バーナム効果とは?マーケティングへの活用事例・4つのコツを解説

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テレビや雑誌で目にする血液型や星座占いの結果を「当たっている」と感じたことが、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

こうした占い結果は、実は占いの対象者を理解して出されたものではありません。「バーナム効果」により、自分のことを言い当てられたと思ってしまっている可能性があります。

本記事では、バーナム効果を分かりやすく解説し、効果的に活用するための4つのコツを紹介します。

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バーナム効果とは

バーナム効果とは、誰にでも当てはまる内容なのに自分を言い当てられたように感じる心理現象のことをいいます。
分かりやすい例では占いが挙げられ、誰にでも当てはまるような漠然とした占い結果をみせても、顧客は自分のことを的確に言い当てられたかのように思い込んでしまいます。
バーナム効果は悩み事やストレスなどの気持ちが塞いでいる時などに、前向きなワードを言われると起きやすいとされます。一度バーナム効果が起きれば、人は自分が信じたい情報を集めてしまうという確証バイアスが働き、バーナム効果はより強化されます。

バーナム効果とは
▲バーナム効果とは:編集部作成

バーナム効果の代表例:血液型による性格診断

日本におけるバーナム効果の代表的な例が、血液型を根拠とする性格的な特徴の思い込みです。
血液型と性格的特徴が関係するかのような物言いは、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そして、科学的な裏付けはないとわかっていながらも、その関係性を妥当なもののように感じるということも、多くの人にとって心当たりのある出来事でしょう。
たとえば、ある人物の血液型がA型だとわかった時に、性格的特徴と紐付けて「どうりできれい好きだね」などのように話す場面があったとします。
しかし、現実にはA型でなくても几帳面な振る舞いをしがちだったり、B型でなくてもマイペースと判断される行動を選んだりと血液型で性格を判断することは難しいです。
それなのに、多少当てはまる部分を切り取って認識し、あたかも的確に言い当てているかのように信じてしまいます。
同様の例におみくじなども挙げられます。

バーナム効果の実験と名前の由来

バーナム効果は、占いを信じるアメリカの心理学者、バートラム・フォアの研究で明らかとなりました。この人物の名前にちなんでフォアラー効果とも呼ばれます。

フォアは1948年に学生を対象に心理検査を実施し、検査結果として各々の性格的特徴をあげたものを配布しました。

実はこの検査結果の内容は星座占いをもとに創作した内容であり、全員に同じものが配布されます。

心理検査結果の配布後に学生たちにアンケートを実施し、検査結果がどれほど自分に当てはまるかなどを質問したところ、学生らの回答は5段階評価中、平均で4.26と当たっていると感じている人が多いという結果になりました。

この結果を受け、フォアと同じくアメリカの心理学者であるポール・ミールが、興行師バーナムの「We've got something for everyone.」(誰にでも当てはまる要点というものがある)という言葉からヒントを得て、バーナム効果と名付けました。

バーナム効果をマーケティングに活用した事例

心理効果の一つであるバーナム効果は、マーケティングにも効果的に応用できます。ここでは広告とセールストークの事例を紹介します。

バーナム効果を活用した広告

バーナム効果を用いた広告例として、「〇〇にお悩みのあなたに」のような特定の人へ向けられたフレーズを使用した手法があります。

たとえば、子育て世代の女性をターゲットにしたサプリメントでは、「体がだるい、寝ても疲れが取れない、休む暇もない、そんなあなたへ」などのように、ターゲットに当てはまりそうな文言を並べながら、それを目にする人物へ語りかけます。

このようなフレーズは、それらの症状が自分のことを指し示していると相手に思わせ、購買意欲へと結びつけます。

列挙された中に当てはまらない項目があっても、バーナム効果の妨げにはなりません。

その他の当てはまる項目に注目し、メッセージが取り上げる課題は自分の問題として感じられ、提示される解決方法を検討するようになります。

バーナム効果を活用したセールストーク

バーナム効果をセールストークで活用する場合、誰にでも当てはまるような関心事や悩み事を相手に確認し、それを解決できる手段として売りこみたい商品を紹介する事例があります。

そもそも消費者が商品を購買する際には動機が必要です。

相手の関心を満たしたり、悩みを解決できることを説明し納得してもらえれば、顧客が商品を買う可能性が高まります。

そのため、バーナム効果によって顧客は自分のことを言い当てられたように感じ、まさに自分の悩みを解決してくれる商品だと思い込むでしょう。

他にも、保険商品のセールストークに「老後の生活に不安を抱えていませんか」というセリフがあります。

子育て世代であれば「お子様の学費や家計の維持に不安がありませんか」など、またシニア世代であれば「健康の悩みが増えていませんか」など、世代ごとに状況や悩みは変化します。

