RPAとは?AIやVBAとの違いと導入のメリットデメリットを解説

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RPAとは、オフィスの単純作業を人間に代わりソフトウェアに組み込まれたロボットに実行させることで、業務効率化や経費の削減を行うことです。

そこで、本記事では経営者やビジネスマンなら知っておきたいRPAについての基礎知識、さらには導入のメリット、デメリットについて詳しく解説します。

RPAの概要の注目されている背景

2018年にパーソルテクノロジースタッフが発表した「RPAの導入進捗に関する調査結果」によると、すでにRPAを導入していると回答した企業は35.9%でした。

そしてRPAの導入を検討している、あるいは現在トライアル中と回答した企業は27.1%と、導入検討中の企業を含めれば、すでに過半数を大きく超える63%の企業がRPAをすでに導入、あるいは導入の検討をしています。

さらに従業員が500人を超える大企業に絞ると、その数は75%以上となっています。

IT後進国と称されることもある日本において、なぜ現在このように多くの企業がRPAに対して注目しているのかを解説します。

RPAとは

RPAは「Robotic Process Automation」略称で、直訳すると「ロボットによる手順の自動化」という意味になります。

与えられた一定のルールに従い、自動的に繰り返し業務をこなすのがRPAの基本的な仕組みです。

ルールを覚え込ませる段階でプログラミングを組む必要はない一方、AIなどと異なり、RPAが能動的に判断して業務をこなすことはなく、その特徴から経費処理といった定例的なルーティンワークをこなすのに適しています。

RPAには、その処理能力に応じてclass1(RPA)、class2(EPA)、class3(CA)の3つのレベルがありますが、これはRPAの範囲を広義に捉えた場合であり、現段階では、class1のみをRPAとして扱うのが一般的です。

AIとの違い

RPAと混同されがちなAIですが、先ほども触れたようにRPAには自ら稼働のためのルールを導き出したり、データを解析して結論を導き出す能力はありません。

人間が業務をこなすためのルールを与えることで、始めて業務の遂行が可能になります。

一方AIは「人工知能」と呼ばれるように学習能力が備わっており、データをもとにコンピュータ自らが判断する機能を持っています。

つまりAIの業務は、ある業務を行うに際してデータを元に自ら考え、最適な作業方法を導き出して提示することだと言えます。

VBAとの違い

RPAを解説する場合、AIと並びもう1つ、その違いを明確化しておきたいものに「VBA」があります。

RPAもVBAも、PC上で複数のアプリケーションを連動させることで作業を自動化するシステムという点や、この自動化作業を進めるために、ソフトで行われた操作をプログラム言語に変換してプログラム(マクロ)として記録することが必要である点も共通しています。

しかし、VBAはMicrosoftのアプリケーションの拡張機能であるため、原則として同社のOfficeアプリケーション内で行われる処理しかマクロ化することはできません。

それに対してRPAは、PC内で行われる作業の全般的なマクロ化が可能です

しかし汎用タイプである分、RPAはMicrosoft の専用ソフトであるVBAが得意とする、Excelで実施できる複雑な統計加工処理などは、うまくできない場合があります。

RPAが注目される背景

従来から、日本の産業界は諸外国と比較して労働生産性の低いことが指摘されています。

さらに急激に進行する少子高齢化の影響による働き手不足に、最近では新型コロナウイルスの影響によるテレワークの拡大などが重なり、多くの企業で働き方改革の必要性が早急に迫られています。

現在のホワイトカラーの業務の中で、経費処理に代表されるように、ルーティン的に処理する事務作業のボリュームは少なくありません。

労働人口が減少し、さらに働き方改革で残業時間なども規制される中、従来と同じ量の業務をより少ない人手で短時間でこなすためにはRPAなどの施策が欠かせません。

RPA導入のメリット

RPAを導入するとどのようなメリットがあるのか、このトピックではRPAを導入するメリットについて2つご紹介します。

業務の効率化と人件費削減

RPAを導入するメリットの1つに、人件費の削減効果が挙げられます。

企業経営を行う上で、売り上げに関係なく支出が必要な「固定費」の占める割合は経営状況の良し悪しに直結し、人件費は代表的な固定費です。

労働者が担ってきた単純業務をRPAを導入することで25~50%の人件費削減が可能とも指摘されています。

さらに、RPA導入の代表的なメリットとして、業務の効率化の実現が挙げられます。

人間はコミュニケーションや複雑な判断が必要な業務に従事し、単純作業はRPAに任せるという「棲み分け」を行うことで、業務の効率化を進めることが可能です。

人為的ミスを防止できる

人為的ミスにより企業が被る損失の幅が、企業や組織の存亡に関わる規模に拡大するという現象が起きています。

2005年に発生した「ジェイコム株大量誤発注」などはその典型例で、「1株で61万円の売り」を「1円で61万株の売り」と間違って入力したために、最終的に400億円の損失額が発生しました。

人為的ミスが発生すると金銭的な損失だけではなく、ミスのリカバリーのために時間や労働力を割く必要性があります。

しかし人間が作業を行う以上、人為的なミスを100%排除することは不可能です。

そのためルールに忠実に業務を行うRPAに業務を任せ、人間が業務に関わらない環境を作ることが、人為的ミスの予防策になります。

RPAを導入する際の注意事項

これまで検証してきたように、RPAの導入は企業経営の強化に向けて強い味方となるツールでが、デメリットもあります。

そこで最後に、実際にRPAを導入する際の注意事項について解説します。

機能と価格を見て十分な検討を

実際にRPAを導入した企業からの不満の中でもっとも多いのが、「期待したほどの効果が出ない」「コストがかかる」「使いこなせる人材がいない」といった声です。

RPAは月数万円で利用できる、PC操作を記録するだけのシンプルなデスクトップタイプから、初期費用が数百~千万円かかるサーバタイプまで、多種多様な製品があります。

そのためRPAを導入する前には、次のような点を十分に検討すると良いでしょう。

  • 運用する人材のITスキルに見合った製品か
  • 自社で適用したい業務と製品の性能がマッチしているか
  • ユーザーインターフェースの使い勝手は良いか
  • 技術的なサポートなどアフターフォローは万全か

何に対してRPAを使用するかの検討を

RPAはまだ発展途上の技術のため、適している業務とそうでない業務があるのが現状です。

現段階でRPAに適していない業務には、次のようなものがあります。

  • ルールが多い
  • 高度な処理能力を必要と
  • 業務フローが長く、変更が多い
  • 例外処理が多い業務

職場の業務の中には、マニュアルが確立していて、そのマニュアルさえ参照すれば、誰でも簡単に業務を遂行できるものがあります。

一般的にそうした業務はルールがシンプルに明確化されているので、RPAに適した作業といえます。

RPAを導入する前に自社がどんな作業を抱えており、その中のどのくらいがRPAに適した作業なのかを把握しておかないと、せっかく導入しても業務の効率化が図れません。

会社の現状とRPA価格を十分に把握したうえでの導入の検討を

RPAとは、繰り返し行う単純作業をソフトウェアに組み込まれたロボットが人の代わりに行うことで、業務効率化や経費削減をはかることです。

野村総合研究所によると、同社がイギリス・オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士らと行なった共同研究によれば、10〜20年後に日本の労働人口の49%が就いている国内601の職業において、人工知能もしくはロボットで代替可能であるとの推計結果が出たと発表され、大きな話題となりました。

RPAはAIとは異なり、人間が必要な指示を与えることで稼働が可能になります。

RPAを導入する前には、運用する人材のITスキルに見合った製品かや自社で適用したい業務と製品の性能がマッチしているかなどについて検証すると良いでしょう。

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