8月31日に観光庁は、宿泊旅行統計調査の2021年7月第1次速報を発表しました。
2021年7月の日本人延べ宿泊者数は8か月ぶりに3,000万人を超え、「Go To トラベル」実施期並みの水準となりました。外国人延べ宿泊者数も、85万人泊で前年同月比264.9%増となり前月より60万人以上増加しています。
国内旅行の伸びに加え、東京五輪開催に伴う関係者らの入国により、宿泊者数が大幅に増加したものとみられます。
7月延べ宿泊者数3,092万人泊、前年同月比32.2%増
2021年7月全体の延べ宿泊者数は3,092万人泊で、3月以降落ち込んでいましたが、一気に回復して3,000万人泊を超えるかたちとなりました。
前年同月比では32.2%増となり、2019年同月比からは40.3%減となっています。
東京五輪の開催に加え、6月21日から7月11日にかけて東京をはじめとする大都市圏で、緊急事態宣言が解除されていたことも背景にあるとみられます。
日本人延べ宿泊者数は6月から1,000万人泊以上増加して、前月同月比29.9%増となる3,007万人泊となり、8か月ぶりに3,000万人を超えて「Go To トラベル」実施期並みにまで回復しました。
外国人延べ宿泊者数85万人泊、前月から60万人以上増加
外国人延べ宿泊者数は、前月から60万人増となる85万人泊で、前年同月比から264.9%増加しました。
7月23日から始まった東京五輪に伴う関係者らの入国などにより、大幅に増加したものとみられ、訪日外客数も7月は昨年12月以来の5万人台に達するなど大幅増となっています。
8月以降も、8月16日から1日あたりの入国者数上限が、約2,000人から約3,500人へと緩和されていることから、一定程度の増加が見込まれると考えられます。
7月の客室稼働率38.6%、前年同月比9.3％増
2021年7月の客室稼働率は全体で38.6%となり、前年同月比より9.3％増加し、前月からは約10％増加しました。
施設タイプ別に見ると、ビジネスホテルの稼働率が48.4%と最も高く、前月から14%増加したリゾートホテルは最も大きな伸び率となっています。
その他にも、旅館やシティホテル、簡易宿所など、統計がとられているすべての宿泊施設で、客室稼働率が前年同月比より増加しました。
さらなる宿泊数増加へ期待：県境を越えた旅行や大規模イベント容認へ、分科会提言
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は9月3日、ワクチン接種完了やPCR検査の陰性証明を条件として、県境を越える旅行や全国的な大規模イベントなどを容認する提言を発表しました。実施時期は11月を見すえており少々先の話ではありますが、経済復興への期待が高まりつつあります。
さらに7月26日から海外渡航者向けに発行が開始されているワクチンパスポートについて、緊急事態宣言解除後に国内利用に向けたガイドラインが公表される見通しで、今後さらなる宿泊者数の回復が期待されます。
緊急事態宣言が延長されるなど疲弊ムードも漂うなか、秋の行楽シーズンを迎え、宿泊者数がどのように回復するか注目が集まります。
＜参照＞
観光庁：宿泊旅行統計調査
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