Z世代とは1990年代後半から2010年代前半ごろまでに生まれた世代のことを総称する言葉です。
この言葉の語源は、アメリカで1965年から1980年頃までに生まれた世代を『ジェネレーションX』という小説(ダグラス・クープランド著)からとって「ジェネレーションX(X世代)」と総称していたことに由来します。アルファベット順で、この後の世代は「ジェネレーションY」「ジェネレーションZ」と呼ばれています。
世界各国で、消費者像には生まれた世代ごとに特徴があるとされており、その特徴をマーケティングに活用する動きが広がっています。
ここでは世代間での考え方や価値観の違いについて紹介し、日本のZ世代への最適なアプローチ方法を探ります。Z世代とミレニアル世代の違い、何歳が対象?
Z世代は、2020年現在24歳以下の世代にあたる、1995年以降に生まれた人々を指す言葉です。同じく消費の担い手である、1980~1990年代中盤に生まれたY世代とは異なる特徴をもちます。Y世代はミレニアル世代とも呼ばれます。
それぞれの世代の現在の年齢と人口構成比率、特徴について紹介します。
Z世代の定義
国際連合の公開しているデータによると、2020年現在において5~24歳を迎えている世代は、世界の人口の約32%、日本の人口の約18%を占めます。1995年以降、Windows95の登場によりパソコンやインターネットが急速に社会に普及しました。
Z世代が学生時代を過ごした期間でもある2000年代後半には、iPhoneやAndroid端末が登場し、スマートフォンの普及が拡大しました。
Z世代は、デジタルネイティブの最初の世代とされるY世代よりもさらにテクノロジーに精通し、SNSによって人とのつながりを重要視している点が特徴で、ソーシャルネイティブとも呼ばれます。 今後の社会において消費行動の中心になる彼らのもつ情報収集の方法、思考、人生観のいずれも他の世代と異なることを理解し、適切なアプローチでマーケティングを進めることが必要になります。ミレニアル世代(Y世代)の定義
ミレニアル世代は、Y世代とも呼ばれ1970年代後半から1990年代前半ごろに生まれた世代を指します。 国際連合の公開しているデータによると、2020年現在において25~44歳を迎えている人口は、世界人口の約29%、日本の人口の約23%を占めます。Y世代の成長した時代はデジタル化が急速に広がった時期と重なっているため、Y世代の人々には比較的高い情報リテラシーをもってインターネットを積極的に活用する姿勢が見られます。
Z世代の4つのカテゴリー
株式会社dot、株式会社ループス・コミュニケーションズ、株式会社4thが運営する「Z世代会議」が2017年に日本国内在住の16~35歳2,824名を対象に実施した調査によると、Z世代やY世代に該当する人々の特徴は大きく分けて4つのタイプに分類できるとされています。 年代や性別でそれぞれのタイプに該当する人々の割合が異なる点も、適切なアプローチをするうえで見逃せないポイントです。 「人生ガチ勢」はリーダー気質をもち、前向きで人生を楽観的にとらえる傾向にある一方で、伝統的価値観を重視する側面ももっています。このような価値観をもつ層は、男女とも各年代ともに25%前後を占めています。 「省エネペシミスト」は、対照的に人付き合いが得意でなく悲観的に物事を捉える傾向にあります。努力や頑張ることを避け、こだわりが少ない点が特徴です。女性に多くみられ、特にY世代に該当する29~35歳女性の37%を占めるタイプという結果が明らかになっています。 「ソーシャルよいこ」はSNSを頻繁に使用するため最新の情報や流行などに敏感で、投稿内容をはじめ他人からの目が気になる傾向にあります。若年層に多くみられるタイプで、Z世代に該当する16~21歳女性の28%を占めています。 「様子見フォロワー」は、共通する特徴が少なく、その他大勢を占める層だと考えられます。男性の40%前後を占める一方で、女性に占める割合は20%台となっており、自身の価値観やライフスタイルを明確に意識している割合が女性の方が高い傾向にあることがうかがえます。Z世代の持つ価値観や性格
Z世代のもつ性格の特徴として代表的なものを紹介します。Z世代ならではの価値観を理解することで、ターゲットに対して効果的な宣伝が出せます。デジタルリテラシーが高い
Z世代は、生まれたときから既にインターネットが発達し、学生時代からスマートフォンを使いこなしているソーシャルネイティブ世代です。 特に高いネットリテラシーをもっているという自信をもち、プライバシーに対する意識が高い点が特徴です。 また、AIなど先進的なテクノロジーに対して楽観的な姿勢をとっている点も特徴的です。オープンなコミュニケーションを重視する
