千原せいじさん"まぐろ丼"投稿を考える3つの視点 炎上対応の正解と口コミ社会のリスク

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お笑いコンビ 千原兄弟の兄・千原せいじさんが、デリバリーサービスUberEatsを利用して「小僧寿し」のまぐろ丼を注文したところ、メニュー写真のものと全く異なるものが届いたことを自身のインスタグラムに投稿しました。

ニュースを報道した弁護士ドットコムによれば、小僧寿し側は誤った商品を届けたことを認め、せいじさんに謝罪、返金対応を行うとしています。

小僧寿し側の真摯な対応には支持する声が上がった一方で、店側に確認も取らずにSNS上に晒すという行為をとったことについて、千原せいじさん側が炎上する事態となりました。

<参照>
弁護士ドットコム:千原せいじ、Uberまぐろ丼に不満 小僧寿しは「謝罪・返金対応したい」

似た名前の商品があり、誤って配達

せいじさんは11月8日、「小僧寿し代田店」とハッシュタグをつけ、ウーバーイーツ上に表示されるメニュー写真と、実際に届いた品物の写真を比較して投稿しました。

せいじさんが注文したつもりであったとされる、インスタに投稿したメニュー写真ではまぐろの刺身4切れと、ネギトロ、玉子焼きも入っていますが、せいじさんの元に届けられたという商品にはまぐろ5切れしか入っていなかったようです。

UberEatsのメニューのスクリーンショットを載せている
千原せいじ(@chiharaseiji)氏のInstagram投稿:編集部スクリーンショット

実際に届いたマグロ丼の写真
千原せいじ(@chiharaseiji)氏のInstagram投稿:編集部スクリーンショット

せいじさんが注文した店舗は、『海鮮丼小僧寿し』の「マグロ丼」と『小僧寿し』の「まぐろ丼」の両方を製造しており、せいじさんが注文した『小僧寿し』のまぐろ・ねぎまぐろ丼ではなく『海鮮丼小僧寿し』のマグロ丼を配達してしまったということでした。

小僧寿しは、謝罪・返金で対応

小僧寿しは弁護士ドットコムの取材に対し、せいじさんに誤った商品を届けたことを認めました。

せいじさんが注文した「まぐろ丼」の方が、実際に届いた商品より高額だったこともあり、謝罪し、返金対応も行う予定だとしています。

また、小僧寿しはこの件を受けて、再発防止のために「まぐろ丼」から「まぐろ・ねぎまぐろ丼」に名称変更しています。

SNS上の反応は

せいじさんのインスタグラムの投稿に対するコメントには、「クレームつけていいレベル」「これはアウト」といったコメントが寄せられています(※一部抜粋)。

また、せいじさんも、質問に答える形で「捨てる」「何されてるかわからんし」とコメントしており、食べずに廃棄したものとみられます。

一方、SNS上やYahoo!ニュースのコメントなどでは、せいじさんの対応に対して、以下のように店側に確認せずSNSに上げることを疑問視する声も多く上がり、逆にせいじさん側が炎上するという事態になっています。

まずは店舗に確認すべきでは?

SNSに上げる必要あるのかな?お店に直接言ってほしい。

(※一部抜粋)

千原せいじさん"まぐろ丼"投稿、一連の流れを3つの視点で考える

本来であれば、完全に間違った商品を配達した小僧寿し側が炎上してもおかしくなかったでしょう。

しかし店側ではなく、逆に商品を間違われた千原せいじさん側が炎上するという事態になりました。

このような逆転現象が起きたのは何故なのでしょうか。また、こうした炎上を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。

今回の出来事を、3つの視点で振り返ります。

1. お店を名指しで批判する投稿…これってそもそも違法?

