LINEは10月15日、新しいサービス機能の「LINEマーケットプレイス」の提供を開始しました。
LINEマーケットプレイスは、LINE公式アカウントのサービスを拡張するアプリケーションを購入・導入できるサービスです。
本来自社開発しなければならないような機能がアプリケーションとして提供されており、LINE公式アカウントでのプロモーションや、予約・問い合わせの受付といったユーザーの利便性向上が容易となります。
本記事では、LINEマーケットプレイスのメリットや注意点とともに、実際の利用手順や提供されているアプリケーションの解説をしていきます。
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LINEマーケットプレイスとは
2020年10月15日にLINE社が提供を開始した「LINEマーケットプレイス」は、LINE公式アカウントを利用する法人に向けたサービスです。LINE公式アカウントで使えるアプリケーションを提供したい企業と、アプリケーションを利用したい企業をつなぐ役割を果たします。
LINEマーケットプレイスでは、LINE APIと接続して使用できるアプリケーションを販売・購入できます。
※APIとは、ソフトウェアやアプリケーションを公開し、その機能を共有する仕組みのことです。LINE APIは、チャットボットやアプリなど、LINE公式アカウントで使える機能を開発・利用できるものとなっています。
アプリケーションのカテゴリには「メッセージを効果的にする」「予約を受付する」「注文を受付する」「問い合わせに対応する」「イベントで利用する」「採用活動に利用する」「店舗で活用する」「キャンペーンを行う」の8つがあり、現時点で19個のアプリケーションの提供を開始しています。
何ができるようになる?:ローコストで高品質なアプリケーション導入
LINEマーケットプレイスのサービス提供によって、LINE公式アカウントで具体的に何ができるようになるのか、2つのメリットを解説します。1. 自社開発せず、ローコストで手軽にアプリケーションを導入できる
これまでLINE公式アカウントで複雑なサービスやマーケティングを行う場合、LINE APIと接続できるシステムの開発が必須でしたが、LINEマーケットプレイスではLINE公式アカウントの機能を拡張できるアプリケーションを提供しており、自社開発などの多大なコストを払うことなく、目的に合ったアプリケーションを費用を抑えて導入することが可能になりました。
また、LINEマーケットプレイスでのアプリケーションの購入と導入はオンラインで完結するため、検討から実際に導入するまでを短期間で実現できます。
2. LINEとの親和性が高く、高品質なアプリケーションを導入できる
LINEマーケットプレイスで提供されるアプリケーションは、LINEのソリューション提供パートナーとなっている企業によって開発されたアプリケーションのため、LINEとの親和性が高いアプリケーションが提供されます。
また、すべてのアプリケーションはサービス提供開始前にLINE社によって審査されるため、アプリケーションの品質の高さと安全性が確保されることも大きなメリットです。
LINEマーケットプレイス利用の注意点は?
LINEマーケットプレイスを利用する際の3つの注意点について解説します。
1. LINE公式アカウントの応答モードの設定により、導入できるアプリケーションが異なる
開設しているLINE公式アカウントの応答モードで、「Botモード」「チャットモード」どちらを設定しているのかにより、導入できるアプリケーションが異なります。アプリケーションの詳細画面で「Botモード」「チャットモード」のどちらで導入可能なのかを確認してください。
2. 複数のアプリケーションを同時に利用できない
LINEマーケットプレイスで提供されているアプリケーションは、同時に複数を利用できません。どれか一つのアプリケーションだけを厳選して導入します。
3. Messaging APIとは同時に利用しないようにする
LINEマーケットプレイスで提供されるアプリケーションは、LINEが提供している「Messaging API」と同時に利用すると、正常に動作しないことがあるようです。
※LINE Messaging APIとは、チャットを自動化するチャットボットを作成し、応答メッセージの送受信を行うなどの開発ができるAPIです。
そのため、LINEではLINEマーケットプレイスのアプリケーションとMessaging APIを同時に利用しないよう推奨しています。
LINEマーケットプレイスのアプリケーション、価格の相場は?
