アンカリング効果をエステサロンのマーケティングに活かす方法3選|二重価格表示についても解説

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集客を進める方法について模索する際に、既存のコンテンツを充実させることのほかに、顧客が情報からどういった印象を受けるのかということについても考えることが重要となります。情報の配置や提供のタイミングによって、同じ内容であっても顧客は異なる印象を抱く可能性があるためです。

こうした人間の心理作用を知ることはマーケティングにも役立ちます。たとえばアンカリング効果という心理現象を応用して、価格を提示する際に、最初に見た価格を基準にしてほかのものをやすく見せるといったことがなされています。ほかにも、商品を3つの質に分け、価格に差をつけて販売することで中間の価格帯の商品をより多く販売する「松竹梅の法則」や、割引を用いて顧客の心理を効果的に誘導する方法があります。

一方で、正しくアンカリング効果を活用するために、注意すべき点もあります。この記事では、エステサロンがアンカリング効果を活用したマーケティングについて紹介します。

アンカリング効果とは

意思決定を下す際に、人間は何かしらの情報を基準として考え判断します。提示されている情報をもとにして判断するとき、最初に目にした情報が特に強い影響を及ぼすことをアンカリング効果といいます。

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アンカリング効果とは

最初に提示された情報が判断の基準となる

アンカリング効果は、消費者に印象的な情報を最初に提示することで、その後の意思決定に影響を与えることを指します。

全ての情報を同時に得ずに、順を追って少しずつ獲得した場合、特定の情報に偏った印象を消費者に植え付けてしまい、意思決定に影響を及ぼす場合があります。

このアンカリング効果を活かし、購買を迷っている消費者に向けた価格提示のタイミングや順序を工夫することで、効果的に購入につなげられる場合があります。

アンカリング効果の由来

アンカリング効果という言葉の由来は、船のアンカー、すなわち錨(いかり)にあります。海に浮かんでいる船は、一度錨を下ろすと船は一定の範囲内でしか動けなくなってしまいます。

それと同じように、人は最初に感じ取った印象に影響を受けてしまった場合、その部分を起点にして判断することになることから「アンカリング効果」という言葉が生まれました。

アンカリング効果をエステサロンの集客に活用するための方法3選

アンカリング効果マーケティングにも応用することで、顧客の購買意欲を効果的に刺激しサービスの利用を後押しできるようになります。ここでは、アンカリング効果をエステサロンの集客に活用する方法を3つ紹介します。

1. 他社との比較:自社サービスの価格的優位を際立たせる

アンカリング効果を活用して顧客の購買意欲を刺激するためには、他社と価格比較をする際の情報提供の順序に注意する必要があります。

大手エステサロンで似たようなメニューを扱っていて、自社の価格の方が安い場合、先に大手エステサロンのサービス価格を伝えるなどがその例にあたります。

具体的には、「これから紹介する施術は、大手の〇〇などで受けると20万円程度かかります。」と前置きした上で、自社の商品は12万円であると伝えたとします。

最初に大手エステサロンの価格を聞いた顧客は、その価格を基準に判断するため、自社のサービス価格を安いと感じる可能性が高まります。

2. 限定割引:通常価格との落差を感じさせる

任意の期間や場面限定で適用される割引を顧客に提示し、それに比べて安いという印象を与えることもアンカリング効果の活用方法の一つです。

具体的な例としては、初回限定割引を紹介する際に、いきなり割引後の値段を提示するのではなく、「通常価格35,000円のところ、初回限定12,000円」といった順序で価格を伝えます。

顧客はアンカリング効果によって、最初に提示された35,000円を基準に価格を判断するため、割引後の価格に魅力を感じる可能性が高まります。

3. 松竹梅の法則:真ん中が最良と判断させる

アンカリング効果に似ている価格提示に関する顧客の心理誘導の方法に「松竹梅の法則」があります。

松竹梅の法則は、3つの異なる質の商品サービスを用意し、質に応じた価格の差をつけて顧客に提示することで、真ん中の価格帯の商品が最も売れるようになるというものです。

エステサロンのサービスの選択肢が20,000円、35,000円の2つのコースのみのとき、顧客は価格とサービス内容によっては低価格帯のサービスを決めることも多くなるでしょう。

