IT導入補助金は、ITツールの導入を対象に交付される補助金です。2021年には「低感染リスク型ビジネス枠」の特別枠が設けられています。
この記事では、IT導入補助金の概要と特別枠について、また申請方法を紹介します。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、経済産業省の監督のもと、サービスデザイン推進協議会が運用する補助金事業です。新型コロナウイルスの流行を背景に、中小企業向けの補助を目的に運用が開始されました。
以下では、IT導入補助金の概要を紹介します。
中小企業対象のITツール導入支援制度
IT導入補助金は、中小企業や自営業におけるITツールの導入を支援する制度です。業務効率化や売上の向上をサポートするねらいがあり、小売業、製造業、医療をはじめ、さまざまな業種で適用が認められています。
導入するITツールの用途も、在庫管理、物流、人事労務、販促など、非常に幅広く、自社の課題に応じたツールを導入できます。
実際に支援を受ける場合、サービスデザイン推進協議会に登録しているIT導入支援事業者がサポートする点も特徴です。
通常枠A・B類型
通常枠A・B類型とは、IT導入補助金におけるスタンダードで、補助金事業の開始当初から用意されている枠です。
通常枠A・B類型では、ITツールの導入費用の1/2を補助します。ただし、補助が得られるのは最大で導入費用900万円、補助金額450万円までである点に注意が必要です。
業務の効率化による従業員の負担軽減、顧客管理システムの導入による売上増加など、さまざまな活用法が考えられます。
通常枠A・B類型の違い
通常枠A類型とB類型は、補助額や賃上げ目標などの点で違いがあります。どちらの区分で申請できるかは、ツールの導入によって改善できる業務プロセスの数によって決まります。
業務プロセスは、以下の7つが規定されています。
そのうち1つ以上のプロセスを改善できる場合はA類型、4つ以上のプロセスを改善できる場合はB類型に分類されます。
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 調達・供給・在庫・物流
- 会計・財務・資産・経営
- 総務・人事・給与・労務・教育訓練
- 業種固有
- 汎用・自動化・分析ツール
補助額はA類型が30万円から150万円であるのに対し、B類型は150万円から450万円です。
また、事業期間内で給与額を上げる賃上げ目標の点でも、A類型は加点要件ですが、B類型では必須要件となっています。
特別枠C・D類型「低感染リスク型ビジネス枠」
特別枠C・D類型とは、2021年度より導入された枠です。通常枠のA・B類型とは、補助率、補助対象、要件など、さまざまな違いがあります。「低感染リスク型ビジネス枠」とも呼ばれています。
以下では、特別枠C・D類型の特徴を紹介します。
新型コロナウイルスにより新設
特別枠C・D類型は、新型コロナウイルスの流行を受けて新たに設けられました。主に、新型コロナウイルスによる事業や経営への影響や、感染症の拡大を防止するためのサポートが目的です。
そのため、大きな影響を受けている事業者や、積極的に感染防止策に取り組む事業者におけるITツールの導入を優先的に支えています。
特別枠に分類されるのは、C類型-1、C類型-2、D類型の3つです。
A・B類型との違い、補助率が2/3に引き上げ
通常枠のA・B類型では、導入費用全体における補助率が1/2に設定されていますが、特別枠のC・D類型では2/3に拡充されました。
補助金の上限が450万円である点は通常枠と共通ですが、補助率が高まったことで事業者の負担は軽減されます。
また、通常枠ではソフトウェア関連の費用のみを対象としている一方、特別枠ではパソコンやタブレットをはじめとするハードウェアのレンタル費用も補助対象となっています。
感染症対策に主眼を置く特別枠は、非対面化ツールの導入が必須とされており、改善できる業務プロセスが2つ以上必要です。
C類型-1、C類型-2、D類型の違いは?
