コロナ禍でも11%増益 躍進の「しまむら」初の直営オンラインストアをオープン、EC売上50億円を計画

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「ファッションセンターしまむら」などアパレルを展開する株式会社しまむらは9月28日、令和3年2月期 第2四半期決算を発表しました。また同日、しまむら初の直営オンラインストアを10月1日よりオープンすることを発表しました。

発表によると、2021年3〜8月期(以下「上期」)の連結業績において、営業利益は前年同期比11.3%増の159億円となりました。新型コロナウイルス感染拡大によって、アパレル小売業界の多くが業績悪化するなかで、売上高こそ3.8%減だったものの、広告宣伝費の圧縮や値引率の抑制などで増益を達成した格好です。

コロナ禍でも11.3%増益、21年2月期営業利益は前期比34.4%増の308億円見込みに

▲しまむらの2020年上期連結業績損益計算書:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より
▲しまむらの2020年上期連結業績損益計算書:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より

2021年3〜5月期(以下「1Q」)は、コロナ禍の外出自粛の影響で客数が大きく減少し、売上高は19.9%減になったものの、緊急事態宣言解除後の6〜8月期(以下「2Q」)は売上高は12.6%増と回復。1人10万円の給付金や、巣ごもり需要に対する迅速な商品手配などが功を奏したといいます。

この結果をうけ、2021年2月期(通期)の営業利益が前期比34.4%増の308億円、従来予想に比べて74億円上方修正しました。

好調な国内展開の一方で、中国で展開する全6店舗を閉店すると発表しました。2012年から進出し、2016年には14店舗まで増加させたものの、近年は閉店が続いていたところに今回の新型コロナウイルスの影響で閉店決定にいたりました。

しまむら躍進のポイント1:コロナ禍で増益したしくみ 広告費の圧縮、値引き抑制

では、今期のしまむらの決算発表で注目のポイントを3点見ていきましょう。まずはコロナ禍において増益を果たした内訳についてです。

2020年上期の売上高が2,543億円で前年同期比3.8%減、実数にして100億円強の売上減であったのにもかかわらず、営業利益は前年同期比11.3%増、実数にして16億円以上の増益となりました。

▲しまむらの2020年上期 連結販売管理費の内訳:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より
▲しまむらの2020年上期 連結販売管理費の内訳:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より

その要因は、広告宣伝費の圧縮や値引率の抑制などにあります。広告宣伝費は1Qのコロナ禍での販促自粛や、2Qでの折込チラシからWEBチラシへの販促手法の転換によって前年同期比で48.4%減と、ほぼ半減させました。

またWEBチラシへの注力とともに、打出し方や紙面構成について、従来の「低価格での集客」から「商品力での集客」へ方針を転換しました。2Qにおけるレジ割引の打出し本数は、昨年の80本に対し今年は24本と大幅削減しており、代わりにプロパー商品に注力したチラシ紙面構成としています。プロパー商品の売上高については、前年同期比43.8%増を達成しています。

▲今期は割引頼りにせずプロパー商品を打ち出した:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より
▲今期は割引頼りにせずプロパー商品を打ち出した:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より

しまむら躍進のポイント2:プロパー商品のブランディング

ここで重要になってくるのが、自社開発のプライベートブランド(以下「PB」)やサプライヤーとの共同開発ブランドのジョイント・ディベロップメント・ブランド(以下「JB」)からなるプロパー商品です。

ベーシックラインとなるPB「CLOSSHI」や、ミセス向けエレガンスのJB「HK WORKS LONDON」、ヤングミセス向けカジュアルのJB「dear.ful」を中心に、各ブランドとも好調に推移しました。また、今までカバーできていなかったミセス向けカジュアルゾーンに対しては、宝島社の人気雑誌「リンネル」「InRed」と共同開発した新ブランド「SEASON REASON」が9月から発売開始となり、好調な滑り出しを見せています。

また、コロナ禍の巣ごもり需要に対応したのが肌着・靴下や寝具・インテリアの実用部門です。吸水速乾や冷感素材を使用したPB「FIBER DRY」シリーズが、婦人・紳士の肌着では前年同期比6.3%増、寝具・インテリアでは同9.3%増となりました。

▲しまむら事業のブランド再構築戦略:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より
▲しまむら事業のブランド再構築戦略:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より

しまむらはグループの統一テーマを「ブランド化」とした2009年度以来、値頃で高品質、高機能のPBに注力していました。当初掲げられたPB比率30%という目標についても、2020年上半期累計でPB・JBあわせて27.4%となっており、着実なブランド構築が進んでいます。

しまむら躍進のポイント3:50億円の売上を目指す 直営オンラインストアが10月1日からオープン

最後に紹介したいのが、10月1日からプレオープンとなる初の直営オンラインストア「しまむらオンラインストア」のリリースです。

▲新自社ECサイト「しまむらオンラインストア」:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より
▲新自社ECサイト「しまむらオンラインストア」:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より

しまむらはEC領域では、2018年にZOZOTOWNに出店したものの1年以内に撤退。2019年1月からは、アプリで注文・店舗で受取りができる取り寄せアプリ「しまコレ」を運用していましたが、オンラインで完結する通販形式での販売は行っていませんでした。

しまむらオンラインストア」では個人宅配送やクレジットカード決済が可能となっており、PBやオンライン限定商品などを取り揃え「しまコレ」よりも取り扱いアイテム数を1.5~2倍に拡大します。なお、「しまむらオンラインストア」のリリースにともない「しまコレ」のサービスは終了となります。

▲「しまむらオンラインストア」と「しまコレ」比較:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より
▲「しまむらオンラインストア」と「しまコレ」比較:しまむら 令和3年2月期 第2四半期決算説明会資料より

既存の店舗配送の物流網を使用してコストを抑えるなど、しまむら独自「ローコストEC」を事業構造の根幹としています。

今期のEC事業での売上計画は、2020年上期の「しまコレ」売上高が10億円、下期の「しまむらオンラインストア」での売上高を10億円とし、EC事業合計で20億円を計画しています。来期の売上高計画は50億円としており、中期的には全社売上高に占めるEC事業の売上高比率を5%程度まで成長させ、実店舗と融合した新たな販売チャネルとしていきたいとしています。

<参考>

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