しかし、ここに70,000円のコースがもう一つの選択肢として用意されたとき、高価格帯のサービスは手が出ないものの、低価格帯のサービスを利用することを避けようとする顧客の見栄が働きます。結果として、35,000円という中間の価格帯に位置する商品を購入する人が増えることが見込めます。

アンカリング効果を利用する際「二重価格表示」に注意

アンカリング効果をエステサロンの経営にも活用することで、顧客に購入してほしいサービス商品の売り上げにつながる可能性が高まります。

しかし、アンカリング効果を使うためには、注意すべき点があります。ここでは、特に注意が必要な要素として、二重価格表示について解説します。

二重価格表示とは

アンカリング効果を活用する際に、正しい価格表示の方法を理解していないと、「二重価格表示」になってしまう恐れがあります。二重価格表示とは、実際の通常価格よりも引き上げた値段を提示し、割引された値段を装って表記することです。

具体的な例としては、「通常70,000円のコースが今だけ半額35,000円」という謳い文句を提示していながら、実際の商品の値段は35,000円で、顧客にお得感を感じてもらうために二重価格表示をしているということになります。これは、顧客に対して不誠実であるだけでなく、景品表示法違反にあたるため、注意が必要です。

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景品表示法とは?

二重価格表示になる可能性がある状況とは?

虚偽などにより比較に用いる価格が実際と異なる形で表示される場合や、価格表示について明確な根拠が示されていない場合などは、二重価格表示に該当する可能性があります。ここでは、二重価格表示が起こりえるケースを紹介します。

まず、過去の相当期間販売された実績に基づいて価格が比較されていない場合です。

たとえば「通常価格40,000円が今だけ半額20,000円」と紹介する一方で、常に20,000円で商品を提供している場合、40,000円という価格が虚偽の表記と判断されることがあります。

そして、現時点で用いられていない未来の価格を十分な根拠がない状態で比較対象にしている場合もNGとなります。販売を開始してから間もないうちに設定した価格である場合にも、注意が必要となります。

ほかにも、製造業者が定めている希望小売価格を、公表されている内容を変更して表記したり、実際は公表していないものを「希望小売価格」として提示したりする場合も、二重価格表示になる恐れがあります。

同業者が取り扱っている同じ商品の価格について十分に調査しないで表記した場合、二重価格表示と判断される可能性もあります。

二重価格表示にならないためには

二重価格表示にならないようにアンカリング効果を活用するためには、消費者庁が「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方(価格表示ガイドライン)」で示しているように、同一商品が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」を顧客へ示す最初の情報として用いることが重要です。

より効果的に顧客の意識を引くために、虚偽の表示で安く見せたり、事実に反する内容や事実確認を十分に行っていない内容を記載したりすることは、顧客からの信用を失ってしまいます。それだけではなく、二重価格表示として景品表示法違反になってしまうこともあります。提示する内容を精査することが重要であるといえます。

アンカリング効果による売り上げアップ、価格の提示には注意

顧客の購買意欲を刺激し販売件数や売り上げにつなげるためには、アンカリング効果を理解し、セールストークや掲示物に取り入れることが役立ちます。

人は最初に示された情報を判断の際の比較対象として意識します。たとえば顧客に価格を伝える場合は、他社のサービスや割引前の価格など、高い数字から示していくことがポイントです。そうすることによって、後から提示された価格に魅力を感じ、購入への意欲が高まる可能性があります。

しかし一方で、実際に販売していない価格を比較対象に用いたり、安く見せるために曖昧に情報を隠したりすると、二重価格表示となり景品表示法の違反になります。比較対象としての価格を選定する場合は、最近に一定期間以上販売された経歴があることを確認してから使用することが必要です。

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