LINEマーケットプレイスで購入できるアプリケーションは、現時点ではすべて月額制で提供されています。サービスの内容にもよりますが、一番価格が低いものでは月額3,000円、一番高いものでは月額100,000円となっています。
これから新しいアプリケーションが追加されたとしても、月額3,000円から100,000円の価格帯での提供となると思われます。
LINEマーケットプレイスの導入によって、自社での開発不要で比較的に安価でアプリケーションが導入できるため、これまでLINE公式アカウントを上手く活用できていなかった中小企業や個人経営の店舗・施設などでも、LINE公式アカウントでのチャットボット導入など、複雑な運用が可能となるでしょう。
LINEマーケットプレイスからのアプリケーションの導入方法
LINEマーケットプレイスからアプリケーションを導入する手順を解説します。1. LINE公式アカウントを開設する
LINEマーケットプレイスを利用するにはLINE公式アカウントの開設が必要です。
まだLINE公式アカウントを開設していない場合は、LINE Business IDを取得し、LINE公式サイト内のLINE公式アカウントの開設ページから登録します。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
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2. LINEマーケットプレイスからアプリケーションを探す
LINE公式アカウントを開設したら、LINEマーケットプレイスにアクセスし、トップページ上部の「アプリ」またはトップページ下部の「すべてのアプリを見る」をクリックし、提供されているアプリの一覧を表示します。
アプリケーション一覧で、導入したいアプリケーションの「詳細を見る」をクリックします。
利用したいアプリケーションが、「Botモード」「チャットモード」どちらに対応しているのか確認しましょう。自社アカウントのモードに対応しているアプリケーション以外は利用できません。
3. アプリケーション提携企業の公式サイトで申し込む
アプリケーションの販売元である提携企業の申し込みページに移動します。アプリケーションの提供方法や購入の手続きは販売元の提携企業によって異なるため、手順をよく確認して申し込みを行いましょう。
4. 購入したアプリケーションとLINE公式アカウントを連携する
アプリケーションの申し込みページの案内に従って契約が完了すると、購入したアプリケーションとLINE公式アカウントとの連携やアプリケーションの初期設定ができるようになります。
あとは個別のアプリケーションの設定を進め、LINE公式アカウントを活用していきます。
LINEマーケットプレイスで提供されているアプリケーション
2020年10月15日からサービスが開始されたLINEマーケットプレイスでは、現在8つのカテゴリーで19個のアプリケーションが提供され、さらに3つのアプリケーションの提供が予定されています。ここでは提供が開始されている19個のアプリケーションを、以下の6つのニーズごとにまとめます。自社が何を実現したいのかに合わせて、最適なアプリケーションを選ぶと良いでしょう。
- 予約を受け付けたい
- 注文を受け付けたい
- 問い合わせを受け付けたい
- プロモーション・イベント・キャンペーンなどを実施したい
- 新型コロナウイルス対策を実施したい
- 採用を管理したい
1. 予約を受け付けたい
<Lイベント>
- 月額:9,800円
- 機能:イベントの予約からチェックインまでをLINE公式アカウント上で完結できるアプリケーションです。イベントの予約受付、QRチェックイン機能、来場者管理などが行えます。
<かんたん予約アプリ「ポチコ」>
- 月額:3,000円
- 機能:ヨガや料理教室などの習い事、整体やマッサージなど時間割と定員があるさまざまなサービスに対応した予約受付アプリケーションです。「より簡単に予約できる」「より楽に予約管理できる」「店舗と予約客をチャットで繋いでより良い関係性をつくっていく」を実現できます。
<リピッテ ビューティー>
- 月額:8,000円
- 機能:LINE公式アカウントを利用した自動予約管理システムのアプリケーションです。ヘアやネイルなどの美容系サービス以外にも歯医者やスポーツジムなどさまざまな業種形態で利用できます。
2. 注文を受け付けたい
< Lモバイルオーダー>
- 月額:9,800円
- 機能:飲食店のLINE公式アカウント上でテイクアウト注文・来店予約・店内注文などが実現できるモバイルオーダーのアプリケーションです。また、店内での決済やLINE Payでの事前決済にも対応しています。
<テイクアウト注文くん>
- 月額:10,000円
- 機能:飲食店のLINE公式アカウントでテイクアウトの注文ができるアプリケーションです。LINE上で注文、決済、日時の指定ができ、LINE Pay決済やクレジットカード決済にも対応しています。
3. 問い合わせを受け付けたい
<お店でhachidori AIチャット>
- 月額:10,000円
- 機能:LINE公式アカウントをAIチャットボットで自動化し、人員や手間などのコストを軽減しながら来店を促進するアプリケーションです。営業時間、本日の営業、店舗までの経路など定型的な問い合わせに24時間365日休まず自動応答で対応できます。
<SmartPleasure>
- 月額:25,000円