ソーシャルネイティブとしてSNSを活用したコミュニケーションを重視するZ世代は、複数のSNSサービスや同一サービス内でもコミュニティごとにアカウントを使い分ける傾向があります。 また、企業の提供する製品やサービスについて、SNS上の評判や口コミなど様々なチャネルから情報を獲得できることを知っており、必要な情報に応じて情報源を使い分けます。ダイバーシティー&インクルージョンを重視する
アメリカのメディア企業であるAwesomenessとTrenderaがZ世代を対象に行った調査によると、約30%の人が人々の平等について最も考えている世代であると考えていることが分かりました。 また、多様性に対する意識も他の世代と大きく異なるという調査結果も明らかになっています。Z世代の80%がブラック・ライヴズ・マター運動、74%がトランスジェンダーの権利が社会に受け入れられるべきものだと考えています。このように、Z世代では人権といった社会問題についての意識が高いとされています。
Z世代の消費行動における4つの特徴
Z世代では、デジタルリテラシーが高く、SNSを利用したコミュニケーションを特に利用することや、ダイバーシティにも関心が強いことが分かりました。こういった性格を持ち合わせる彼らの消費特徴として代表的なものを紹介します。1. 質を重視する
Z世代は、高度に発達した情報化社会においてデジタルネイティブとしての高いリテラシーをもつため、さまざまな情報源から情報を獲得し、商品の質を確かめています。SNSを利用した商品のマーケティングにより、これまで以上に多くの商品に触れる機会が増え、商品を購入する際に品質や価格の妥当性を考えるきっかけになったと考えられます。2. 個性の表現を重視する
近年では、広いターゲットを対象としたマスマーケティングから、個々人の要望により柔軟に応えることのできるマスカスタマイゼーションへの移行が進んでいます。 これは、周囲が買う製品を同じように買うことに対して強い意識が働く傾向にあったミレニアル世代と対照的に、個性を重視する傾向にあるZ世代に対して有効なアプローチと考えられます。 話題性のあるものに対しての意識も敏感ですが、そのなかで特に心を動かされるユニークさや自分らしさを表現できる製品、サービスを利用する傾向にあります。3. コト消費を重視する
Z世代は、安定志向で比較的禁欲的とされていますが、他の世代と比較して体験や娯楽への支出が高い傾向にあります。 消費者庁の調査によると、現在お金をかけているものとしてスポーツ観戦・映画・コンサート鑑賞を挙げた割合は若年層ほど高く、特に15~19歳の世代は34%と最も高い割合を占めました。 インターネット経由で手軽にモノが手に入る環境が広がったことにより、臨場感のある娯楽コンテンツを楽しむ経験の価値が相対的に高まったといえます。
コト消費とは
訪日中国人による「爆買い」に代表される「モノ消費」は一世を風靡しましたが、市場の成熟と共に下火になりました。現在の消費者のトレンドは、物質的な豊かさではなく精神的な豊かさをより重視する「コト消費」へと推移しています。昨今ではそれをさらに発展させた「トキ消費」や「イミ消費」も注目を集めています。新型コロナウイルスの感染拡大は、店舗運営の自粛や縮小につながり、店頭での消費を大きく減少させました。実店舗を有する事業者は、これまで以上に「コト消費」のトレンドを取り入れ、商品開発や販売方法に活かす必...
Z世代の特徴をおさえたアプローチを
Z世代はインターネットが既に発達した世代に生まれ育ち、他の世代と大きく異なる特徴をもちます。各個人の多様性や自分らしさを重視するため、画一的なイメージよりも自由なイメージを押し出すことが効果的です。また、SNSをはじめとして複数の情報源をもつため、製品やサービスの質に対する評判に対する関心や、企業の行う社会貢献活動への注目度が高まっています。
Z世代の特徴を押さえ、心を掴む適切なアプローチに取り組むことは今後ますます重要になります。<参照>
United Nations:World Population Prospects 2019
PR TIMES:若年層の価値観・ライフスタイルに関する調査 「Z世代レポート2018」発表
Who is Gen Z? How teens are consuming content
消費者庁: 平成29年版消費者白書目次 第1部 第3章 【特集】若者の消費
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