口コミマーケティングは口コミを商品やサービスの宣伝などに活用するマーケティング手法です。
今回は、口コミマーケティングについて、具体的な手法や成功事例、注意ポイントといった基本情報を解説します。
口コミマーケティングとは
口コミマーケティングの定義をふまえ、効果的とされる口コミマーケティングの手法も合わせて紹介します。口コミを拡散させ、宣伝するマーケティング手法
口コミマーケティングとは、販売したい商品やサービスに関する口コミを活用し、商品の宣伝をするマーケティング手法を指します。口コミマーケティングには、「戦略型」と「自然発生型」があります。
戦略型は、意図的かつ戦略的に口コミを広めることで、低コストで効率的に顧客を獲得したり、商品をアピールしたりできるのが特徴です。
自然発生型は、自然と口コミが拡散されることにより、集客効果をもたらすものです。戦略型と異なり、仕掛けを作らずとも評判が広まり、長期かつ安定的に宣伝することができます。
口コミマーケティングの類語
口コミマーケティングの類語として、バズマーケティングとバイラルマーケティングがあります。それぞれの意味を解説します。
バズマーケティング
バズマーケティングとは、インターネット上で大きな話題を戦略的に作り、商品サービスの口コミを広めるマーケティング手法です。
例えば、Twitterで何万件もリツイートされたり、インフルエンサーによるレビューで拡散してもらったりして、口コミが広まる状況を生み出します。
バイラルマーケティングと比較すると、短期的で爆発的な効果を狙う際に使われるようです。
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バイラルマーケティング
バイラルマーケティングは、自然な口コミが人から人へ伝わることで、商品サービスを拡散する手法です。「バイラル」とは「ウイルス性の」という意味があり、まるで感染するように噂が広まる様子を表しています。
バズマーケティングのような爆発的な効果を狙うというよりは、継続的な効果を狙う際に使われるようです。
口コミマーケティングが有効である理由
口コミマーケティングという手法がどんな手法かを知ったところで、口コミマーケティングがなぜ有効なのかを説明します。
多くのユーザーは口コミやレビューを参考にする
インターネットの発達やSNSの利用者の増加により、近年はテレビCMや街中の広告よりも一般消費者同士が共有する口コミを頼りに商品やサービスを購入する人が増えています。特にメディアの多様化により、リアルタイムで人と人、人とメディアがつながれる時代となったことから、いまやSNSやブログなどが口コミのメインプラットフォームとなっています。
株式会社マージェリックが2018年6〜7月に10代〜35歳の女性を対象に実施したアンケート調査によると、約半数がInstagramを見て商品を買った経験があると回答しました。
また、行きたいお店を決めるときに参考にする情報源として、最も回答が多かったのが「口コミサイト」というデータもあります。
このように口コミやレビューは、ユーザーの購買行動の最も大きな要因の一つとなっており、最近では多くの企業が口コミを利用したマーケティング手法を取り入れています。
<参照>地図アプリ利用率「Googleマップ」が99.4%で1位に!「口コミサイト・地図アプリ利用動向意識調査」実施【2022年最新】
口コミマーケティングを実施するポイント
ここで、口コミマーケティングを実施する上で、どんなことを意識したら良いかを紹介します。
口コミが集まる仕組みを作る
口コミを拡散させて認知度を広めたり購買を促進する手法である口コミマーケティングをする上で、その素となる口コミを実際に増やす必要があります。
なぜなら、口コミは自然に集まるわけではないからです。口コミが集まるためには、「口コミを投稿しよう」と思ってもらう必要があります。
ユーザーによる口コミを投稿するという行動喚起も役立つでしょう。
たとえば、店内やチラシなどに口コミを投稿する画面に飛べるQRコードを設置する、ダイレクトメールで依頼するなどの方法があります。
ビールジョッキに口コミ投稿画面につながるQRコードを印刷し、ビールジョッキを手にする人がQRコードが何かをきになるような仕掛けもユニークな手法です。
Googleマップは誰でも見れる場所であるため、そこに口コミが掲載されることで、Googleマップで店舗のことを知ったユーザーが口コミを参考に訪れるというきっかけを作ることができます。
さらに、その投稿された口コミの内容を分析することで、顧客がどんなニーズを持っているかなどを発見するきっかけになります。
<参照>QRコードをジョッキに印刷。「気になる仕掛け」で口コミ投稿促進! | 口コミコム
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口コミが広まる仕組みを作る
口コミを集めるだけでなく、その口コミを第三者が見る仕組みを作ることで、口コミが広まりやすくなります。
