DSA(動的検索広告)とは、Googleが提供している検索広告の1つの機能のことを指します。広告主のWebサイトと関連しているキーワードを検索しているユーザーに、Googleが自動で広告をつくり表示するというものです。
マーケティング戦略の一環として、Web広告に注力している経営者や担当者が多くいるでしょう。広告は顧客の目にとまり、自社サイトに訪問してもらう効果的な仕組みづくりが大切です。
そのためには、顧客が自社の商品やサービスに関連した内容を検索した時に、漏らすことなく検索結果に表示されなくてはいけません。そこで顧客の検索キーワードによりフィットした広告が注目されます。
今回は、DSAの概要、メリットとデメリット、実際の活用方法を解説します。
DSAとは?
企業は多く検索されるキーワードを分析し広告表示に活用しますが、キーワードやキーワードの組み合わせは変化が大きく、全てを網羅することは難しいでしょう。
自社サイトの内容をもとにGoogleが自動で広告文表示やキーワード設定を行い、キーワードの未設定などにより顧客損失の防止が期待できる機能が「DSA」です。概要とDSA広告の活用に適した業種などについて解説します。
DSA=「Dynamic Search Ads」の略
「DSA」とは、「Dynamic Search Ads」の略称で「動的検索広告」を指します。自社サイトのタイトルやテキストをもとに、自社に関連のあるキーワードの選定をGoogleが自動で行う機能です。
Googleが2019年12月に発表した「2019年Google検索ランキング」によれば、日本で最も検索されたキーワードは「台風19号」、次いで「令和」「ラグビーワールドカップ」でした。
ランキングから分かる通り、検索キーワードは時事的な影響を強く受けるもので、日々大きく変化しています。
また、2013年のGrow Business with Google & Google Partnersでの発表では、企業側が入札したキーワードと顧客が検索したキーワードが完全に一致しない割合が70%と報告しています。
膨大にあるキーワードの中から、自社の商品やサービスに関連したキーワードを漏れなく設定するのはただでさえ労力のいる作業で、時事的キーワードや顧客の検索法にフィットするキーワード設定は困難です。
そこでDSA広告を使用すると、Googleが自社サイトの情報をもとにして関連のある検索キーワードに対し自動で広告分表示を行うため、前にあげた作業負担が軽減されます。
さらに関連のある検索キーワードを自動で判別、設定するので、キーワードの見落としによる顧客損失の機会を未然に防止できます。
DSAと相性のいい広告主は?
DSAの概要を見ると、設定していないキーワードを検索した顧客にもアプローチができてターゲット層が広がり、メリットが大きいように感じます。しかし業種やWebサイト広告の展開目的によっては適さない場合があります。
DSAを使用することで効果がより期待できるのが、さまざなま商品やサービスを持っている広告主です。
商品が多いとそれに対応するキーワードも多くなり、設定する労力や費用面でもかさみます。
そのため商品の種類やサービスの種類が多い事業では、DSAにより労力と運用コストを抑えられます。
また、しっかりとしたSEOが構築されたサイトもDSAに適しています。
SEO構築はもともと上位表示されやすいようなキーワードを重要項目としているため、DSAを用いればより関連ワードと紐付けられる可能性が高まります。
DSAのメリット・デメリット
DSAを利用する上でのメリットデメリットについて解説します。
DSAのメリット
メリットを以下の4つにわけて解説します。
(1)作業時間の短縮
通常の広告を作成する場合、検索されやすいキーワード情報を収集し、そのキーワードを前提とした広告文やタイトル、テキストを作成するなど、何かと手間がかかります。
DSAではタイトルやテキストなどから関連のあるキーワードを選んで設定し、なおかつ広告文を自動作成して広告表示してくれるので、キーワードの収集や設定の時間を削減できます。
(2)キーワードの網羅性向上
DSAは関連キーワードを自動抽出することで、手動で設定するよりもより多くのキーワードを網羅でき、見込み顧客を逃しません。
(3)広告表示の最適化
