来店顧客に対し送る「サンキューレター」は、リピート客獲得に有効な手段です。対面で接する機会が少ない昨今、サンキューレターで店舗の存在を身近に感じてもらい来店促進につながれば、競合優位性を高められるでしょう。
本記事では、顧客の心を捉えるメッセージの作成方法や効果を最大化するためのポイント、もらって嬉しいサンキューレター、業種別のおすすめ文例（テンプレート）を紹介します。
営業には欠かせない、サンキューレター（お礼状）とは
サンキューレターは、接点を持った顧客との信頼関係を構築する重量なツールで、サンキューDMともいいます。
効果的に活用することで他店舗との差別化にもつながるため、役割やメリットを理解した上で文章を組み立てることが大切です。
サンキューレターの役割は、顧客に感謝を伝え、関係値を構築すること
サンキューレターは、広告のようなセールスツールと違い、商品やサービスを購入してくれた顧客に対し感謝の気持ちを伝えることが目的です。
また、購入後に店舗の存在を思い出してもらえる効果もあり、長期的な関係に結びつきやすくなります。
ポイントは、商品やサービスではなく「人」を軸にし、顧客一人ひとりにフォーカスした内容で送ることです。
店舗やスタッフに愛着がわき、リピート利用につながる
店頭での限られた時間では、商品やサービスの内容、価値を伝えきれません。サンキューレターで付加価値のある情報を伝えれば、顧客の理解度が深まり、購入の満足度も高められます。また、スタッフの言葉で、対応した顧客へのアドバイスやおすすめ商品の案内は愛着を持ってもらいやすく、再来店したい気持ちを掻き立てます。ただ出すだけでは時間と労力ばかりかかるため注意
顧客一人ひとりに対し、内容をアレンジし、出すタイミングも変えるため、成果が出ない場合は企業にとって負担になります。手間ひまかけたサンキューレターが確実に読まれ、リピート利用につなげるためには、興味を引く文章の作成方法や最適なタイミングについて知る必要があります。
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サンキューレターの効果を最大化する方法
サンキューレターの運用を成功させるための具体的な方法を解説します。運用のコツを熟知した後、送り側によるバラつきを防ぐため、運用ルールやテンプレートを用意すると良いでしょう。
発送するタイミングは当日がベスト
来店直後の顧客は、商品や購買した体験に対し、熱量が高い状態にあり、この時点でサンキューレターを送るのがベストです。初来店当日もしくは翌日までに準備し、２~３日以内には届くようにしましょう。
さらに、誕生日や記念日、来店からの周年でも送ると、特別感が増し、来店促進につながりやすくなります。ヘアサロンなど、利用のサイクルが見えている場合は、次回来店に合わせて送ると効果的です。
ハガキに手書きメッセージで気持ちを込める
ハガキやカード、封書など媒体の種類は複数ありますが、開封の手間が不要なハガキが最適です。ただし、受け取る本人以外に同居する人がいる場合は、プライバシーの観点から、封書の方が良いこともあるので注意が必要です。
メッセージは手書きにすると、顧客はサンキューレターを大切に感じやすくなり、内容を深く読もうという気持ちになります。逆に、ありきたりな文章を印刷しただけでは既視感が生まれやすく、読まれない可能性が高くなります。
相手に合わせた「パーソナルメッセージ」が良好関係を作る
顧客目線から逸れた売り込み文句は避けましょう。セールス色が出ると心証を損なう恐れがあります。来店時にあった出来事や話した内容などを基にメッセージを書くと、顧客は「自分のことを親身になって考えてくれている」と感じられ、店舗との距離が縮まります。大勢の来店客の中で自分との思い出を覚えていてくれたことを知れば、また行きたいという感情も生まれるでしょう。
気持ち高ぶるデザインを取り入れる
印刷単価は上がりますが、サプライズ感や喜びを与えるような趣向を凝らした印刷は、読み手の感情を刺激し、再来店への意欲を高めます。
たとえば、型抜きハガキなど一風変わった形にすると、思わず読みたくなり、読んだ後も印象に残りやすいでしょう。
バリアブル印刷で、相手に合わせ画像や文章を変えるのもインパクトを出しやすくなります。
読まれるサンキューレター作成におすすめの要素6つ