- 機能:LINE公式アカウントのトーク画面上で、トーク形式の情報検索やFAQ、位置情報で探せる店舗検索などができるアプリケーションです。独自の管理画面から簡単にデータや検索メニューの追加・編集できるので、頻繁な更新にも対応できます。
<SmartPleasurePRO>
- 月額:45,000円
- 機能:LINE公式アカウントのトーク画面上で、トーク形式の情報検索やFAQ、位置情報で探せる店舗検索などができるアプリケーションです。「SmartPleasure」の機能に、さまざまに対応できる柔軟性の高いクーポン機能や複数のスタンプカード機能が加わります。
<「かわりに聞くね」Kawarii>
- 月額:4,000円
- 機能:LINE公式アカウントで接客対応を補助するチャットボットの作成・応答のアプリケーションです。「予約人数」「検索エリア」など、利用客の情報や問い合わせなどについて自動でヒアリングできます。「かわりに聞くね」Kawariiの通常版では1か月間の接客数の上限が50人までとなります。
<「かわりに聞くね」Kawarii PRO>
- 月額:30,000円
- 機能:LINE公式アカウントで接客対応を補助するチャットボットの作成・応答のアプリケーションです。「予約人数」「検索エリア」など、利用客の情報や問い合わせなどについて自動でヒアリングでき、1か月間の接客数の上限がなくなります。
4. プロモーション・イベント・キャンペーンなどを実施したい
<AutoLine for マケプレ>
- 月額:50,000円
- 機能:Webサイトでの行動履歴を利用したLINEのプッシュ配信の最適化アプリケーションです。ECや求人メディアなどの大規模アカウントでの運用実績があり、高い配信コスパフォーマンスが実現できます。
<SC121 mini>
- 月額:100,000円
- 機能:SC121 miniは電通テックとの共同開発で、LINEからの投稿画像の収集、収集画像のオウンドメディアへの掲載、投稿者へLINEでアフターフォローなどが簡単に出来るアプリケーションです。ユーザーの間口拡大、画像投稿者に対して新商品の告知など継続的な顧客管理が可能です。
<診断メーカー>
- 月額:9,800円
- 機能:LINE公式アカウントのトーク画面上で最短5分で簡単に動く診断コンテンツが作成できるアプリケーションです。ユーザーごとの診断コンテンツの回答履歴が確認できます。
<診断メーカー+>
- 月額:19,800円
- 機能:LINE公式アカウントのトーク画面上で最短5分で簡単に動く診断コンテンツが作成できるアプリケーションです。「診断メーカー」の機能に、診断結果をもとにメッセージのセグメント配信機能が加わります。
<れこぐる>
- 月額:3,000円
- 機能:学習塾や美容系のサロンなどでQRコードを使用してチェックインとチェックアウトができるシンプルなユーザー管理アプリケーションです。店舗のLINE公式アカウントから送られてくるQRコードを提示することで、店舗側がユーザーの入店と退店の日時を管理できるシンプルな機能です。
5. 新型コロナウイルス対策を実施したい
<来店者追跡アプリ>
- 月額:3,000円
- 機能:LINEを活用して店舗やイベントなどのオフラインでの来場者をトラッキングできるアプリケーションです。自社のLINE公式アカウント上で利用客ごとに個別に発行されるQRコードを表示しスキャンすることで来店が記録されるので、新型コロナウイルスの手軽な追跡ツールとしても活用できます。
<おもてなし Plus by SPIRAL>
- 月額:9,800円
- 機能:ホテルや旅館などのLINE公式アカウントへ整理券発行、チェックインクーポン、デジタルパンフレットの3つの機能を加え、利用客へ「安全・お得・便利」を提供するアプリケーションです。新型コロナウイルス対策として、非接触でのサービス提供や館内の混雑回避などに役立ちます。
<利用者特定サービス>
- 月額:100,000円
- 機能:会議室や施設など不特定多数が利用する施設の座席などにQRコードを設置して、友だち登録している施設利用者がQRコードを読み取ると有益な情報がLINEで受け取れるアプリケーションです。新型コロナウイルスの追跡ツールとしても活用できます。
6. 採用を管理したい
<採用チャット&管理「コネコ」>
- 月額:5,000円
- 機能:採用面談や説明会などの日程調整や申し込み状況をLINEで管理できる採用活動を支援するアプリケーションです。「より簡単な日程調整」「応募者とフランクで親密な関係をつくる」「人事チームでの情報共有・共同作業を促進する」を実現できます。
まとめ
LINE社は、今後の多様なニーズに対応するため、提供するアプリケーションの数やカテゴリの拡充を行っていきLINEマーケットプレイスの充実化を進めていくとしています。2021年1月にはLINEを活用するノウハウをパッケージ化した企業向けの「運用サポートパック」も提供される予定です。
サービス開始からまだ間も無いLINEマーケットプレイスは、ローコストで手軽に利用できることから、大企業だけでなく中小企業でも活用されていくでしょう。今後の新しいアプリケーションの提供などにも期待です。
<参照>
LINE公式サイト:LINE、自社開発なしでLINE APIと接続できるアプリを提供する「LINEマーケットプレイス」をオープン
LINE for Business:LINEマーケットプレイスとは|サービス概要、利用方法
LINEマーケットプレイス:LINE公式アカウントをもっと便利に、もっと手軽に
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