VRコマース(バーチャルコマース)とは、仮想空間に店舗を設置してリアル店舗と同等の購買体験ができる、新しいオンラインショッピングのことです。
従来のECサイトでは画像やテキストから購買を決定をしますが、バーチャルコマースなら五感全てから商品の情報を入手できるので、店舗で買い物をしているかのようなサービスを提供できます。
本記事では、バーチャルコマースの市場規模や課題、特徴、導入メリット、活用事例を紹介します。
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バーチャルコマースとは
バーチャルコマースとは、VR技術を活用した新しいオンラインショッピングのかたちで、「Vコマース」や「VRコマース」とも呼ばれます。従来のECサイトやEコマースと大きく違う点は、仮想空間に実店舗を設置してリアルな購買体験を提供できることです。
また、VRと聞くとゴーグルや特殊な機器が必要かと思いますが、バーチャルコマースではVRゴーグルがなくても没入感を再現できるので、ユーザーにも受け入れやすい特徴があります。
バーチャルコマースの市場規模
経済産業省が発表した「平成30年度の電子商取引に関する市場調査」によると、EC市場におけるBtoCは現在まで拡大傾向にあり、今後も発展していくことが予測されています。これは5Gの普及によって通信速度が飛躍的に向上し、インターネットが同時多数接続に耐えられるようになったことや、コロナ禍における非接触サービスの需要増加が影響しています。
一方で仮想空間市場は、一部のリテラシーの高いユーザーが活用している段階であり、市場拡大には一般消費者への浸透が必要とされています。
バーチャルコマースではVRゴーグルがなくても仮想空間を楽しめるようなサービスを提供している企業もあり、誰でも利用しやすいイメージが定着することで仮想空間市場の拡大が期待できます。
バーチャルコマース市場の課題
経済産業省の「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」によると、仮想空間市場が拡大していくうえで仮想空間内に対する法やガイドラインの整備が課題になると指摘されています。特に仮想資産の保護に関する法解釈と法律の制定などが不十分であり、バーチャルコマース市場の拡大とともに仮想空間内のビジネストラブル発生が懸念されます。
また、データ消失などのトラブルや不正行為をするサービス提供者への対応が不明瞭であり、仮想空間ビジネスに関するガイドラインの整備も課題となっています。
Eコマース・Mコマース・動画コマースとの違い
Eコマース(Electric Commerce)は一般的なネットショッピングのような電子商取引のことを指し、ここからMコマースやVRコマースなどに派生していきます。次にMコマース(Mobile Commerce)はモバイル端末を利用したネットショッピングの一つで、スマートフォンからECアプリなどを通して買い物ができるサービスです。
他にも、動画コマースやライブコマースなど視聴者が動画やライブ配信を視聴しながら、そのコンテンツ上で購入に進めるようなEコマースも登場しています。
違いはさまざまありますが、実店舗での購買体験に近づけるようなサービス提供や、ユーザーがオンラインショッピングに感じる不安を解消するなどの目的意識は共通しています。
バーチャルコマースの導入メリット
ここでは、バーチャルコマースを導入した際に得られるメリットについてを解説します。1.実店舗での購買体験をリアルに再現
バーチャルコマースの最大の魅力は五感全てから商品に関する情報を収集できることです。仮想空間に店舗を用意し、リアルな購買体験を提供することでユーザーは実店舗のような消費行動を起こします。たとえば、ユーザーが仮想空間内の店舗を歩き回れるようにすることで、一目惚れによる衝動買いも期待できます。これはバーチャルコマース特有の効果でしょう。
また、VRとARを組み合わせた新たなECプラットフォーム「WebXRコマース」が登場し、実店舗を持たないビジネスもVR店舗を作成が可能となります。
他にも特殊なデバイスを用意できれば触感、嗅覚、味覚体験を再現できる仕組みの開発され、今後も仮想空間内の体験はよりリアルになっていくでしょう。
2.店舗に足を運べないユーザーにもアプローチ
バーチャルコマースではリアル店舗の接客や雰囲気を仮想空間内に再現できるので、ユーザーはいつでもどこからでもリアルに近い買い物を楽しめます。これまで来店ハードルが高いと感じていたようなオンラインショッピングを苦手とする人、高齢者や遠方のユーザーに対してアプローチが可能です。また、グローバル対応したバーチャルコマースを導入すれば、世界の主要通貨、使用言語、購入商品の国際配送に対応でき、世界中のユーザーに購買体験を提供できます。
他にも、コロナ禍で休業や時短営業によってリアル店舗での接客機会が減った状況など、リアル店舗の運営が難しい場合にバーチャルコマースやライブコマースなどで補填できる可能性があります。
3.バーチャルタグや動画の挿入で販促
バーチャルコマースのなかには仮想空間内の店舗でセールのチラシを掲示したり、タイムセール商品がわかるようなバーチャルタグを表示できる機能があります。たとえば、アパレルショップの服のタグに「10%OFF」などの情報が記載されていることがあり、それをバーチャルタグを活用することで再現できます。
リアル店舗に存在するお得な情報をバーチャル上でも再現することで、ユーザーはリアル店舗での購買行動に近い意思決定をとります。
バーチャルコマースの活用事例
ここではバーチャルコマースを活用してビジネスをしている事例を紹介します。仮想空間で新しい店舗を用意したり、リアル店舗を正確に再現していたり、さまざまな形があります。バーチャルマーケット
バーチャルマーケットとは、世界中から100万人を超える来場者が集まる、ギネス世界記録にも認定された仮想空間マーケットです。
ユーザーは3Dアバターや3Dモデルとして参加し、3Dアイテムやリアル商品の売買やアトラクションに乗ったり、イベントに参加したり、さまざまな体験が用意されています。また、ユーザー同士が音声でコミュニケーションがとれ、リアルな街巡りを体感できます。
@cosme
コスメショップの@cosmeが「@cosme TOKYO-virtual store-」というリアル店舗を仮想空間に再現した事例があります。展示された商品に近づくと詳細情報が入手でき、商品をテスターする動画を視聴できます。@cosmeはバーチャルコマースを活用し、画像だけでは伝わりづらかったコスメ商品を塗った質感や発色を確認できるようなサービスを提供しています。
Dior(ディオール)
Diorのバーチャルコマースでは、パリのシャンゼリゼ通りにある店舗を仮想空間に再現し、フレグランスやボディー商品を販売しています。
店内を歩き回りながら商品の情報を得られるので、リアルにパリのDiorに来店したような体験を得られます。
阪急百貨店・三越
阪急百貨店や三越ではオンライン接客を取り入れ、ユーザーは来店せずに要望に沿った商品を購入できます。オンライン接客でユーザーから要望をヒアリングし、最適な商品の提案や新作商品を紹介します。購入後もオンラインで商品の使い方を説明したり、魅力を伝えるなど、アフターフォローに活用しています。
バーチャルコマースでリアル店舗の体験を提供、商品購入の意思決定を促進
バーチャルコマースを活用することで、仮想空間内にリアルな店舗や接客サービスを提供でき、ユーザーに現実世界と似たような購買体験を与えられます。従来のECサイトよりも商品情報の量が多くなるので、ユーザーは商品のイメージを掴みやすくなることで購入に進む可能性が高まります。
すでにVRゴーグルがなくても仮想空間の没入感を提供できるため、バーチャルコマースがさらに認知されていく可能性があり、仮想空間市場の拡大を期待できます。口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
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