大手百貨店の三越伊勢丹は、昨年9月から顧客を公式サポーター「イセタニスタ」に任命し、SNSで三越伊勢丹新宿店の魅力を発信してもらっています。報酬は発生しないものの、現在約90名にまで拡大しており、来年も新たに募集を開始する予定です。
本記事では、「イセタニスタ」の特徴などを紹介し、無償でも多くの人がイセタニスタを志望する理由に迫ります。
「イセタニスタ」とは
まず、イセタニスタについて、概要と社会的背景を紹介します。
一般公募で選ばれた顧客
イセタニスタとは伊勢丹の公式サポーターとして、伊勢丹の顧客から一般公募で選ばれ、伊勢丹に関連するUGC(ユーザーが作ったコンテンツ)をSNSで発信する役目を担います。
2020年9月に第0期生を募集し、43人が任命されました。今年5月には第1期生を募集し、現在は合計約90人がイセタニスタに任命されています。
SNS普及による口コミの影響力拡大
SNSが普及したことにより、本来小規模なコミュニティでしか共有されなかった口コミが、世界中に発信されるようになり、その影響力が一段と高まりました。
これを受け、SNSを活用したマーケティングや広報の注目度が強まり、三越伊勢丹も「イセタニスタ」の始動に至ったとみられます。
イセタニスタの特徴
SNSで伊勢丹の魅力を発信するイセタニスタですが、報酬は発生せず、拡散力が強いとされる有名人やインフルエンサーだけで構成されているだけではありません。
以下、イセタニスタの特徴を2点紹介します。
1. 無償での活動
イセタニスタの特徴の一つは、報酬のインセンティブや交通費などの金銭的支給が一切発生しないという点です。
金銭が介在することで、伊勢丹に対する純粋な愛情による活動から、商業的な活動になることを防ぐためだと言います。
2. フォロワー数よりも「伊勢丹愛」
2つ目の特徴は、イセタニスタが有名人・インフルエンサーに限らないという点です。
選出の際に伊勢丹が最も重視するのは、「伊勢丹への愛の強さ」であり、SNSのフォロワー数よりも、より愛がこもり、見る人に伝わりやすいUGCを発信することが重要とされています。
イセタニスタのメリット
伊勢丹側にしかメリットがないように見えますが、イセタニスタ側にもメリットがあるようです。
特別な顧客体験
イセタニスタのメリットは、通常の顧客は参加できない社内の座談会や体験企画に参加できるという点です。万年筆をマスターする講座や化粧品の工場見学など、これまで約70種類、約120回の企画を行ってきました。
また、メディアコンテンツの制作に関わる機会も多く、記事の作成やインスタライブの出演をするイセタニスタもいます。
さらには、非公式アカウントを通して、イセタニスタと伊勢丹スタッフだけが情報交換をできる、特別なコミュニティもあり、共通の好みを持つ人どうしのつながりや、商品やサービスについて新たな情報の入手などが期待できます。
このような体験は、伊勢丹を愛するイセタニスタにとって大きなメリットであると言えます。
イセタニスタの伊勢丹愛が原動力となる
SNSを通じ、伊勢丹の魅力を発信するイセタニスタは、報酬は一切発生しませんが、一人一人の愛の強さが原動力となり、集客や売り上げの増加に貢献しています。また、イセタニスタにしかできない特別な体験も、イセタニスタとしての活動を続ける理由になっていると言えます。
三越伊勢丹は現在、伊勢丹新宿店だけでなく、JR京都伊勢丹でも同様の取り組みを開始しており、来年4月にイセタニスタの第2期生を募集する予定です。
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