C類型-1は、サプライチェーンの毀損への対応を目的とする費用のみを対象とします。顧客に商品やサービスを提供するうえで必要な投資がC類型-1にあたります。
このタイプの補助金額は30万円から300万円未満であり、賃上げ目標は加点の要件となっています。
C類型-2は、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備を目的とする費用が対象です。C類型-1では補助率が2/3以内であるのに対し、C類型-2は3/4以内となっています。
補助金額は300万円から450万円以下が設定されています。このタイプの補助金は、賃上げ目標が必須要件となっています。
D類型はテレワーク環境に適応するための、クラウド対応がある場合に適用されます。補助金額は30万円から150万円以下で、C類型-1同様、賃上げ目標は加点要件です。
IT導入補助金の申請方法
IT導入補助金は、申請を通じて審査を通った場合に交付されます。
業務効率化や販促など、補助金はさまざまな目的を対象に交付されます。申請要件をクリアしている場合は検討するとよいでしょう。
以下では、IT導入補助金を申請する手順を紹介します。
1. ITツールを選択
まず、補助金を利用して導入するITツールを選択します。
ツールを選択する際は、現在抱えている業務上の課題を特定したうえで、必要なツールを探すのがポイントです。
IT導入補助金の公式サイトでは、業種別におすすめのITツールを掲載しているため、情報をもとに決定するとよいでしょう。
2. 「gBizIDプライム」アカウントの取得と「SECURITY ACTION」の実施
IT導入補助金の申請には、gBizIDプライムのアカウントが必要です。gBizIDとは、経済産業省が提供するIDで、各種行政サービスのログインに利用できます。
gBizIDはオンラインフォームに必要な項目を入力して、印刷した申請書を印鑑証明書と併せて送ります。申請からメールの到着までに3週間以上かかるケースもあるため、計画的に準備を進めることが大切です。
また、中小企業におけるセキュリティ対策宣言「SECURITY ACTION」の実施も必須要件です。実施済みのアカウントでないと申請が認められないため、注意しましょう。
3. 交付申請
gBizIDアカウントの取得およびSECURITY ACTIONの実施ができたら、交付申請の準備をします。IT導入支援事業者とともに、申請に向けた打合せを進めましょう。
まずは、必要書類を用意します。申請には、履歴事項全部証明書と納税証明書が必要です。
前者は交付申請日から3か月以内の発行されていること、後者は直近分のものであることが条件とされています。なお、電子納税証明書は受け付けていないため、税務署の窓口で受領した書類を提出しなければいけません。
必要書類の準備後は、gBizIDにログインして申請マイページから情報を入力して申請できます。
4. 補助事業実施
交付申請をすると事務局から交付決定の連絡があります。
交付決定の連絡を受ける前の、発注や契約、支払いは補助金の交付対象外となるため注意が必要です。なお、特別枠のC・D類型に限り、遡及した申請が認められる場合があります。
また、補助事業の実施後は、事業実績の報告が求められます。報告書は、申請マイページから情報の入力および証票を添付して作成できます。作成後、IT導入支援事業者による内容確認、申請事業者による最終確認を経て提出に進みます。
事業実績を報告しないと補助金額が確定しないため、実施後はすみやかに報告しましょう。
5. 補助金交付手続き
実績を報告すると補助金額が確定します。確定した補助金額は申請マイページから確認でき、とくに問題がなければ交付を受けられます。
交付後は、定められた期間内に事業実施効果報告をする必要があります。事業実施効果報告も申請マイページから情報を入力して手続きができます。提出は、IT導入支援事業者が専用のポータルから行います。
特別枠が新設されたIT導入補助金、締切は2021年7月30日(金)
IT導入補助金は、中小企業や自営業におけるITツールの導入を支援する補助金事業です。定められた業務プロセスを改善できるソフトウェアであれば、幅広い用途で補助が認められているほか、特別枠ではハードウェアレンタルなどにも適用されます。
IT導入補助金を利用して、業務効率化やテレワーク環境の整備を実現できれば、従業員の負担軽減や満足度向上につなげられるでしょう。
申請の締め切りは2021年7月30日の17時です。公式サイトからさまざまな情報が検索できるようになっているので、機能を活用しつつ申請の準備をすすめるとよいでしょう。
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