自分の悩みを言い当てられていると感じさせることで商品への興味の高まりや、購入などの顧客のアクションが期待できます。

バーナム効果を効果的に活用するための4つのコツ

バーナム効果の成果をより大きくするためには、会話の中で相手に当てはまりやすい、かつ受け取り方が画一的でない内容を展開し、それを足がかりにして信頼を得ることが重要です。

なぜなら、自分をよく理解している存在だと感じると人は警戒心を解くからです。

あたかも特徴や気持ちを言い当てられたかのように相手が感じるよう、大勢に共通するトークテーマはもちろんのこと、相手の観察が欠かせません。

バーナム効果を活用する際のコツを解説します。

1. 個人に向けて伝える

バーナム効果は、その言葉が自分ひとりに向けられたものだと認識することで効果が上がるとされます。

誰にでも当てはまる内容を話す場合でも、相手ただ一人に対しての言葉として話すことが大切です。

具体的には「みなさん〇〇で悩んでいます」ではなく、「あなたは〇〇で悩んでいませんか」などのように、「あなた」や名前を使って語りかけます。

先に紹介したフォアが行った実験でも、心理検査を経た結果があたかも「自分のみの結果」として受け取られた点がポイントです。

全員の前で同じ結果が配布されたのでは、バーナム効果は生まれにくくなるでしょう。

自分にだけ向けられたメッセージとして受け取ることがバーナム効果を生み出す秘訣ともいえます。

2. 情報の発信源に信頼性がある

バーナム効果は、その発言をする人が信頼に値するか否かで結果が左右されます。

セールストークであれば、平社員よりも肩書のあるポジンションの人が営業を行ったほうが効果が出やすいと考えられます。

フォアが学生らに実施した実験は、フォアが心理学者であることが信頼の材料になっていました。

これが、心理学の知識のない友人などが実験者であれば信頼性は下がり、どれほど自分に当てはまるかという問いに対しての評価も低くなったと推測できます。

また、信頼に繋がる肩書や権力がなくても、バーナム効果を起こす方法はあります。

その場合は、多くのデータやエビデンスによる信頼性の補填や、肩書のある人の権威を借りて「〇〇さんも~」と発言に組み込むなどすると、信頼性を高めバーナム効果も狙いやすくなるといえます。

3. どちらとも取りやすい表現にする

バーナム効果を狙い、当てはまりやすい質問で会話を始める時、イエスかノーのいずれかしか答えのない質問だと、ノーと言われると即会話が終了してしまいかねません。

イエスともノーとも言える、当てはまるポイントが複数あるような表現を用いることが大切です。

先ほど紹介した保険商品のセールストークの場合、「老後の生活に不安を抱えていませんか」だと不安がない人の場合はノーの答えで終了します。

これを、「老後の生活は楽しみだけれど、不安に思う部分もありませんか」とすることで、楽しみな人と不安な人の両方が当てはまる質問になります。

さらに、相手の置かれた環境や立場に応じて当てはまりやすい質問を投げかけることも、バーナム効果をより高めます。

仕事帰りの人をターゲットにするのであれば「仕事でお疲れではありませんか」、育児中の人をターゲットにするのであれば「育児でお疲れではありませんか」などのように、相手の立場に寄り添った表現やワードの選択がポイントです。

4. ポジティブな内容にする

バーナム効果はポジティブな表現、内容の時により効果が出るとされます。

ネガティブな内容を用いて共感を得ることが不可能なわけではありませんが、相手が共感を拒否する可能性もあります。

反対にポジティブな内容は自分に当てはまってほしい心理も手伝い、内容を受け止めやすくなります。

一般的に当てはまることであっても、聞き手はより強く自分のことだと思うようになるでしょう。

バーナム効果は顧客に購入を検討、決断してもらうきっかけにも

バーナム効果は、誰にでも当てはまる内容を足がかりとして応用でき、個人へのアプローチをより強固なものにすることが可能です。

マーケティングにおいても、相手に耳を傾けてもらい、行動にまで進めてもらえるきっかけとなり得ます。

もしも何か商品を売りたいのならば、利用する可能性のある顧客が何に共感を抱くのか、相手の背景を推測したうえで話題を選び、表現方法を工夫することが大切です。

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