文面に含めるべき具体的な要素を紹介します。商品やサービス形態により内容は多少異なりますが、ベースとなる要素を意識すると、店舗が伝えたい内容も顧客が読みたい内容も網羅できます。
1. 来店や購入してくれたことに対する感謝の言葉
メッセージの冒頭で、自店舗を選び、足を運んでくれたことに対する感謝の気持ちを書きます。
「先日は、ご来店いただき、ありがとうございました」「〇〇をご購入いただき、ありがとうございました」など、ストレートでわかりやすい言葉が良いでしょう。
2. 購入商品に絡めたアドバイスなど有益情報
次に、顧客が購入した商品のお手入れ方法や使い方のアドバイス、アフターケアなど、店頭では伝えきれなかった付加価値の高い情報を盛り込みます。顧客は知りたかった情報を得られることで、サンキューレターを有益なものと感じ、満足度が高まります。
3. 来店時の会話やアンケート回答などに触れた内容
直接交わした会話の中から話題を選んだり、アンケートなどで意見を受けた場合はその内容に触れたりすると、顧客の関心が強いテーマのため気分が高まると同時に、自分の声が届いていることに信頼感を覚えます。
4. 再来店を楽しみにしているというメッセージ
また会えるのを楽しみにしている、店舗で待っているという気持ちを、顧客の心に投げかけます。顧客はメッセージを見て、スタッフの表情を思い浮かべ、次の来店を想起しやすくなります。
5. 顧客の悩みや好み、季節に合わせた商品やイベント案内
再会を楽しみにしている旨と合わせて、来店することで顧客の悩みが解決されたり、前回とは違った魅力的な商品やイベントがあることを伝えると、来店への期待が高まります。
6. 口コミ投稿やSNSフォローのお願い
店舗を利用し、良い印象を持っている顧客からの口コミは高い集客効果が見込めます。
「口コミサイトへの投稿やSNSアカウントをフォローしていただけると嬉しいです」といった一言と、QRコードを入れておくと良いでしょう。
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【業種別】顧客の心を掴む文例
アパレル店舗、ヘアサロン店舗それぞれにおける具体的な文例を紹介します。上記要素以外にも、文中で季節にちなんだ情報を入れると、旬を逃さず直近で利用しよう、という気持ちを掻き立てます。
アパレル店舗の場合
この度は〇〇〇〇 〇〇店にお越しいただき誠にありがとうございます。
ご購入いただいた帽子は△△様の明るい雰囲気に大変お似合いでした。
まだまだ暑い日が続きます。外出の際は、帽子で熱中症対策をしながらお洒落を楽しんでいただけますと幸いです。
リボンの部分は取り外し可能ですので、洗濯時や、印象を変えたい時には取り外しください。カジュアルな服装にも合いますが、フォーマルな服装でもワンポイントとして合わせると、遊び心が加わります。
ぜひとも末永くご愛用いただけることを心から願っております。
秋冬に向け、素材違いで楽しめる商品も入荷予定ですので、ぜひインスタもチェックしてみてください。また△△様にお目に掛かれますことを心よりお待ち申し上げております。
ヘアサロン店舗の場合
こんにちは！〇〇サロンで担当いたしました〇〇です。
先日は、数ある美容室の中から当店にご来店いただき、ありがとうございました。
心を込めて施術いたしましたが、ご満足いただけたでしょうか？汗や湿気に負けないよう、丁寧にパーマをおかけいたしましたが、もし気になるところがございましたらお気軽にご相談ください。
また、来月より新たなカラー剤を入荷予定です。△△様は髪のダメージが気になるとのことでしたが、髪を痛めずツヤもアップできる薬剤なので、もしご興味ありましたらお声がけください。
△△様の明るい雰囲気にお似合いの色見を提案いたします！
ご覧になる予定の映画の感想や、ぜひまたおすすめ作品など教えてくださいね。またお会いできることを楽しみにしております。
サンキューレターのコツを押さえ、効率的に届けてリピーター獲得へ
店舗型ビジネスでは、来店時の印象や購入した商品への満足度が、継続利用するか否かを左右しますが、初来店直後の気持ちが温まっている状態で送るサンキューレターは「また来店したい」という気持ちを強めるのに効果的です。
顧客一人ひとりのことを思い浮かべた文面やデザインでアプローチし、近い存在に感じてもらうことが、リピート利用や店舗を長く愛されるためのポイントです。
