統計データとは、市場規模や消費者に関連した調査など、ある現象について調査を実施し、その結果を数値化したデータのことを指します。提案書や企画書を作成する場合、資料のなかに統計データを入れ込むことで説得力のある資料を作成できます。国やさまざまな民間企業が統計調査を実施しており、その結果を統計データとして公開しています。
この記事では、統計データを利用する際の確認ポイントや、統計データの調査方法と調査対象について解説します。信頼できる統計データを閲覧、取得できるおすすめのWebサイトを紹介します。
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統計データとは
統計データや市場データは、商品開発やサービスに客観的な根拠を持たせることに役立ちます。
統計データは現象を数値で表したものであり、国や民間企業が公開しています。
調査を実施して数値化したもの
統計データは、実施した調査で得られた数値です。具体的には、設定された調査項目に基づき算出された数字を指します。
統計データには、すでに調査済みのデータをまとめて統計に仕上げる「業務統計」や、統計同士を組み合わせ一定条件で細かい統計を作成する「加工統計」、1から調査して統計データを作成する「調査統計」などがあります。
統計データ利用の際に確認すべきこと
さまざまな調査機関があらゆる市場調査を実施しており、豊富なデータが公開されています。そのため、資料を作成する際には、調査機関の信頼性や調査の母数、調査対象の属性を確認することが大切です。
なかでも調査機関の信頼性は、データ利用の際には最も重要な部分になります。データを利用する際は、公官庁や大手企業など、客観的に信頼できる機関のデータを選ぶようにします。
統計データでは、調査の母数もポイントになります。調査のサンプル数が少ない統計データは、実態との誤差が大きい可能性があります。実態との誤差が大きい場合は、その分データの信頼性も低下してしまうため、利用する前にサンプル数を確認する必要があります。
調査機関の信頼性と母数をクリアしていても、調査対処の属性が調査したい内容と合っていなければ、そのデータは使えません。データを利用する際は、年齢や性別、在住地域など、調べたい内容と合致しているかも確認すると妥当性のある根拠になります。
代表的な調査方法や調査対象
統計データのとり方は、大きく分けて調査方法と調査対象の2つに分類されます。
ここではどのような調査方法や調査対象があるのか、解説します。
全数調査・標本調査
統計調査は、「全数調査」と「標本調査」という2つの調査対象に分かれます。国勢調査や事業所・企業統計調査などに代表される全数調査は、調査対象すべての要素を調査するものです。
全数調査は、大規模に、網羅的に行われるため、精度が高いデータが得られます。一方で、調査に時間がかかり速報性に欠けることや、費用もかさむことから、隔年または数年おきに実施される傾向があります。
世論調査やビデオリサーチ社の視聴率調査、労働力調査などが代表的な標本調査は、対象の一部のみをサンプリングして実施する調査です。標本調査は、少ないサンプル数でデータをとるため、短期間で結果が得られるうえ、速報性が高いという特徴があります。しかし、サンプル数が少ないほどデータと実態の間の誤差が大きくなるため、その点は注意しなければなりません。
日・月単位といった細かいデータが必要な場合や、年ごとの人口の動きを見るための「動態調査」を実施する場合は、標本調査の手法が使われています。
一次統計・二次統計
統計データをつくるための調査方法には、「一次統計」と「二次統計」という2通りがあります。一次統計は、調査や業務に基づいて得られた統計データそのものを指し、二次統計は一次統計とそのほかのデータを合わせて加工・編集したものです。
一次統計のなかではさらに、調査によりデータを収集し、調査の目的に合致したデータを取得できる「調査統計」と、業務で得られた数値を統計として作成、編集する「業務統計」の2つに分かれます。業務統計は、低価格で簡易的に作成できるメリットがありますが、任意の提出書類などから作成された場合、実態そのものを表していないケースもみられます。
二次統計は3つに分類できます。まず、「加工統計」は一次統計やそのほかのデータを計算式など一定の条件で加工した統計です。次に、特定の統計データを長期的かつ時系列的に収録した「歴史統計」、特定のテーマに基づき主要な統計をとり、再編集・提示した「総合統計」があります。
「加工統計」は、一次データではわかりづらい内容をも指数化し、推移や動態を把握しやすくできるといった特徴があり、歴史統計は特定の事柄について長期的なデータを計測するのに便利な方法です。総合統計は、統計データの索引として利用できるほか、ある分野のデータを調べる際にも使える方法です。
統計データ・市場データサイト11選
前述の通り、企画書など資料を作成する際には、信頼性のある統計データや市場データを利用することが大切です。
