フットインザドアとは?営業で使われる行動心理学 意味・類義語・活用の注意点を解説

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フットインザドア(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)は交渉術のひとつとして広く知られているもので、要求に対して小さいステップから徐々に大きいステップへと了承を得ていく手法を指します。

人間の心理を巧みに利用した交渉術を理解することは、交渉を有利に進めたり、相手の真意を探ったりするうえで役立ちます。

本記事では、フット・イン・ザ・ドア・テクニックの効果や活用方法について説明します。

また、同じく代表的な交渉術として有名なドア・イン・ザ・フェイス・テクニックローボール・テクニックについても、特徴と違いについて紹介します。

フットインザドアとは

フットインザドア(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)は、目的の要求を承諾してもらうために、あえて小さな承諾から階数を重ねていく手法であり、主に交渉の場で活用されます。

ここでは、類義語との違いについても合わせて紹介します。

心理学を利用した交渉テクニックの1つ

フット・イン・ザ・ドア・テクニックはハードルが低い要求から順に了承を獲得し、本命としている大きな要求でも了承を獲得することを目的として利用されています。

有効な交渉術として活用される理由には、人間の心理が大きく関係していると考えられています。

一般的に人間は、たとえ小さな要求であっても複数回の了承を繰り返すことで、「了承を続ける、一貫性のある人間」としての立場を構築してしまいます。

そのため一貫性のある人としての評価を保ちたいがゆえに、多少難しい要求が出されたとしても、引き続き了承してしまう傾向にあります。

ドア・イン・ザ・フェイスとの違い

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックはフット・イン・ザ・ドア・テクニックとは反対に、本命としている要求を通すために、あえて断られるような過大な要求を最初に提示する手法です。

たとえ過大な要求であっても、要求を一度断った相手は罪悪感を少なからず覚え、代わりになにか別の方法でお返ししようとする心理が働きます。

段々と要求を引き下げたあとに本命の要求を提示することで、最初に提示した要求よりも一見譲歩したように見えるため、了承を獲得しやすくなります。

ローボール・テクニックとの違い

ローボール・テクニックとは、相手にとって都合の良い内容だけを伝えた上で了承を獲得し、後からデメリットを明らかにしたり好条件を削除したりする手法です。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、本命の要求とは異なる小さな要求を積み重ねた延長で本命の要求にも了承を得る手法となっています。

それに対し、ローボールテクニックでは本命の要求のなかで不都合な部分を隠した状態で相手に伝え、了承させてしまおうとする手法という点で違いがあります。

ローボール・テクニックは簡単にいえば後出しジャンケンのようなものになるため、相手の心証が悪くなる可能性が高く、注意が必要です。

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フット・イン・ザ・ドア・テクニックの効果

フリードマンとフレイザーは1966年に行った実験で、「安全運転を呼びかける看板を庭先に設置させてほしい」という依頼を本命の要求として設定し、依頼方法の違いによる承諾割合の比較を行いました。

最初から本命の要求を行った場合、承諾割合は16.7%という結果になりました。

一方でフット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用した場合には、承諾割合が最大で76.0%まで上昇しました。

このとき本命の要求より前に提示した要求は、本命の要求に関連する内容かつ、受諾のハードルが低いものであったとされています。

特に交通安全推進に関わる署名依頼や、ステッカーの貼り付け依頼という類似性の高い行為を先に依頼した場合、フット・イン・ザ・ドア・テクニックの効果がより高まることが明らかになりました。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックを営業対策に使う例

営業時には、相手からの小さな同意を積み重ねて、目的とする要求まで近づけていくことが大切です。

たとえば「1年契約を結ばせたい」という本命の目標がある場合には、最初から1年という長期間を提示するのではなく、まずは短期間かつ無料で利用できるなど、手軽に利用できる条件を提示することが大切です。

1週間の無料体験、1か月間の月額料金半額期間、3か月契約での追加値引き、1年契約での追加特典の提示など短期間から順に提示することで、スムーズに長期契約への同意を獲得できる可能性が高まります。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用する際の注意点

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは人間の心理を利用したものであるため、相手に違和感や不快感を感じさせることのないように、節度を持って利用することが必要となります。

ここからは、フット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用する際に気をつけるべきポイントを紹介します。

1. それぞれの要求レベルの差を大きくしない

フット・イン・ザ・ドア・テクニックを用いるうえでは、複数の要求を用意し、段階的に目的の要望に近づけていくことが大切です。各要求の差が大きすぎると、失敗のリスクが高まります。

たとえば10日間ものを借りたいとき、「1日貸してほしい」という要求の次に「10日間貸してほしい」という要求をしてしまうと、理由が不透明なこともあり同意を得られない可能性があります。

これらの要求の間に、「5日間借りたい」という要求を理由とともに加えることで、より自然な流れで要求できます。

自分が依頼された立場に立って考えることも重要となります。

2. それぞれの要求につながりをもたせる

先ほど紹介した実験の例にもあるように、本命の要求より前に出す小さな要求は、本命の要求に関連した内容であるほど、成功率アップをもたらす傾向にあります。

各段階での要求に応じてもらった際には、相手に感謝の意を示したり褒めたりすることで、よりスムーズに次のステップの要求につなげられます。

3. 小さな要求を多くしすぎない

フット・イン・ザ・ドア・テクニックを用いて短時間で本命の要求まで辿り着こうとすると、依頼相手は短時間に繰り返し要求を受けることになり、不信感を抱いてしまいます。

各依頼は適切に時間や日数をあけてから行うことが理想的といえます。依頼相手の状況を踏まえて適切なタイミングで交渉することも求められるでしょう。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックの効果や注意点を理解した活用を

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、ビジネスのさまざまな場面で用いられる交渉術です。

小さな要求への同意を順調に積み重ね、大きな要求への同意を獲得するために工夫すべき点や注意点がありました。これらをいま一度整理し、実際に要求したいことに当てはめて考えてみましょう。

適切な内容や数量の小さな要求を準備し、相手の立場に立って適切なタイミングで依頼することで、より良い結果につながるはずです。

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