こども写真館のスタジオアリスは、コロナ禍にもかかわらず2021年2月期に24億円の純利益を上げ、前期比の2倍を達成しました。さらに3~5月期の連結最終損益では5億円の黒字を計上しています。
前年同期は18億円の赤字だったことを考えると、大幅回復していることがわかります。
本稿では、スタジオアリスの好調な業績の理由について、振り袖や七五三需要、CMや店舗削減、料金システムに焦点を当て解説します。
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スタジオアリスの業績が好調
スタジオアリスの2021年2月期の連結決算は、純利益は前期比倍増の24億円となりました。コロナの影響による特別損失を10億円計上するなどの苦境にあったことがうかがえる中でも行事を控える中での記念撮影需要をつかんだことなどが純利益の倍増につながりました。
その後2021年3~5月期の売上高は前年比で2倍になり、コロナ前の19年と同じ水準にまで回復しています。
コストカットを実施しながら振り袖や七五三需要の拡大、お得感のある料金システムがスタジオアリスの好調を支えました。
<参照>
スタジオアリスの21年2月期、純利益2倍 七五三好調で: 日本経済新聞
スタジオアリス、年初来高値 業績回復を好感: 日本経済新聞
振り袖や七五三需要の増加
スタジオアリスでは、2020年1月に販売した成人式の振り袖レンタルと撮影がセットになった都市部限定商品プランがヒットし、翌年1月より全店舗で提供され始めました。
さらに20年秋に「マスクなしで記念写真を残したい」「外出を控えているので神社にお参りに行けない」という保護者の思いから、七五三撮影の需要が増加したといいます。これにより年間売り上げの約4分の1を占めました。
一方で、感染防止のため乳幼児の撮影は控える人が多く見られました。今後は、売上構造を見直して需要増加が期待できる赤ちゃん向け撮影プランを強化する予定です。
お得感のある料金システムとオプション追加で客単価上昇
コロナ禍で撮影依頼件数は減ったものの、オプション追加で単価アップが望める料金体系を設定し、客単価が上昇しました。
スタジオアリスの撮影料金は税込3,300円で一見すると低価格ですが、そこに「商品」としてアルバム本体、アルバム用プリント、デザインフォトといったオプションアイテムを追加すると、最終的に税込4万円くらいになります。
「遠方に住むおじいちゃんやおばあちゃんにフォトアルバムを作って送りたい」「七五三でアニメのキャラクターの衣裳も着たい」といった希望を叶えていくと、オプションが増えあっという間に代金がかさむシステムです。
その結果、スタジオアリスの平均客単価が約3万円と高価格となっています。また、低価格帯の商品を廃止したのも客単価上昇に貢献しました。
テレビCMの削減や店舗の統廃合で経営の合理化
スタジオアリスが好調の理由は、客単価の上昇だけではありません。コストカットで経営を合理化した点も理由として挙げられます。
まず、コロナ禍では制作費がかさむテレビCMなどの広告宣伝費を削減しました。さらに、全国に展開する店舗の移転や、統廃合も進めています。
ウィズコロナ時代のニーズを読むことが重要
ウィズコロナ時代では、節目ごとに写真撮影をして思い出を作る「コト消費」が高まると考えられます。感染症対策が取られたスタジオでの写真撮影は、親戚や仲間で集まって行事をお祝いしたり遠出したりするよりも、安全が確保されているからです。
今後は写真館だけでなく、いかに安全に思い出作りができるか、という時代に合わせた消費者のニーズに応えられる商品やサービスの売上が拡大していくと考えられます。
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