広告は一度出して終わりではなく、日々情報を更新する必要があります。また、宣伝している商品が品切れしている場合も想定されます。
例えば品切れしている商品の広告は自動表示から除外するなど、広告内容の更新や商品在庫に応じて最適な広告を表示します。
(4)コンバーション率の向上
サイトを訪問した人が商品を購入するなど成約に至ることをコンバーションと言いますが、DSAで顧客のニーズに合致した広告表示が可能になれば成約の可能性が高まります。
作業負担を軽減しながら収益の拡大が望めますので、費用対効果も高いと言えるでしょう。
DSAのデメリット
先にも述べたとおり、ひとつの決まったキーワードを軸にプロモーションを展開している場合には、キーワードを多く拾い集めることはメリットになりません。
デメリットを以下の2つにわけて解説します。
(1)タイトルやリンク先を指定できない
DSAは自動で広告タイトルやリンク先を作成するメリットがありますが、広告タイトルにこだわりたい、リンク先を指定したいというユーザーには向きません。
また広告タイトルはページ内容に左右されるため、意図しないタイトルとなる可能性があります。
(2)定期的なキーワードの除外が必要
関連性が高いと判断し設定されたキーワードの中には、不要なものも混在します。
そのまま設定していてもクリックやコンバーションにつながる可能性が低い場合は、キーワードを除外しなくてはいけません。
DSAの設定方法
最後に、実際にDSAを使用する場合の具体的な流れを解説します。
1. DSA用のキャンペーンを作成する
ここで実施するのは、キャンペーンの基本設定と、その一部である動的検索広告の設定です。
Google広告の「キャンペーン」から、「新しいキャンペーンを作成する」を選択し、キャンペーン作成を開始します。
キャンペーン目標は特に決まりはなく、続いてキャンペーンタイプの選択で「検索」を選択します。
キャンペーン名の入力画面で、下にある「検索ネットワーク」と「ディスプレイネットワーク」のチェックについて、検索ネットワークのみチェックが入った状態にします。両方入っていると他の機能と併用できなくなる可能性があります。
その下にある「動的検索広告」の詳細設定を行うことで、DSAを利用したキャンペーンを開始することになります。
そのほかの目標設定や単価設定は、これまでのリスティング広告実施時などと変わりません。
2. 対象のウェブページを設定する
1.の「動的検索広告」をクリックすると、「ドメイン」と「ターゲティングソース」を入力する詳細ページになります。
ドメインの入力は「http://」や「www」は不要で、その続きから入力します。
ターゲティングソースは「ウェブサイトのGoogleインデックスを使用する」に、チェックを入れます。
予算や入札単価を選択して次へ進みます。
3. 広告を設定する
広告の設定ではグループ名の決定が求められますが、管理しやすいものを自由に決めて構いません。
次いで、広告に出したいランディングページを選択します。
さらに、自動生成されるタイトルの下に表示される広告文を指定します。
4. 動的広告ターゲットの設定
3.の「広告に出したいランディングページ」、すなわち動的広告ターゲットの選び方について解説します。
ターゲットの選択肢は3つです。
- 「お客様におすすめのサイトのカテゴリ」
- 「特定のウェブページ」
- 「すべてのウェブページ」
3が全ページを自動広告作成の材料とし、1は自動分類された推奨カテゴリに属するページが、2は条件にあったページが広告材料になります。
1ではカテゴリの選択、2ではターゲットにする特定のURL入力を行います。
DSAを使って効率的なプロモーションを
自社の商品やサービスと顧客をつなぐ検索キーワードは、Web広告に不可欠な一方で抽出と設定の作業負荷が大きく、最適を導くのに試行錯誤を必要とします。
DSAを導入してGoogleが広告文を自動で作成すれば、作業負荷や作業時間が減らされ、その分違う作業に労力を使うことができるでしょう。
関連あるキーワードの設定と不要なキーワードの除外によって、入札単価が適正にコントロールされますから、無駄なコストも削減できます。DSAの活用は、費用対効果の高い広告戦略の実施が可能です。
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