ニーズとは?ウォンツ・シーズとの違いとマーケティングに活用する方法を解説

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企業が売上拡大を目指す上で、お客様のニーズやウォンツを把握することはとても重要です。一方で、ニーズとウォンツの違いが明確でないという方も多いかもしれません。
今回は混同しやすいニーズとウォンツの違いをはじめ、インサイトやシーズなど関連したキーワードについても解説します。

本記事では、ニーズとウォンツとは何か、そして今後のマーケティング戦略への活かし方について詳しく解説します。

ニーズ・ウォンツとは?意味を解説

ここでは、「ニーズ」「ウォンツ」とともに、関連語である「シーズ」の意味について解説します。

ニーズとウォンツの違いは?


ニーズ・ウォンツはマーケティングで使われる用語で、「ニーズ」は顧客が抱えている問題、「ウォンツ」はその問題を解決するために具体的に欲しているものを指します。

たとえば、「喉がかわいた」という問題を抱えている人がいるとしましょう。この抱えている問題がニーズです。

「ニーズ」は、顧客が抱えている問題や、その問題を抱えている状態のことを指します。ニーズの中には、自身の問題を自覚していない「潜在ニーズ」と、自身の問題を自覚している「顕在ニーズ」の2種類があります。

一方、そのニーズを満たすために、「ジュースが飲みたい」といった具体的な願望が生まれます。これがウォンツです。

「ウォンツ」は抱えている問題を解決するために欲しているもののことで、サービス商品そのものを指しています。ウォンツにはニーズを具体的に解決する「基本ウォンツ」、ニーズ解決へ細かい条件が伴う「条件ウォンツ」、ニーズは当然満たされるということを期待する「期待ウォンツ」の3種類があります。

企業は「喉がかわいた」というニーズや、「ジュースが飲みたい」というウォンツを持った消費者に合わせて商品を届けることになります。

ニーズ・ウォンツ違い:編集部作成
▲ニーズ・ウォンツ違い:編集部作成

2種類のニーズ

ニーズには、
・お客様自身が自覚している「顕在ニーズ」
・お客様自身では自覚していない「潜在ニーズ」
の2種類があります。

たとえば「お客様からのお問い合わせ対応業務を効率化したい」潜在ニーズには、
「お問い合わせ対応業務に精一杯でピリピリした職場環境を変えたい」という管理者層の潜在ニーズがあるかもしれません。
マーケティング活動において、顕在的ニーズを満たすだけでなく、いかにお客様の潜在的ニーズを掘り起こせるかが鍵となります。

「シーズ」とは?ニーズとウォンツとの違いを解説


ニーズとウォンツに関連して、「シーズ」というビジネスワードがあります。

シーズは企業が問題解決のため保持している材料のようなモノやノウハウといったサービス、技術などの資源のことです。

シーズはそのままでも価値がありますが、顧客のニーズに合わせ改変することで、販売数の向上につながります。

ニーズとウォンツをマーケティングに活用するには

商品サービスの開発で顧客のニーズとウォンツを考慮することは、非常に重要です。そして顧客のニーズとウォンツの高低は、顧客の購入活動を左右しているため、その属性を知ることもマーケティング活動には欠かせません。

マーケティングにおいて必要なニーズとウォンツについて解説します。

ニーズ、ウォンツに基づく顧客の定義づけ

ニーズとウォンツの工程により、顧客は4つの層に分解できます。

  1. ニーズ・ウォンツ両方が高い顧客は1%
  2. ニーズが高く、ウォンツが低い顧客は約9.5%
  3. ニーズが低く、ウォンツが高い顧客も約9.5%
  4. 残りの80%以上の顧客はニーズ・ウォンツ両方において低い状態

この80%以上のニーズ・ウォンツ共に低い顧客にいつか自社の商品を購入してもらうためには、メールマガジンなどを活用し、顧客にメリットのある情報を伝えていくといった継続的な広報活動が必要です。

