大手コンビニエンスストア・ローソンの公式アカウントが投稿したハッシュタグ「#ローソンマチカフェ10周年」が、Twitter上でトレンド入りしています。
「マチカフェ」とは、ローソンのカフェブランドです。ローソン公式アカウントはマチカフェ誕生してから10周年となることを記念し、毎日1万名にコーヒー・カフェラテ無料券を配布するキャンペーンを行っています。
Twitter:ローソン @akiko_lawsonによる投稿
これまでもローソンは積極的にTwitterを活用したマーケティングを実施してきました。2017年には複数のハッシュタグが「ハッシュタグランキング(ブランド)」にランクインし、Twitterマーケティング公式サイトで「Twitter運用のプロ」とも紹介されています。また、2020年にも「#エルチキ食べたい」が企業のハッシュタグランキングで1位になっています。
圧倒的な強さを誇るローソンのTwitterマーケティング。その秘密はどこにあるのでしょうか。
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「#ローソンマチカフェ10周年」を含むツイート、97%がポジティブな反応
Yahoo!リアルタイム検索では、あるキーワードをツイートした数とその推移、さらに感情の割合(ポジティブ、ネガティブな反応がそれぞれ何割か)を調べられます。
この機能を使って「#ローソンマチカフェ10周年」というキーワードを含めてツイートした数とその感情の割合を調べたところ、6時間で約11万件ツイートされていることに加え、97%がポジティブなツイートであることがわかりました(※1月19日14:20時点)。
一方、ある飲食チェーンが実施しているキャンペーンのハッシュタグに対する感情の割合は、ポジティブが65%、ネガティブが35%でした。ツイート数の規模が違うため単純比較はできないものの、ローソンのキャンペーンの97%という割合は、かなり高いものだといえます。
また、先ほど引用した無料券配布キャンペーンのツイートのリプライ欄をみてみると、無料券が欲しいといった声に加えて、マチカフェの10周年を祝う声も散見されます。
Twitter:ゆぅさん @11chimin による投稿
これらの反応からは、ローソン公式アカウントとそのキャンペーンに対するユーザーからの好感度の高さが見てとれます。
ローソンは「Twitter運用のプロ」と称されることも
Twitterマーケティング公式サイト内に、2018年5月に行われたTwitter主催のイベントをまとめた記事があります。
その中ではローソンが「Twitter運用のプロ」と称され、Twitterをうまく活用している企業のひとつとして紹介されています。
その根拠として、2017年のハッシュタグランキング(ブランド)に「#ローソン」「#lチキチーズ無料プレゼント」など、複数の関連ハッシュタグがランクインしていることが挙げられています。このことから、ローソン公式アカウントは好感度が高いだけでなく、影響力も大きいことがわかります。
2020年の「今年急増したハッシュタグ:企業」でも「#エルチキ食べたい」が1位となっており、ローソンは引き続き企業のTwitter運用を牽引していると言っていいでしょう。
では、ローソンのTwitter運用はなぜ成功を続けているのでしょうか。そのポイントは2つあります。1. ローソンは明確な目的意識を持ってTwitterを活用している
Twitterマーケティング公式サイトの記事によれば、ローソンは以下の2つのような理由からTwitterマーケティングに力を入れているといいます。
- 「コンビニはどこも同じ」という感覚を持つ人々に対し、ローソンが想起されるようコンビニで物が売れる時間帯に訴求するため
- その日の気温や天気、さらには情報番組での紹介といったリアルタイムな状況の変化に合わせた発信ができるため
1に関して、Twitterの利用が伸びる時間帯はコンビニで物が売れる時間帯とシンクロするため、Twitterは重要なメディアなのだといいます。
また2に関しては、リアルタイムな状況の変化にはテレビCMなど柔軟性、即時性の低いメディアでは対応できないため、すぐに訴求できるTwitterを利用しているのだそうです。
このように、ローソンは「なんとなく拡散されやすそうだからTwitterを使う」のではなく、「このためにTwitterを使う」という明確な目的意識を持ってTwitterを活用していることがわかります。
2. ローソンはTwitterでの発信がより効果的になるよう工夫している
ローソンは「カンバセーショナルカード」というTwitter広告の機能を使ってキャンペーンに参加してもらえるよう工夫しています。
またTwitterのキャンペーンがより認知されるよう、テレビ番組との連動企画も実施したようです。
クリックすると定型文でツイートできる「カンバセーショナルカード」を活用
先ほど紹介した「#ローソンマチカフェ10周年」のツイートでは、ツイート下部の「Tweet #ローソンマチカフェ10周年」と表示されている箇所をクリックすると、ハッシュタグ付きの定型文で投稿できます。
この機能は「カンバセーショナルカード」といい、一度クリックするだけで簡単に投稿できるため、Twitter広告を見た利用者がその内容についてツイートするよう促進できます。
企業によるキャンペーンは「RTすると〇〇がもらえる!」などとリツイートを促すものが多いようですが、「ツイートすると〇〇がもらえる!」という条件にして自分でツイートしてもらう方が「キャンペーンに参加した」という気持ちを持ってもらいやすいと考えられます。また、ローソンのツイートのようにトレンド入りもねらえます。
今回の「#ローソンマチカフェ10周年」のキャンペーンでローソンは、カンバセーショナルカードをユーザーに気軽にツイートしてもらうための仕組みとして活用しました。その結果、キャンペーン開始から数えて約14万件ツイートされるという効果を得ています(※1月19日17:00時点)。
めざましテレビとの連動企画で「メディアミックス」
Twitterマーケティング公式サイトの記事によれば、フジテレビ系列の情報番組「めざましテレビ」内の「めざましじゃんけん」というコーナーとコラボし、じゃんけん参加者に抽選でローソンのコーヒーのクーポンが当たるというキャンペーンを行ったといいます。
その結果、キャンペーン期間の5日間で数百万の応募があったようです。ローソンの公式アカウントだけでなく、フジテレビの公式アカウントや参加者もツイートしたことで相乗効果が生まれ、Twitterのキャンペーンが大きく認知されることとなりました。
まとめ:ローソンのTwitter運用に学ぶ
まず、「無料だから」「拡散されるから」という理由で安易にTwitterを使うのではなく、どう使えば効果的なのかを考えることです。
そもそもTwitterは自社のサービスをプロモーションするのに適しているのか、というところから検討する必要があるといえます。たとえばタピオカなど「インスタ映え」するようなメニューを提供する飲食店であれば、Instagramでメニューの鮮やかな写真を投稿するといった手法の方が合っているかもしれません。
ローソンのようにTwitterの特徴と自社の強みを照らし合わせ、最適な運用を行うと良いでしょう。
もう1つは、カンバセーショナルカードなどのTwitterの機能を知り、発信に活かすことです。ローソンのようなTwitter運用で成功している事例から、どんな機能を使いどのように発信すれば良いのかが見えてきます。そこから学んで自社の発信に活かすと良いでしょう。
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