千原せいじさんは、SNS上に店舗名を名指しで批判する投稿を行いました。これは店舗に対する誹謗中傷、名誉毀損等、何らかの罪に当たる可能性はないのでしょうか。

これについて報道したAERA dot.は「問題といえるかどうかはSNSにアップされた内容を見る必要がある」とし、今回の投稿は「商品を見た際の意見や感想の範疇」として、法的な問題があるとするのは難しいとしました。

お店を名指しで批判する投稿が「違法」と言えるかどうかは内容次第であり、今回は炎上はしたものの違法とまで言える状況ではなかったようです。

<参照>
AERA dot.:SNSに商品間違いをさらした「千原せいじ」が炎上 弁護士が語る店名をさらす「法的問題」と「リスク」

2. なぜ小僧寿しは炎上しなかったのか

せいじさんが炎上してしまった一方で、小僧寿し炎上せず、擁護するようなコメントも多くみられました。

似た名前の商品を誤って配達するということ自体は店舗側のオペレーションに問題があったと言えます。

しかしその後メディアの取材に対し、小僧寿しは誤りを認め、本人への謝罪、返金対応をきちんと行うと回答しました。

さらに再発防止を防ぐため、似た名前の商品の名称を変更するということまで行いました。炎上への対応だけでなく、その先の店舗オペレーション改善まで対応しているのです。

今回はせいじさんの行為に対して疑問の余地があったというのもありますが、小僧寿し側が迅速に、かつ常識ある対応をしたからこそ、炎上を回避したのだと言えます。

3. 口コミ社会のリスク

今回は小僧寿しの迅速な対応により"鎮火"されましたが、店舗側が起こした問題がすぐにSNS上で晒され炎上してしまうという現状に、疑問を抱いている店舗関係者の方もいるでしょう。

SNSだけではなく、Googleマップの口コミなどでもこうした炎上は起こります。近年では炎上した店舗に「来店していないユーザーが低評価の口コミを書き込む」ケースが多発しており、本来口コミは来店した感想を書き込むものであるにもかかわらず、そうした批判の受け皿になってしまっていることが問題視されています。

ただ、現実としてこのようなシステムが存在しており、口コミを参考に店舗に対するイメージを決める人々がいる以上、店舗側としても無視するわけにはいきません。

店舗における「レピュテーションマネジメント(評判管理)」が、その重要性を増してきています。

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レピュテーションマネジメントとは?口コミ社会のリスクに対し、店舗側は何をすべきか

レピュテーションマネジメントは、レピュテーション(評判)をマネジメント(管理)すること。企業・店舗などのブランドイメージを維持・向上させるために管理することを指します。

レピュテーションマネジメントには、「攻め」のレピュテーションマネジメントと、「守り」のレピュテーションマネジメントが存在します。

「守り」のレピュテーションマネジメントは、炎上してしまった際にしっかりと対応すること。評判の低下を最小限に抑えられるよう、事前にどう対応するのかを決めておきます。

対応としては今回の小僧寿しの1件が参考になります。以下の3つの対応をベースに管理体制を整えておくと良いでしょう。

  1. まず被害を出してしまった相手に謝罪などの対応を行うこと。:今回小僧寿しは千原せいじさんへの謝罪と返金対応を行う予定だとした。
  2. 対応している旨を発信すること。:今回小僧寿しは、結果的にメディアを通して対応を伝えることとなった。
  3. 再発しないようオペレーション等を変更すること。:今回小僧寿しは配達ミスの原因となった、似た名前の商品の名称を変更した。

また、炎上にすばやく対応するには、自社に対する世間の声を普段からチェックしておくことも重要です。監視しておくことで、炎上や誹謗中傷などの問題に対し、早急に対応することができます。

もう1つ、「攻め」のレピュテーションマネジメントは、評判をさらに高めること。そして消費者との良好な関係を構築することです。

良好な関係を構築できていれば、炎上など何らかの問題があった場合でも、そのまま利用し続けてもらえる可能性が高まるでしょう。

ただし、炎上などへの対応に問題があれば、関係値のある消費者からの好感度も大きく下がることが見込まれます。先述した「守り」のレピュテーションマネジメントと同時に進めていくことが重要です。

このように、悪い口コミ、炎上に負けないブランドを作るには、普段から消費者からの評価を高め、信頼関係を作ること、そしてもしもの時の対応を決め、管理体制を整えておくことが重要なのです。

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