ニーズ把握にあたって

顧客の抱えるニーズの中には、自身の抱えている問題を自覚していない「潜在ニーズ」があります。

既に自己の欲求が表面化している顕在ニーズは、すでに多くの競合企業がモノやサービスを提供していることが多く競争が激しい市場です。

そのためいかに他の商品サービスと差別化するか、顧客の潜在ニーズの把握が重要となります。

潜在ニーズ・顕在ニーズの違いは?調査方法と事例3選を紹介

潜在ニーズとは、消費者自身が気づいていないニーズのことを指します。マーケティングにおいては、こうした消費者自身が気付いていないニーズを企業の側が提示することで、消費者に新たな気付きを与え、購買へとつながることが期待できます。本記事では、潜在ニーズの特徴や探り方について紹介します。目次潜在ニーズとは潜在ニーズと顕在ニーズの違いマーケットインとプロダクトアウト潜在ニーズの調査方法と成功事例3選1. ニューロリサーチによる共感度測定:フリスクの事例2. 行動ログ分析×アンケート調査:リノべるの事...

商品開発に必要なのはニーズか、ウォンツか

商品を開発するにあたり、生活に必要だから購入しなければならないというニーズだけを満たすものは、価格競争に陥ります。

モノに溢れた現代社会で顧客にとって商品を買うかどうかの決定的な決め手になるのは、競合と差別化できるウォンツです。

顧客の欲求を満たすウォンツは、ニーズを達成するための手段であるため、商品開発の時点で両方把握しておくことが大切です。

ニーズ・ウォンツの変化

基本的なニーズを満たしてくれる商品に囲まれている現代に自社の商品を購入してもらうには、近年の傾向を知ることが大切です。

ここでは、近年、ニーズとウォンツがどのように変化しているのかについて解説します。

価値の差別化が必要

現代はモノが溢れた時代のため、値段や基本的なニーズを満たしているだけでは顧客に商品を手にとってもらうことが難しくなっています。

そこで顧客に自社商品を選んでもらうためには、「+ α」の価値の差別化が重要です。

ブランドの価値観や売り上げの一部が寄付されるといった社会貢献性は、顧客に選んでもらうための一つの価値になります。

コロナ時代におけるニーズとウォンツ

デジタルマーケティングエージェンシーの株式会社エフアイシーシー(FICC)は、20歳以上の一般男性と女性1,812人に2020年5月14日〜5月18日に、この数か月でどのように顧客のニーズが変化したのか調査しました。

この調査結果では、顧客ニーズが衛生やメンタルヘルスの改善やストレスの緩和といった個人に重きを置いた要素において高くなったことが明らかになりました。

同時に、安全性が担保されていることや社会の要請に応じ、組織として社会に対する責任を遵守するといった要素が顧客から喜ばれることがわかりました。

購入後の顧客関係の重要度が高まる

商品を購入した顧客との関係が潜在的なニーズの源にもなります。

これは、商品を修理に出した後に顧客が欲しているのは、修理を担当した従業員からの説明であることがわかったなど、企業のアフターフォローの方法に潜在的ニーズが隠れている可能性があることを意味しています。

毎年機能がアップした新商品が発売されるApple社のCMのように、その商品を持つことで変化する生活像を語るのも効果的です。

そして米アパレルのNordstromは、店舗をただ商品を販売する場所ではなく、顧客が商品の受け取りや交換などさまざまな体験をするためのコミュニティーとして経営するなどして、顧客関係の持続を見据えています。

ニーズ・ウォンツを踏まえたマーケティング戦略が効果的な販促につながる

商品サービスを開発、提供するにあたり、企業は顧客の目的である「ニーズ」と手段である「ウォンツ」を正しく理解することが重要です。

ニーズとウォンツの把握は、商品開発のみならずその後の販促や広報活動にも活用できます。

しかし、現代のようにモノが溢れかえっている時代にヒット商品を生み出すためには、ニーズとウォンツの変化に迅速に対応する対応力も必要です。

どのような商品サービス、経営方法が求められるのか、ニーズとウォンツを見据えたマーケティング戦略が、売上増加には効果的といえるでしょう。

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    口コミラボ編集部

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