ゲーム理論とは|「囚人のジレンマ」からパレート最適、ナッシュ均衡も理解

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ゲーム理論は、競争関係にある複数の立場の人々が下す意思決定や、起こす行動を解明するための学問です。スポーツの試合など、競争が起こる場面であればどこであってもこの理論が潜んでいます。

ゲーム理論は経営学にも使われており、競合他社との間で最適な意思決定を下すためには有効であるとみられています。

この記事では、ゲーム理論の概要や、囚人のジレンマ、ナッシュ均衡、パレート最適などの関連する事柄、ゲーム理論で説明できる事象について解説します。

ゲーム理論とは

ゲーム理論とは、自分と他者との間に利害関係があるときの意思決定について探求する学問です。

初めは経済学で使われていた理論ですが、現在では企業の経営戦略やスポーツなど、あらゆる場面で活用されています。

以下では、ゲーム理論の概要について解説します。

自分と他者にとって最適な意思決定を探る学問

ゲーム理論では自分と他者の間に利害関係がある際、互いの利益を考慮し、互いに最適な行動をとるという現象について研究したものです。

交渉のように、複数の当事者が存在し、その誰もが損したくないと考える場では、関係者全員が最も得できる結果を導くためのヒントとして機能しています。

ゲーム理論を提唱したのは、アメリカの数学者ジョン・フォン・ノイマンです。ゲーム理論はもともと経済学で使われていましたが、サッカーなどのスポーツの試合や貿易戦争などの競争事象を説明する際にもゲーム理論は有効です。

ゲーム理論は、参加者同士の関係によって、互いに協力する「協力ゲーム」と、互いに争う「非協力ゲーム」の2つのタイプで展開されます。

種類1 : 協力ゲーム

「協力ゲーム」とは、参加者が協力した方が大きな利益が見込める状況のことです。

共通のゴールを目指す参加者が協力することで、それぞれが個々に動くよりも大きな成果を得ることが期待できます。

たとえば、同じ企業で働く社員を想定した場合には、それぞれが単独で目標を追いかけるよりも、お互いの情報を共有するなどの形で協力した方が目標達成しやすいといえます。

こうした企業の内部にとどまらず、企業や業界同士で協力すれば、より大きな利益の獲得につながります。企業の合併や買収、事業提携は、「協力ゲーム」の発想を生かしているといえます。

種類2 : 非協力ゲーム

「非協力ゲーム」とは、参加者同士が対立する状況のことです。

受験や就職活動など、全員が勝者になることはできず、勝者の数が決められている際に「非協力ゲーム」が発生します。

囚人のジレンマ

ゲーム理論を説明する際には、囚人のジレンマというモデルが有名です。

囚人のジレンマでは、2名が協力することとしないことで異なる結果がもたらされる場合、どのような選択肢をとるのかを論理的に導き出し説明しています。各人が個人に最適な選択を下した結果、協力するよりも悪い状況が生まれることを意味する言葉でもあります。

協力すれば相対的に小さな不利益で済み、片方が非協力的な場合そのものが利益を得て、もう一方が大きな不利益をこうむるという条件の場合、両者は結果として非協力的な選択をとります。

囚人のジレンマでは両者とも自白をした場合は懲役10年、両者とも黙秘をした場合には懲役2年という条件を与えられた罪人が登場します。

片方のみ自白しもう一方が黙秘する場合、自白した者だけが償いを免れ、黙秘した者は懲役10年となるという条件も与えられます。

その結果、2人の囚人は相手が自白、黙秘するいずれの場合でも、自分にとって最も不利益が小さくなる「自白をする」という選択肢を取ります。

囚人2人が最も利益を得られるのは両者とも「黙秘する」場合ですが、相手の出方がわからない状況では、それぞれ自分が最も損をしない選択をするため、結果として両者は自白することになります。

A \ B

自白する

黙秘する

自白する 懲役5年 Bのみ懲役10年
黙秘する Aのみ懲役10年 懲役2年

パレート最適とは

パレート最適とは、参加者の誰も不利益をこうむらず、全員の利益が最大となる状況です。

上記で説明した囚人のジレンマにおけるパレート最適は、囚人A・B両者が黙秘をし、懲役2年で済むことです。

ナッシュ均衡とは

ナッシュ均衡とは、自分が選択を変えても自分にとっての利益が増えない状況で、相手の利益は考えず自分にとって最も得をする選択を、複数のプレイヤーがとることです。

双方が自分の利益を考え合理的に動いた結果、協力すれば得られた利益の最大化はもたらされません。

上記で説明した囚人のジレンマの状況でのナッシュ均衡は、AとBの双方が自白をするということになります。

ゲーム理論で説明できる価格競争のからくり

近隣に店舗を構え、ライバル関係にあるカフェA店とカフェB店の価格設定についてもゲーム理論で説明ができます。

店舗では、全く同じ原価で同じ品質のアイスカフェラテを、A店は380円、B店は450円で提供しているものとします。

このように、立地と商品が同じ場合、A店よりも高い値段でカフェラテを提供しているB店には客が集まらなくなってしまいます。

B店は価格を下げ、A店よりも低価格で商品を提供して顧客を取り戻そうとすると考えられます。

ところが、このようなより低価格な商品で消費者を取り合うことは、結果として原価を下回り利益を得られなくしてしまいます。

この場合、利益を確保したいという合理的判断の結果として、商品の販売額を相手よりも下げることはせず、同等な金額で落ち着くということが導き出されます。

ゲーム理論や関連用語は戦略策定に役立つ思考の枠組み

ゲーム理論は基本的な思考の枠組みの一つであり、一見すると合理的でない状況や、自己の選択がどのような考えに支えられているかを理解する手助けにもなるでしょう。 

社会では、利益を分け合う相手や対立する相手がどのような行動に出るかによって、自分にとって最適な選択が決まります。それぞれが己にとって最適な選択を下した結果、協力するよりも悪い結果が生まれることがあるということが、ゲーム理論では筋道を立てて説明されています。

ゲーム理論の考え方は、新しいビジネスモデルの考案や、より効率的な販売方法といったマーケティングの戦略策定に役立つでしょう。

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