SNSやインフルエンサーの活用なども口コミを広める上で役に立つでしょう。
SNSは、口コミを拡散させる上で活用できるプラットフォームです。
TwitterやFacebook、Instagramなどで、実際に製品やサービスを利用した人が、その感想などの口コミをSNS上に載せることで、その口コミが広まり、他のユーザーの目を引く可能性があります。
さらに、SNS上で影響力のあるインフルエンサーや、その商品やサービスに対する熱狂的なファンであるアンバサダーに協力してもらう事例も増えています。インフルエンサーは、メディアへの露出が大きいモデルやタレントなどに留まらず、近年ではブロガーやユーチューバー(YouTuber)、インスタグラマー(Instagramer)なども当てはまります。
彼らに無料で商品やサービスを提供しモニターになってもらうほか、商品・サービスの開発から参加してもらうために限定イベントを開催するなどして、口コミを広げてもらうといった手法も一般的です。
口コミマーケティングの事例
具体的なイメージを持てるように、口コミマーケティングを実際に実践している企業の事例を紹介します。
ブックオフ、QRコードで口コミ投稿の促進
大手古本チェーンのブックオフは、口コミ投稿を促進するページへの誘導により口コミを収集しています。
具体的には、口コミ投稿のページへ誘導するQRコードを店内に設置し、口コミを収集します。そうすることによって、その収集した内容をもとにサービスの改善につながったり、投稿した口コミは第三者にも見られるため、そのユーザーに対する宣伝機能も担うという効果がもたらされます。
<参照>口コミコムのサポートチームが、口コミ施策の”最短距離”を教えてくれる | 口コミコム
カネボウ、サンプルプレゼント&口コミ投稿で現品プレゼントキャンペーン
化粧品会社のカネボウは、Twitter上で新作の美容液をプレゼントするキャンペーンを実施しています。
キャンペーンの内容では、Twitterで公式アカウントをフォローとリツイートをするとサンプルをプレゼントし、さらにそのサンプルを体験した後に口コミを投稿すると実際の現品をプレゼントするというキャンペーンです。
これには、その投稿される口コミが投稿され、ツイートを経て拡散されるという特性を活かして新商品の認知度を高めるという意図があります。
SNS上でユーザーが行う口コミを、UGC(User Generated Contents)と呼び、ユーザーが行う口コミは商品の宣伝において大きな影響力を持っています。
口コミマーケティングを行う上で注意すべきこと
消費者の注目を惹きつける上で効果的な口コミマーケティングですが、以下の3点には注意をして取り組むことが重要です。ステルスマーケティング(ステマ)のリスクを避ける
ステルスマーケティングとは、「ステマ」とも呼ばれており、いわゆる「サクラ」を指します。企業の人間が消費者になりすまし口コミを投稿するほか、有名人に宣伝を依頼をしているにもかかわらず、その事実を隠しPRしてもらうといった例が挙げられます。
こうした宣伝方法は批難やネット炎上の恐れがあるため、インフルエンサーなどに依頼をし自社商品を口コミしてもらう場合は、必ず「広告」や「宣伝」といった文言を入れ、ステマのリスクを回避する必要があります。
ネガティブな反応の対応策をシミュレーションしておく
口コミはコントロールすることができないため、ポジティブな口コミだけでなくネガティブな口コミが発生することも想定されます。ネガティブな口コミは拡散するとあっという間に企業イメージに傷がついてしまうため早めの対応が必要です。
ネガティブな口コミには迅速かつ真摯に対応する姿勢が求められるため、事前にマイナスとなる口コミが発生した場合の対応方針を決めておくことが非常に重要です。
協力者と企画意図のイメージを共有する
インフルエンサーや制作会社などに口コミマーケティングの協力を仰ぐ場合、その企画やコンテンツの意図をしっかりと共有し、ミスマッチを避ける必要があります。なぜなら、協力者の力を仰ぐことは問題ではありませんが、コンセプトにミスマッチが生じることで双方のブランドイメージが毀損する恐れがあります。
口コミマーケテイングを制作会社に依頼する際はこうしたことを念頭に置いておきましょう。
口コミマーケティングを効果的に活用しPRを加速させる
口コミマーケティングは、口コミを宣伝に活用することで、集客につなげるという方法です。
口コミマーケティングでは、口コミを集め、広まる仕組みを作ることが鍵となります。
インフルエンサーやアンバサダーなどの活用をはじめ、トレンドを押さえ話題性のあるSNS投稿を行うといったことが有効です。
そして、効果的な口コミマーケティングを実施する上で、ステマのリスク回避やネガティブな口コミに対する対応方針の策定なども、あわせて意識する必要があります。
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