店内飲食で、黙って食べることを推奨する「黙食POP」がSNS上で話題となっています。
緊急事態宣言に伴う外出自粛の影響で、飲食店が売上減少など多大な影響を受ける中、少しでも店内でのコロナ
感染リスクを減らそうという取り組みです。
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「黙食POP」がSNS上で話題
「黙食POP」とは「黙って食べること」を推奨するPOPで、福岡市南区でカレー店「マサラキッチン」を営む ミツジ@マサラキッチン さん @masala_mitsujiが作成したものです。
Twitter:ミツジ@マサラキッチン さん @masala_mitsujiによる投稿
ミツジ@マサラキッチン さんのブログによれば、SNS上で「隣の席の団体がマスクもせず、大声で喋っていて不安を感じた」という趣旨の投稿が相次いでいることに危機感をおぼえ、そうした来店客にも不安を感じさせないよう、感染対策をより徹底しようという意図で作成したということです。
POPはPDF版でダウンロードでき、「黙食」を推奨したい飲食店が自由に使えるようになっています。
Twitter上の反応:実際に利用する飲食店も
先ほどのツイートには、「良い試みですね!」など、賛同の声が多く寄せられています。
Twitter:Caracal さん @axe_Caracal による投稿
また、「早速使わさせていただいています」と、実際に利用している飲食店もあるようです。
Twitter:ハラカラ。三軒茶屋店 店主 萩原です さん @ShIND8XKJA9ORx6 による投稿
そのほか、あるフィットネスクラブではこの「黙食POP」を応用し、「黙トレPOP」を作成したということです。
Twitter:MASA16 さん@masa16kana による投稿
おひとりさまなど「会話しない外食」への抵抗感は薄い
緊急事態宣言で飲食店の20時以降の営業が制限される中、西村経済再生担当大臣は1月11日、昼間の人出が減っていないことへの危機感から昼の外出も控えるよう自身のTwitterで呼びかけました。ランチ需要を取り込もうとしていた飲食店にとっては、昼間の外出も減退した場合さらなる痛手だといえます。
一方民間企業の調査によれば、おひとりさまなど「会話しない外食」への抵抗感は比較的少ないようで、厳しい飲食店経営を支えるものとなるかもしれません。
「おひとりさまは時短しなくてもいい」という回答が「時短すべき」を上回る結果に
NEXERが運営する「日本トレンドリサーチ」が1,600人を対象に実施した調査によれば、飲食店の営業時間短縮について「おひとり様のみなら不要」と回答した人が42.6%と、おひとり様でも時短すべきだと思うと回答した31.4%を上回る結果となりました。
「おひとり様のみなら不要」と回答した人の意見として、「会話することもないので飛沫(ひまつ)も飛ばないし、感染予防対策をしっかりとしている店舗であればいい」といった声が寄せられています。
世間的に、「おひとりさま」なら感染リスクが低いという認識があるようです。
「1人でとるランチは問題ない」という専門家の指摘も
関西医科大付属病院の宮下教授は1月16日、関西テレビの番組内で、店で1人で話さず食べると感染するかという趣旨の質問に対し「要は、飲食時にマスクを外れてしまって会話をすることで、飲食は悪くありません」と説明しています。
1人での外食で絶対に感染しないという保証はないのかもしれませんが、それでも「食事の際は黙って食べる」「食事していない時はマスクをする」といった対策で感染リスクは下がるということでしょう。
「黙食」の推奨がおひとりさま需要を取り込む鍵に?
世間的に「おひとりさま」なら感染リスクが低いという認識があり、専門家も感染リスクの低さを指摘しています。この「おひとりさま需要」を取り込むというのが、今飲食店が売上減少を少しでも食い止めるためにできることの一つだといえます。
そこで「おひとりさま」を受け入れる際、「黙食」の推奨が効果的だと考えられます。
ミツジ@マサラキッチン さんのブログによれば、黙食を掲げることで「おひとりさま」は入店しやすく感じるという声があったそうです。
黙って食べることをルールとして明示することでルールを守っていない客にも注意しやすくなり、安心して来店してもらえるでしょう。
※ただし日本フードサービス協会の「外食業の事業継続のためのガイドライン」では、店側が来店客に推奨すべき対策として「黙って食べる」ことは明記されていません。「黙食」を推奨しないお店があっても、ガイドラインに違反しているわけではないということです。
まとめ:今ある外食需要を取り込むために
当然ながら、今ある外食需要を取り込むためには店側のコロナ対策の徹底が必要です。そのためには来店客側の協力も欠かせません。
しかし、他の来店客がルールを守って食事していないと、きちんと守っている来店客にとって良い気持ちはしませんし、お店自体への不信感にもつながります。仮に「あの店は感染対策がきちんとできてなかったから、二度と行かない」といった口コミをWeb上に投稿されてしまうといったことがあれば、お店の信頼は失われてしまうでしょう。
「黙食POP」などの店内での掲示や、店員による呼びかけなどを通して、コロナ対策を徹底するよう来店客全体に呼びかけることが必要だといえるでしょう。
<参考>
ミツジ@マサラキッチン さん @masala_mitsujiのブログ(いマサラすんません):「黙食」がバズってアワアワしている件とメディア対応など
NHK:“3連休人出減らず 不要不急の外出自粛を”西村経済再生相
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