ドラックストア大手のマツモトキヨシホールディングスとココカラファインは、2021年2月、同年10月に経営統合することで合意しました。
10月1日に誕生する新会社マツキヨココカラ&カンパニーは売上高約1兆円、総店舗数3,000店と日本最大手のドラックストアになります。
ここではマツキヨとココカラファインが経営統合に至った経緯や新会社のこれからの動向について解説します。
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日本最大のドラックストアへ、マツキヨココカラ&カンパニー
業界6位のマツモトキヨシHDと7位のココカラファインは、10月1日合併し、新会社マツキヨココカラ&カンパニーが誕生します。
2020年度のマツモトキヨシHDの売上高は約6,000億円、ココカラファインは約4,000億円で、両社を合わせると約1兆円規模となります。
これは業界最大手のウエルシアHDの売上高約9500億円とほぼ同じです。
店舗数はウエルシアを上回る約3,000店舗となり、日本最大級のドラックストアグループが誕生します。
経営統合の理由はコロナ禍での売上減少
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、マスクや消毒液、うがい薬などを扱うドラックストアは軒並み売り上げを伸ばしました。
ドラックストア業界の13社中9社が最高業績を記録する一方、マツキヨとココカラファイン売上、利益をともに減らしました。
その理由としては、両社は主に都市部に出店しているため、リモートワークが広がり、顧客が減少したことが挙げられます。
さらに都市部に出店しており、インバウンドの恩恵も受けていたため、コロナ禍で打撃を受けました。
新会社の展望 売上高1兆5,000億円・営業利益1,000億円が目標
新会社マツキヨココカラ&カンパニーは、2026年3月期までに売上高1兆5000億円、営業利益率7%とすることを営業目標に掲げています。
2020年度のマツキヨの営業利益は約350億円、ココカラファインは約130億円で、2社合計でも約480億円です。今後5年間で営業利益を2倍にする計画です。
ココカラファインは、比較的高値で仕入れを行っていたため、利益率が低い状況でした。
しかしマツキヨと統合したことで、マツキヨと同価格で仕入れが可能となり、採算性が高まることが可能となります。
また両社ともプライベートブランドを強みとしており、店舗数が増加することで消費者のブランド認知が高まり、プライベートブランドの売上増加が見込めます。
さらにコロナウイルス感染が収まれば、インバウンド需要が回復し、売上高や営業利益が増加するとの期待もあります。
新会社の課題は?都市型ドラックストアの弱み
上記の通り、仕入れの弱さやプライベートブランドの強さなどを相互に補完できる一方で、課題もあります。
両社ともに主な出店地域が都市部であり、コンビニなどと顧客を奪い合っているのが現状です。
業界最大手のウエルシアHDなどは郊外に多く出店しています。郊外に出店すれば、食料品などの売上を期待できるため、1店舗あたりの売上高が高くなる傾向にあります。
一方、都市部ではコンビニなどとの競合があり、食料品などの売上を郊外ほど期待できず、店舗あたりの売上高が低くなります。
両社ともに都市部での展開が主なため、こういった弱みを補完できないところに課題があります。
しかし今回の経営統合が成功すれば、他の企業とも統合も考えられるため、売上高や営業利益といった目標を達成できる可能性が高まります。
ドラックストア業界のこれから
ドラッグストア業界は、最大手のウエルシアをはじめ、富士薬品やスギホールディングス、サンドラッグなど多くの企業がシェアを分け合っています。
コンビニ業界などと異なり、経営統合が進んでおらず、マツモトキヨシとココカラファインが経営統合したことでさらなるM&Aが進む可能性があります。
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<参照>
ココカラファイン|財務ハイライト
【マツモトキヨシホールディングス】[3088]決算発表や業務・財務情報 | 日経電子版
【ココカラファイン】[3098]決算発表や業務・財務情報 | 日経電子版
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