コモディティの日本語訳は商品や原材料という意味で、業界に応じてその意味合いは異なります。
投資ではコモディティ投資という言葉で商品先物市場などにおけるエネルギーや原材料に投資するという意味で使われますが、経済学では、代替できる商品やサービスを指します。
また近年マーケティング業界においてコモディティ化という用語が多用されていますが、ここでの意味合いは市場において商品やサービスの品質、機能の違いが小さく、画一的になっている状態をいいます。
本記事ではコモディティの言葉の意味に触れ、マーケティングにおけるコモディティ化とその要因、またコモディティ化した市場での対策に関して解説します。
コモディティとは
コモディティを日本語に訳すと「原材料」や「商品」という意味です。
マーケティング用語やビジネス用語として使用されており、その場合、特に同種類の商品の中で差別化できていない一般的な商品を指し「コモディティ化」「コモディティ商品」と称されています。
投資におけるコモディティ
コモディティ投資とは、コモディティが原材料の意味を持つ単語であることから、未来の期日までに商品を購入または売却することを条件にその価格を現地点で決定する商品先物市場のような取引において、原油などのエネルギーや金銀などの貴金属、小麦、コーヒー豆などの農産物に投資することをいいます。
マーケティング業界でのコモディティ
マーケティング業界での「コモディティ」とは、市場の中で一時的には他社製品と比較して付加価値があったものの、他社の模倣商品の流通などによりその付加価値が低下し画一的、均質的になることや、その結果、商品の価値が下がってしまう様子をさします。
コモディティ化とは
食品や日用品などある商品のカテゴリに対して多くの商品が流通することで商品間の特徴や魅力の違いが少なくなって画一化が進んでいる状態をコモディティ化しているといいます。
たとえば、醤油を例にあげるとそれぞれのメーカーが出している醤油に違いがあっても、消費者にとってその違いの判別ができず品質の差別化が難しいとき、醤油の市場がコモディティ化しているといえるでしょう。
コモディティ化の3つの原因
一般的に一つの市場で様々な商品が流通することで商品同士の品質に差がなくなり、コモディティ化が進むと市場価値が低下し価格競争になっていく傾向にあります。
商品価格が下がれば売上も下がるため、どの販売業者も好んで市場をコモディティ化させているわけではないでしょう。
ここからはなぜコモディティ化が進むのかを解説します。
1. 情報の流入
多くの情報がインターネット上に公開されており、SNSなど一般人でも気軽に情報
すばやく他社の商品情報や開発技術を手に入れられることがコモディティ化の原因の一つとしてあげられます。
一社がこれまでにない画期的な商品を生み出し顧客の評判を得られたとしても、他の会社が開発情報を入手し模倣して販売できればいたちごっこになってしまいます。
2. 技術力の発展
2つ目の要因として考えられることは科学や開発技術の発展により、多くの企業が顧客を満足させるレベルの商品を開発するリソースを持っていることがあげられます。
日本の高度経済成長期では、商品やサービスの品質の違いがその価値を作り出せる技術力に直結していましたが、企業の発展が進むことでこうした技術の基準が底上げされ、どの企業も同等の価値をつくりだせるようになっています。
コモディティ化を防ぐには真似をされないような技術や仕組みで商品販売をする必要がありますが、技術力のみで他社と差別化をすることが難しいことがコモディティ化が進む要因として挙げられます。
3. 海外製品の流入
3つ目の要因として考えられることは、海外で製造された安価な商品の流通です。
発展途上国で製造される商品は日本よりも原料や人件費が安いことにより、低価格で生産、販売されることがあります。
すると市場全体でその商品の価格が下がり、低コストで商品を開発しなければならなくなると付加価値をつけるのが難しく、結果的にコモディティ化が進んでいきます。
コモディティ化の対策法
市場がコモディティ化が起きてしまった場合には、あらためて顧客のニーズを見直し自社の商品のセールスポイントを固め、それに沿ってブランディングを進めたり、あるいは販売チャネルを多数持ったりという方法が有効です。
1. ブランディング:顧客目線で付加価値を訴求
コモディティ化している市場で、他社との違いを生み出し顧客に選んでもらう方法の一つとしてブランディングがあげられます。
ブランディングは、自社ブランドの代表的イメージを打ち立てる活動です。
コモディティ化に対抗するブランディングでは、顧客がそのカテゴリの商品やサービスに対しどのようなニーズを抱えているのかを理解したうえで、そのニーズにこたえる魅力を自社商品の特徴と紐づけて打ち出します。
たとえば、アパレルブランドの冬に販売する商品の場合、顧客のニーズには防寒が含まれます。そのうえで、顧客のニーズについて調査し、ニーズが「より多くの服と組み合わせた着回しを楽しみたい」ことにあると捉えられる場合には、そこを軸とした差別化ができます。
色味や素材、形といった側面から多くの服と相性の良さがある商品は、このような顧客にとって付加価値が高い商品となります。同じ防寒機能のある服であっても、こちらを選ぶ顧客が出てくるでしょう。
このブランドの商品はあたたかいだけでなくおしゃれに着回しができるというイメージが広がれば、価格競争にまきこまれない独自の地位を築くことができます。
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2. 商品のネーミングを工夫・販売経路を増やす
コモディティ化から抜け出すことではなく、市場がコモディティ化している状態でも顧客に選んでもらうためには、商品名やロゴ、キャッチコピーなどをつくり、顧客に認知を広げていくことも一つの手段といえるでしょう。
また、オフラインの販売店舗だけなくECサイトなどを活用してオンラインでの流通経路をつくると、販売のチャネルが増えます。コモディティ化した市場で生き抜く一つの方法です。
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コモディティ化する市場では差別化の糸口を探し訴求
コモディティ化が進むと、市場全体で価格競争が激しくなる他、商品の価格が下がるため販売利益率も下がる傾向にあります。コモディティ化から抜け出すには、市場における顧客のニーズとは何かを見出し、ブランディングやポジショニングに注力することが大切です。
様々な商品が低価格かつ過不足のない品質で入手できる現代においては、どのような点が付加価値であるのかをわかりやすく伝えられるかどうかが、市場で成功するための重要な要因といえるでしょう。
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