家電量販店最大手のヤマダ電機が、東京・新宿の「LABI新宿東口館」を10月4日に閉店することがわかりました。
一方、新型コロナウイルスの流行がピークとなっていた4~6月は外出自粛による在宅率の上昇で、家電全体への需要が高まり、売上が好調だったといいます。
2015年には閉店ラッシュが話題となっていた同社。今回のLABI新宿東口館の閉店の意図はどこにあるのでしょうか。
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閉店の理由は「子会社との競合避けるため」
ヤマダ電機 LABI新宿東口館は、2010年にオープンした大型の家電量販店です。2020年10月4日に閉店となります。
新宿駅西口にあるLABI新宿西口館は営業を継続するようです。
今回の閉店については、子会社「大塚家具」の新宿ショールームとの自社競合を解消するためとされています。
「ユニカビジョン」の設置は継続
ネット上では閉店を惜しむ声のほか、LABI新宿東口館と同じビルに設置されており、新海誠監督の大ヒット映画『君の名は。』『天気の子』の作中にも登場し話題となった「ユニカビジョン」がどうなるのかと心配する声が上がりました。
Twitter:K17UNEさん @haruhitumugi による投稿
これについて、ユニカビジョンを管理する株式会社ユニカの担当者は、ビジョンの設置を継続するとしています。
ヤマダ電機の売上、コロナ禍でも好調なワケ:外出自粛で家電の需要増か
大型店舗の閉店を実施するヤマダ電機ですが、売上自体は新型コロナウイルス流行時期も好調だったようです。
流行のピークだった4~6月期は、売上高が前期比の8.0%増、営業利益が272.1%増、純利益が238.9%増と大きな利益を上げました。
この時期は外出自粛による在宅率の上昇で、家電全体への需要が高まっていたのだといいます。テレビや洗濯機、冷蔵庫の買い替え需要に加え、6月には気温が高かったことからエアコンも好調となりました。テレワークやオンライン授業に関連した需要の影響もあったようです。
また2020年4月〜2021年3月期の純利益の見通しについては、上期(4月〜9月)は29.4%減が見込まれる一方、下期(10月〜3月)は改革の効果による47%増を想定し、通期では0.4%増となるとしています。
2015年 ヤマダ電機の閉店ラッシュ、家具取り入れる改革へ
2015年当時、全国のヤマダ電機46店が相次いで閉店していました。
都心で中国人の「爆買い」需要を捉えたビックカメラ、ヨドバシカメラに対し、地方や郊外に特化しているヤマダ電機は、国内消費の減少からダメージを受けていたようです。
しかし2017年頃から、既存店を家具やキッチン用品をそろえた店舗に改装するなど、改革を進めたことで業績は改善。
2019年4月〜2020年3月期は売上高が前期比の0.7%増、営業利益が37.5%増、純利益が67.5%増と、好調な決算となりました。
また2020年6月からは、子会社とした大塚家具のショールームで、家電の展示販売を本格的に開始しています。
コロナ禍での売上好調は、こうした改革の積み重ねが"コロナ需要"を上手く捉えた結果だといえるかもしれません。
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<参照>
BCN+R:ヤマダ電機の新宿参戦の象徴「LABI新宿東口館」が閉店、大塚家具との「カニバリ」解消
J-CASTニュース:新宿東口「名物」大型3面ビジョンどうなる? 同ビルのヤマダ電機10月閉店で...運営会社に聞いた
ヤマダ電機: 2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
現代ビジネス:ヤマダ電機「閉店ラッシュ」が意味するもの 「量販店」が消える日 家電に続いて、スーパーも危ない
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