美術館がやるべき集客方法は?人気美術館のSNS運用事例も紹介

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入場者数が多い美術館とそうでない美術館の違いがどこにあるのだろうと悩む美術館関係者は多くいるでしょう。

「美術館」と「SNS」と聞いても、写真撮影が禁止されているという従来のイメージから、両者は関係ないものと考えてしまいがちです。

しかし現代では、美術館であっても積極的にSNSを活用し、集客につなげている事例があるのです。

そこで今回は、美術館の集客方法とSNSを活用することで集客に大成功した事例について解説します

2019年の美術館集客ランキング

実際に集客に成功している美術館の取り組みを知れば、どのようなことが重要なのかが見えてくるでしょう。ここでは、2019年の美術館集客ランキングを紹介します(※対象展覧会は2019年1月1日〜12月8日の期間に開催されたもので、2018年から会期がまたいでいるものも含みます)。

1位「フェルメール展」

2018年10月5日から2019年2月3日に上野の森美術館で開催された「フェルメール展」は、総動員数68万3,485人を記録しています。

フェルメールは世界中で絶大な人気をほこり、現存する作品は世界で37点しかなく、そのうちの「牛乳を注ぐ女」や「など真珠の首飾りの女」などを含む9点が上野の森美術館に展示されました。

料金は2,500円で日時指定入場制でありながらもこの入場者数であることは、フェルメールの人気がいかにすごいかが分かる結果となっています。

2位「ムンク展」3位「塩田千春展」

2位は2018年10月27日から2019年1月20日に東京都美術館で開催された「ムンク展共鳴する魂の叫び」は66万9,846人の入場者数。1日平均にすると8,931人で、この数字は1位のフェルメール展をも上回っています。

オスロ市立ムンク美術館に所蔵されているムンク作品のなかから、約100展が展示されました。

そして3位は、2019年6月20日から同年10月27日に森美術館で開催された「塩田千春展」で66万6,271人。

森美術館の入場者数のカウントは、六本木ヒルズ展望台東京シティビューの入場者と合算されてカウントされていますが、現代美術で66万6,271人の記録は圧倒的な数字と言えます。

森美術館の圧倒的集客はどう生まれた?

ここまでは、美術館の集客ランキングとして「フェルメール展」「ムンク展」「塩田千春展」の3つを紹介しました。次は、森美術館が集客に成功した事例について掘り下げていきます。

2018年入場者1位「レアンドロ・エルリッヒ展」

2018年に森美術館で開催された「レアンドロ・エルリッヒ展」が同年の入場者ランキング1位となりました。

一般的な美術館の告知は、チラシや招待券の配布やポスターの掲示など紙媒体が主流で、電車の中吊りなどでもたびたび目にします。

しかし、森美術館が注目をしたのがSNSの活用です。森美術館が注目したSNSの集客については次の章で詳しく解説します。

SNS集客がカギだった

レアンドロ・エルリッヒ展の集客のカギはSNSにあります。

「レアンドロ・エルリッヒ展」の来館した人たちのきっかけをみてみると55.6%がSNSをきっかけと答えています。

また来館する際に情報収集をした媒体はインターネットであると答えた人は62%にも及びました。

数字からもわかるように来場者の半分以上がインターネット・SNSを活用して情報を集めているのです。

撮影OKでインスタ映え

SNSを活用する方法として、Instagramに写真を投稿することで情報の拡散を狙うことができます。しかし単純に投稿すれば自動的に拡散されるというものではありません。

そこで森美術館が行なった取り組みが、「撮影OKでインスタ映え」というものでした。

本来美術館では写真撮影が禁止されていることがほとんどですが、あえて撮影OKとすることによって話題性を呼び、撮影した入場者にInstagramで拡散してもらうことに成功したのです。

美術館の集客に必要なこと3選

ここまでは森美術館が実際に行った集客方法についてみてきました。次は、美術館の集客に必要なこと3選について紹介します。

交流の場をつくる

美術館単体で対策を考えるのではなく、周りを巻き込んで交流の場を作ることが効果的です。

例えば、金沢21世紀美術館は、近隣の商店街と連携して美術館の半券を商店街の店舗で提示してさまざまなサービスを受けられる取り組みや、入館料不要のフリーゾーンを設けて、交流の場とする取り組みなどを行いました。

また茅野市美術館の例を見てみると、地元の住民や学生、作家などが交流できる場を設けることで集客につなげました。

具体的には、高校生を対象に地域の文化資源をつなぎ発信することを学ぶワークショップを開催したことで、これまで美術館に馴染みがなかった高校生に美術館に足を運んでもらうきっかけを提供できました。

それだけでなく、高校生が地域の大人と交流することによって人材育成にもつながるという結果となりました。

このように、美術館を中心に地域のさまざまな人たちとの交流の場を提供することが、美術館に足を運んでもらうきっかけ作りとなると言えるでしょう。

SNSでの発信

先ほども紹介した通り、美術館の告知は、チラシや招待券の配布、ポスターの掲示など紙媒体が主流ですが、SNSを活用した情報発信が効果的です。

SNSの活用は、これまで美術館にあまり足を運んだことがなかった若い層などターゲットを絞ったアプローチに効果的です。

InstagramTwitterには「ハッシュタグ」という機能があり、特定のキーワードで画像を検索すると、そのキーワードのハッシュタグがつけられた画像や投稿が検索結果に表示されます。

画像を投稿する側は「#キーワード」というようにハッシュタグをつけて投稿することができます。

特に若い世代は企業側ではなく一般の人が投稿した画像や情報を見たいというニーズが高いことから、googleなどの検索エンジンよりもInstagramなどのSNSで検索をする傾向があります。

そのためSNS「#〇〇美術館」のような正式名称でハッシュタグをつけて投稿することで、若い人へのアプローチが可能となります。

連動した割引

森美術館では「レアンドロ・エルリッヒ展」の際に、同氏の代表作「スイミング・プール」の写真を入場の際に提示することで割引となるサービスを行いました。

「スイミング・プール」は金沢21世紀美術館に展示されていますが、別の美術館の写真を提示してもらうことで割引をすることで相互に集客に貢献することができるという画期的な取り組みです。

森美術館は一般企業が運営する私立美術館ということで、国立・私立美術館に比べて意思決定をスムーズに行うことができたということが、今回の企画の実現に大きく影響しています。

さらに森美術館のTwitterアカウントのフォロワーは15万人以上おり、金沢21世紀美術館のフォロワーと合わせれば数十万人にものぼるため、それだけ多くの人たちが「スイミング・プール」の画像を目にすることとなるので、双方の美術館にメリットが生まれる結果となったのです。

SNSの発信や交流の場づくりが大切

美術館といえば、写真撮影が禁止され、開催告知もチラシやポスターであるなど、以前まではインターネットとは無縁にも感じられるものでした。

しかし現在では、あえて写真撮影を許可しインスタ映えを狙うなど、積極的なインターネットの活用が目立っています。

InstagramなどのSNSを活用することで、美術館の情報を拡散し集客できる可能性が高まります。

さらに、美術作品を展示する場としてだけでなく、交流の場としての取り組みも加わることで、新たな客層の集客にもつなげることができます。

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