そのため顧客は慎重になり、競合他社と比較した上でどの建築設計事務所に依頼するかを選択します。
そのため集客する際は「信頼感」をアピールすることに注意し、顧客が安心して依頼をできるように心がけると良いでしょう。
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