美容院やサロンでは、カットやパーマだけでなく、ヘッドスパを取り入れることでサービスの幅を広げられます。結果として多様なニーズに応えられるようになり、集客にもつながりやすくなるでしょう。
この記事では、美容院業界の現状、集客方法、インターネットの活用方法を解説します。
美容院業界の現状・傾向
効果的な集客対策は、業界や業種ごとに異なります。まずは、業界内の需要と供給のバランスを知るうえで、美容院業界の現状と傾向を把握する必要があります。
以下では、美容院の店舗数、利用者の割合、メニュー別の需要内訳を解説します。
コンビニよりも多い美容院
厚生労働省衛生行政報告によれば、2019年時点で約248,000の美容院が全国にあります。
同年5月版のJFAコンビニエンスストア統計調査月報の中で、全国のコンビニが約56,000店舗と発表されているため、美容院の店舗数はコンビニの約5倍と非常に多いことがわかります。2018年には美容院の数が過去最高を記録しており、業界内の競争は激化しています。
利用者の割合
リクルートライフスタイルが運営するホットペッパービューティーアカデミーの調査によれば、2019年の美容室利用者は、前年に比べて20代の男女共に減少、30代の女性および30代、40代の男性は増加しています。40代と60代の女性はほぼ横ばいです。
特に大きく上昇したのは40代の男性、最も下降したのは20代の女性となりました。女性は全世代で80%を超えています。
男性 |
女性 | |||||
2018年 |
2019年 | 2018年 | 2019年 | |||
20代 | 57.2% |
55.8% |
▼ | 88.3% |
86.4% |
▼ |
30代 | 49.8% |
53.4% |
▲ | 85.4% | 87.4% |
▲ |
40代 | 26.4% |
33.4% |
▲ |
85.3% |
85.3% |
▲ |
50代 | 16.1% |
17.8% |
▲ |
86.3% |
87.0% |
▲ |
60代 | 7.6% |
8.0% |
▲ |
85.1% |
85.2% |
▲ |
▲【美容センサス2019年上期】≪美容室・理容室編≫15~69歳男女の美容室・理容室利用に関する実態調査より引用
カット以外の需要が高まっている
ホットペッパービューティーアカデミーの調査結果で、施術内容ごとの利用率をみると、最も需要の多いのは前髪カットを含む「カット」です。パーマは減少傾向にあり、前年比で男女ともに約3ポイント減少しています。
ヘッドスパは女性男性共に、2018年に需要が回復したのですが、2019年再び減少となりました。一部需要が高まったものもありますが、全体的に減少しており市場縮小が危惧されます。しかし、減少幅はわずかなため2020年以降の回復も考えられるでしょう。
ヘッドスパで集客を行う方法
ヘッドスパで集客を実現するには、顧客ニーズへの対応、高い専門性、豊富なメニューがポイントとなります。競合の多い美容院業界では、他店との差別化を図ることが大切です。
以下では、それぞれのポイントを解説します。
1. ヘッドスパのニーズに合わせたメニューを設定する
まず、ヘッドスパを求める顧客のニーズに応えることが大切です。ただ「ヘッドスパ」と銘打つのではなく、どのようなニーズをヘッドスパで解消できるのかを明確にする必要があります。
主な顧客のニーズには、「時間やお金をいとわず本格的な施術を受けたい」、「リーズナブルな価格で気軽にヘッドスパを楽しみたい」、「脱毛や頭皮トラブルを改善したい」などがあります。さまざまなニーズに合わせたメニューを用意することで、より幅広い顧客から支持を得られるでしょう。
2. ヘッドスパに関する専門性を高める
他店と差別化を図るうえで、頭皮や髪に関する知識を深めることも有効です。専門性の高いアドバイスや施術は、顧客の信頼やリピーターの獲得にもつながります。
一朝一夕で身につくものではないため、時間や労力はかかりますが、知識やスキルを習得した後は、集客に大きく役立ちます。また、ヘッドスパを希望する顧客は、カットのみなどの客と比べて髪や頭皮への意識が高いため、プラスアルファのメニューやケア用品を販売すれば、より興味を引けるでしょう。
うまくいけば単価アップにもつながるため、売上を向上させるための対策としても有効です。
3. 頭皮に関するメニューを増やす
ヘッドスパ以外の、頭皮に関するメニューを増やすことも効果的です。頭皮チェックや毛穴ケアなど、ヘッドスパと併せて受けられるメニューを採用すると良いでしょう。
新メニューを導入する際には、あらかじめ顧客がどのような悩みを抱えているかヒアリングしておくと、ニーズに対応した施術ができます。
また、新たなメニューを導入したときは、従来のメニューを目当てに来店した顧客にも告知することで追加メニューとしてもらうなど単価をあげることにつながることもあります。
ネットの運用方法
効率よく集客につなげるためには、インターネット活用がカギとなります。ホームページやポータルサイト、SNSをうまく使ってより多くの顧客獲得を目指すことができます。
以下では、それぞれの集客方法のポイントを解説します。
1. 効果的なホームページ作成
インターネットを活用して集客するうえで、ホームページは必要不可欠です。ターゲットやコンセプトを明示して、どのような特徴の美容院であるかを伝えます。
アクセスや営業時間、サービスの内容、他店との違い、スタッフや店内の雰囲気など、顧客が知りたい情報を漏れなく記載すべきです。
また、SEOやMEOに取り組むことも効果的です。SEOとMEOは、それぞれGoogle検索とGoogleマップ検索で上位に表示されやすくなるための対策です。
訴求力の高いホームページを作成しても、見込み客に見てもらえなければ集客できないため、インターネット上で露出を増やす施策は非常に重要になります。
[blogcard url="https://media.kutikomi.com/news/2019/12/26/meoxmeaning/"]
2. 美容室ポータルサイトに登録
より多くの見込み客に店舗の存在を知ってもらうためには、ポータルサイトへの登録も有効です。
ポータルサイトとは、特定ジャンルのサービスや店舗をまとめたWebサイトを指し、美容室ではホットペッパービューティーやビューティーナビ、@cosmeサロンなどが利用できます。
ポータルサイトに登録する際には、それぞれの特徴やメインユーザー層、料金を比較して、自店に最も適したものを選ぶことが大切です。
また、ポータルサイト経由で集客できた顧客をしっかり囲い込み、継続的に来店してもらえるよう努める必要があります。
[blogcard url="https://media.kutikomi.com/news/2020/02/29/hairsalonxmarketing/"]
3. SNSを利用
インフルエンサーやインスタグラマーなどの言葉が生まれ、近年では企業や店舗がSNSをマーケティングに活かす例が注目されています。InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSを活用する場合は、投稿を閲覧したユーザーをいかに予約へ進められるかがカギとなります。
ただ閲覧数を伸ばすだけでなく、そこから予約につなげるための工夫が必要です。また、画像や動画をメインコンテンツとするInstagramは美容院の宣伝に適していますが、画像だけで他店との差別化を図るのが難しいデメリットがあります。
[blogcard url="https://media.kutikomi.com/news/2020/03/26/instagrampromotion/"]
リピーターを増やして集客につなげる
ヘッドスパで集客を目指すには、顧客のニーズに応える、専門性の高い施術や豊富なメニューで満足度を高め、リピーターを獲得することが重要です。
また、ホームページ、ポータルサイト、SNSなど、インターネットを活用してより多くの見込み客にアプローチできる環境を整えると良いでしょう。
しかし、ただホームページを作成したり、ポータルサイトに登録するだけでは不十分です。SEOへの取り組みや、他店との差別化を図るコンテンツで訴求力を高めると効果的です。
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※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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