そこで、信頼できる統計データや市場データを探すために利用できるWebサイトを紹介します。
1. 総務省統計局
総務省統計局のWebサイトでは、毎回メディアでも話題になる国勢調査や人口推計、労働力調査、消費者物価指数など、総務省が管轄する全てのデータが無料で閲覧できます。
総務省が公開しているデータということもあり、その信頼性や確実性は高くあります。
2. 経済産業省
経済産業省が所管する統計調査のデータが無料で公開されています。
経済産業のWebサイトでは、企業・事業所の経済状況に関する経済センサスの活動調査や第三次産業活動指数、熊本地震や東日本大震災に関する統計情報などが閲覧できます。
3. リクルートライフスタイル
リクルートライフスタイルは、リクルートが展開する飲食や美容、旅行などさまざまなWebサービスに関連した調査機関を運営しています。
その調査機関で実施された外食・グルメ市場や美容センサスの調査データの1部が無料で公開されています。
4. 調査のチカラ
調査のチカラは、ITにまつわるニュースサイトを複数運営するアイティメディアが、無料で閲覧できるさまざまな調査データを集約したサイトです。
ビジネスやマーケティング、モバイル、ライフスタイルなど、多岐にわたるジャンルのデータが揃っています。
5. e-Stat 政府統計の総合窓口
e-Stat 政府統計の総合窓口は、各府、省、庁が実施している統計調査のデータを無料でワンストップ提供しており、総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運用管理を行っているWebサイトです。
警察庁の道路交通に関する調査や、文部科学省の学校基本調査、農林水産省の農業物価統計調査など、政府省庁が行う調査データを探す際に便利です。
6. 博報堂 生活定点/生活総研
生活定点は、博報堂が1992年より隔年で続けている生活者の価値観やライフスタイルに関する生活定点調査における28年分の約1,400項目におよぶ生活者観測データが無償で公開されています。
生活総研では生活定点にくらべ、より総合的な生活者に関する調査データなどが無料で閲覧できます。
7. NTTコム リサーチ
NTTコム リサーチでは、働き方や映画館での映画鑑賞関する動向調査など、ITから消費行動にまつわる調査データまで、無料で閲覧できる調査データが多く掲載されています。
調査データは、自主調査から大学やメディア、企業と共同で実施した調査を含め、豊富なカテゴリーが揃っている点が特徴です。
8. 電通 日本の広告費
日本を代表する広告代理店である電通は、日本の広告費に関する各年の調査データを無料で公開しています。
公開データは総広告費のほか、媒体別広告費やインターネット広告費、業種別広告費についての詳細な分析や、今後の展望まで詳細なデータが掲載されています。
9. 矢野経済研究所
マーケティングリサーチを提供する矢野経済研究所では、医療や流通小売り、ライフスタイル、教育などさまざまな産業における調査レポートが販売されています。
値段はレポートごとに異なりますが、1つのレポートのなかでもレギュラー版、コーポレート版、グローバルコーポレート版などタイプによりさらに価格が変動します。
各調査結果の一部はプレスリリースでも発表されているため、無料で概要と結果を知りたい方はプレスリリースを活用することもできます。
10. JMR生活総合研究所
JMR生活総合研究所のWebサイトでは、食品や家電、自動車など生活者と接点を持つ業界の調査データが公開されています。
調査結果の詳細やグラフを閲覧するためには、新規の個人プレミアム会員では10,000円、企業会員では40,000円の有料の会員登録が必要です。
11. マクロミル
インターネットリサーチ企業として有名なマクロミルは、時事、社会、食品、飲料、5Gやキャッシュレス社会など旬なテーマに関する調査のデータが、データにより無料または有料でダウンロードできます。
無料の場合でも申込フォームへの情報入力が必要ですが、テーマが豊富なため、自身の調査したい内容によりマッチした情報を得られる可能性が高いWebサイトです。
統計データの活用で説得力のある資料作成が可能に
企画書など資料を作成する際には、いかに信頼性がある統計データを探せるかという点が重要です。信頼性がある統計データとは、調査機関が信用できるか、母数が少なすぎないか、調査対象が自身が欲するデータと合致しているか、という3項目をクリアしているものを指します。国が運営する政府省庁や大手企業が実施した調査の統計データは、信頼性が高く、資料作成の際にも安心して使用しやすいといえます。
統計データは、国や大手調査機関のサイトで無料で公開されているものが多くあります。今回紹介したサイトから自身が必要とする統計データを見つけ、上手く活用することで、説得力のある資料を作成できると考えられます。
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